2022秋アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2022秋アニメ(10月~12月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

いや〜今期は豊作でしたね。マジで面白いアニメが大量にあって毎週楽しいクールでした。 この豊作とかいうのガチの豊作で、何と今期 S ランクが8作品もあります。すごい。 しかも A ランクの作品も他のクールであれば S ランクでもおかしくない、まさに粒ぞろいのものばかりです。

これだけ豊作だと来期以降が不安になってしまいますが、まさかそんなわけ(フラグ)

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う(C)

このアニメ、今期一番つまらなかったと思う。 主人公が珍しく順当に善人だったのとキャラクターが可愛かったので、序盤は思わず「面白くないか?」と勘違いしてしまったが、今思い返すと片腹痛い。

途中から特に何の目標もなく主人公が噛ませをボコボコにし、美少女を隷属させていく展開が幾度となく繰り返されており本当に険しかった。 しかも主人公が「これが、ビーストテイマーの力だ!!」とか言ってテイムした美少女たちの力を借りて無双してたのとかも厳しい。

最強種もビーストテイマーも勇者もどういう存在かあんまりよく分からなかった。

B

「艦これ」いつかあの海で(B-)

何ならこの感想を書いている時点でまだ6話ぐらいしか放映されていない。 もうどう考えても制作が間に合っていないのだが、別に制作が間に合っていたとして面白いかは微妙だった。

前回のアニメ化で大コケしていたのに、よくもまあ懲りずにと思っていたが、全体的な作風はそこまで悪くない。 かなりシリアスや史実に寄せていて、キャラクターの可愛さを押し出すというよりは戦場の厳しさとかを前面に押し出したそうな雰囲気を感じる。 提督がちゃんと顔も声も出てきたのとかも結構評価できる。

ただ、前作よりは悪くない止まりで、別に面白くはない。

令和のデ・ジ・キャラット(B)

今は令和ですよ???

なぜ令和にデ・ジ・キャラットのアニメがやっているのか全く理解できない。 何なら平成初期にやっていたバージョンはオレですらまだ見てないからな。当時まだ小1とかやぞ。

この作品、要するにクソアニメではあるのだが、なんか面白いつまらないとかそういう次元で語るべきものではない。 文化的資料。

うる星やつら(B+)

今は!!!!令和ですよ!?!?!?!?!?

デ・ジ・キャラットどころじゃない大古典が出てきてしまった。 デ・ジ・キャラット古今和歌集ならこれは万葉集

当時の古臭さは残しつつも、かなり現代向けにアレンジされていてそういう意味では面白い作品だったと思う。 どうしようもない女たらしの男たち、やたらと色恋に熱い暴力ヒロインたちなど、キャラクターが非常に懐かしさを覚える。 作品自体の面白さはうーん、可もなく不可もなくという感じ。ギャグとか展開が古いけど、まあこれはこれで。

声優は一新されていた。 神谷浩史宮野真守とか、上坂すみれ内田真礼みたいに、個人的には結構似た方向性だと思っている声優が対になる形で共演していて面白かった。

A

恋愛フロップス(A)

以下、ネタバレを多分に含むので、1ミリでも見る気があるなら読み飛ばすことを推奨します。

この作品、中盤ぐらいまでは頭のおかしいヒロインが5人ぐらい現れてあり得ない展開のラブコメが続くという、テンプレを煮詰めたような胸焼けする作品だった。 初手で主人公に惚れるとか、突如同棲が始まるとか、全員同じクラスに転校してくるとか etc...

しかし終盤でどんでん返しがある。 実はそのラブコメ世界が電脳世界であり、5人のヒロインが1体の AI から生み出された人格であったという SF 展開に繋がっていくのである。 序盤中盤でとんでもラブコメをやりつつも微妙に不穏の種はばら撒いていて、満を持して回収した形となり非常に気持ちがよかった。

まあ正直ヒロインが可愛かったのとラブコメパートのイカれ具合がすごかったので、そのままラブコメで終わっても良かったんだけど、ちゃんと SF に持っていったことで話としてはかなり引き締まったと思う。 ただ、ネタバラシをしてからのテンポがやや悪く、徐々にヒロインたちが脱落していく様も予定調和感があって失速してしまったのだけが残念だった。

高野麻里佳金元寿子が出ており、完全にワイ君向けのアニメだった。

アキバ冥途戦争(A+)

「う〜ん、任侠もののアニメ作りたいんすよね」「いや〜でも今どきおっさんがドンパチやってもオタク受け悪いっすよ?」「そうっすね〜じゃあ、登場人物全員メイドにしますか」

そうしてこの作品が生まれた(完全に個人の妄想です)。

この作品、本当に全てがイカれてて良かった。 登場人物全員秋葉原のメイドで、内容がヤクザもの・任侠ものとかいう何をどうしたらその組み合わせが思いつくんだという狂気の沙汰。

1話だけでも見てほしくて、メイドのキャラソンみたいなのが流れてる裏でリズムに合わせてメイドが銃殺されていくシーン面白すぎて吐くかと思った。 こういうトンチキなギャグシーンが定期的に挟まるので、そのたびにゲラゲラ笑ってた。 メイドってなんですか?

サイゲゾンビランドサガとか、こういう何かと何かを組み合わせて作品作るの上手いですね。

チェンソーマン(A++)

いや〜〜〜こいつを S にするかは非常に迷ったんだけど、独断と偏見でここに置いた。

MAPPA が社運をかけただけあって、映像作品としての完成度の高さや豪勢さは目を見張るものになっている。 作画は言わずもがな、声優や楽曲周りもガチガチに固めているし、逆にデンジを新人声優、マキマを楠木ともりにした采配も素晴らしいと思う。

一方でちょっと気合入りすぎかなぁというのも感じた。 チェンソーマンってグロとシリアスの中にシュールギャグが光作品だと思っていて、真面目に作りすぎてシュールギャグ部分が鈍くなってないかなという気がした。 もうちょい肩の力抜いた方が面白いんちゃう?この作品。知らんけど。

普通に面白いけどめっちゃ面白いかと言われるとそこまでもない、ぐらいの評価だった。

S

不滅のあなたへ Season2(S)

なんかもう『不滅のあなたへ』の感想2クール分書いてるし今更書くことないよ……

強いて言うなら、人間らしさを獲得したフシの苦悩が増えてきて、作品としての性質が少しずつ変わってきましたね。

トナリがせっかく出てきたのにシュッと死んだのも衝撃だったし、もう少し引っ張ると思っていたヒサメも早々にリタイアしてカハクに代わるし、この作品結構キャラクターを平気で使い捨てるから情緒バグる。

ただ、ボンが表向きには死んだ人になってしまったけど、王としての器を得て大きく成長した展開とかめちゃくちゃ良かった。 人が変わり、成長していく作品はやっぱり面白い。

夫婦以上、恋人未満(S)

そうそうこういうラブコメが欲しかったんッスよねオブザイヤー 2022 受賞作品

作者が「うーん、ギャルとオタク同棲させたいけど設定考えるの面倒くさいから、高校の授業ってことにしちゃお!w」っつって、ギャルとオタクを同棲させてひたすらイチャコラさせる話。 主人公とギャルはそれぞれ別に好きな人がいて、でも徐々に惹かれあっていって……みたいなのもよくあるラブコメ設定ではあるけど、肉じゃが定食のような安心感はある。

なお、この作品は「徐々に惹かれあっていって……」の部分がなんかすげースピードで進む。 フレンチのフルコースとかって普通1時間とかかけてゆっくり出てくると思うんですけど、なんか入店して着席したらオードブルからデザートまで全部テーブルに同時に出てきたみたいなスピード感。 肉じゃが定食だと思ったら肉じゃが丼だったわ。

このスピード感はちょっと異常なんだけど、ギャルとオタクがやきもきしてていちゃついてるのを見るのは良い気分になるからまあええかとさせてくれる。 アニメの最後でついにギャルの側が自分の気持ちに気付いてイケメン君との恋を終わらせ、オタク君と向き合うことになったのでアニメ後の話が気になりますね。 ちなみにオタク君は本命の清楚女子といまだにイチャコラしており、修羅場は免れません。南無。

あと、声優が大西沙織なのも良いですね。 式守さん然り、この手のカップリングラブコメにおいて無類の強さを発揮している。

Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-(S)

はいはい、どうせきらら……えっ、アニメオリジナル作品?ほんとに?

女の子が集まっておっさん趣味をするシリーズなんだけど、作りがめちゃめちゃ丁寧でびっくりした。 いや、なんというか丁寧なんだよな。全てが。

キャラクターの作り、作画、工作作業の描写の仕方、話の展開などなどなど。 どこを切り取っても突っかかることなくスッと頭に入ってくるし、作品に馴染んでいてすごかった。

ぼっち・ざ・ろっく(S)

みんな大好きぼっち・ざ・ろっく。

もうやばいくらい世間(Twitter のオタクども)を賑わせているが、賑わせているだけあって面白い。 ギャグもそうだし、演奏パートも気合が入っていて良い。 面白さと完成度で言うと、きららの中でも最上級の部類だと思う。

ED で喜多ちゃんが全方位に順々に中指立てるシーン(立ててない)がマジで好きで、何度見ても笑ってしまう。

アークナイツ(S)

原作のソシャゲはちょっとやっていた。 シナリオがかなりシリアスでしっかりしていて面白かったんだけど、いかんせん中華作品ゆえローカライズが甘いところがあり僕は脱落してしまった。 アニメ化にあたってそのあたりの甘いローカライズや描写不足が完全に克服されており、完璧な完成度になっていた。素晴らしい。

アーミヤの絶望顔はいつ見ても良いもの(邪悪なドクター)

異世界おじさん(S+)

前クールで力尽き、戻ってきた異世界おじさん。 途中で中断してまた戻ってきた形なのに、一切その勢いを失わず最後まで走り切ったからマジですごい。

僕は原作を読んでいるんですが、よくもまあ原作のギャグのテンポをあそこまでアニメに落とし込んだなと感動した。 マジで面白かった以外に言うことがない。

不徳のギルド(S+)

正直、今期アニメの中では一番好きだった。

ファンタジー世界で女の子たちがちょっとえっちな目にも遭ったりするギャグアニメなんだけど、このギャグの部分がオレの趣味にぶっ刺さっていた。 生徒会役員共とかのツッコミが好きな人はこの作品も気に入ると思うんだけど、ギャグと主人公のツッコミがキレキレで、ギャグパートで言えば異世界おじさんに負けず劣らずだったと思う。

主人公も不快感がなくいいキャラをしているし、ヒロインたちもかなり魅力的で、世界観や伏線もちゃんと考えられている。 8話あたりにボス戦というか山場があったのだけど、そこでのヨケグモ(ボス)戦なんかは作画解放していてよくできていた。 戦闘シーンかなりよく作られていて、枚数も多いしカメラワークも上手い。あと、主人公が臨戦体勢のときはいつでも動きやすいように常にその場でステップしているのとかも、かなり細かく描写されていて感心した。

大体のアニメは1周しかしないんだけど、このアニメは2周したのでガチで好きなんだと思う。2期来て欲しい。

ブルーロック(S++)

いや〜〜〜〜面白い。

サッカーアニメは前クールのアオアシでかなりハードルが上がっていたつもりだったが、それでもなお面白いと思えたからすごい。 最初は現実味のない設定に少し首を傾げていたが、そこを超えてしまえば主人公の成長・強敵との衝突の繰り返しのサイクルがめちゃめちゃ速くて、それこそ"カオスが極まっている"。

サッカーアニメにおける主人公の特殊能力、だいたい空間認識能力説ない?

SSS

陰の実力者になりたくて!(SSS)

言わずもがな SSS です。

この作品、結構作り自体は真面目なんですが、どう考えてもクソアニメを作るべくして作っています。 枠としてはポプテピに近い。

「また俺なんかやっちゃいましたか?」を一生丁寧に擦り続ける作品で、逆にいえばそれ以外は特に何もありません。 「なぁにぃ!?やっちまったなぁ!」の芸一本で戦い続けるクールポコに近い精神性だと思っていただければ、だいたいの理解としては合っています。

個人的には「アイ・アム・アトミック」のシーンとかは死ぬほど笑い転げていたんだけど、見終わってからすっと冷静になって「いや何でこんな作品で笑ってるんだ?」と後から賢者モードが来ます。 この賢者モードが非常に厳しくて、この作品の後聴感を最悪なものに変えてしまっているんですね。

2クール目は流石に見れない。助けてくれ。

農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。(SSS)

もうなんかいかにもくだらない作品であることがタイトルから透けて見えるんですが、蓋を開けてみると結構面白かったと思います。 枠としてはかなりワルブレ(聖剣使いの禁呪詠唱)に近いと思っていて、意外と設定はちゃんとしているところとか、突如トンチキなギャグを挟み込むところとかの雰囲気はマジでワルブレだったと思います。 まあ、ワルブレほどのイカれっぷりはなかったんですけど。

全体的にありきたりな展開ばかりではあるんですが、それでも話を展開させようという意志があるだけ偉いです。 SSS に入れていますが、どちらかというと神クソアニメに近い枠だと思っていて、本来の由緒正しい伝統的な SSS だと思います。

見て損はないというと完全に嘘なので損はしますが、他の虚無と違っていくらかの味はすると思います。

聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-(SSS)

ゲームである聖剣伝説の30周年企画として鳴り物入りで作成されたアニメ。 鳴り物入りで作られたアニメは大概どうしようもないことが多いんですが、このアニメもご多分に漏れず酷かった。

作画もそんなに安定していないんですが、どう考えても脚本がおかしくて、「このアニメを見て何を楽しめばいいんだ?」という気持ちにさせられる。 主人公は全く成長せずに同じボスキャラに繰り返し負け続けるし、人間関係も大して変わらないし、メインヒロイン(原作の女主人公)はふんわりした動機で裏切るし、もう何もかもがエンタメとして楽しくない。

他にも登場人物が無駄に多い割に役割を持てておらず、途中から何の脈絡もなくフェードアウトしていったりする。 一緒に行動していた探偵役だったり、主人公の弟子として1話で押しかけてきた子供たちであったり……結局なんだったん?君ら。

このアニメ、なぜ最後まで見ることができたのか不思議なくらいつまらなくてこれだけなら C ランクなんですが、SSS に投獄されたのは理由があります。

はい。最終話がやばかったんですね。

最終話、本当にやばくて、突然敵も味方もほぼ全滅して、最後に残った死にかけの主人公とメインヒロインが泣きながら石化していきます。 元々、「特定の条件下で人のために涙を流すと体が石になる」みたいな伏線はされていてその条件を満たした状態で泣いたので石化したこと自体はおかしくはないんですが、クライマックスの展開としてあまりに意味不明すぎて爆笑してしまった。 散々その条件の話してたから泣かないって話じゃなかったのかよ、とか、今までの展開ガン無視して急に泣き始めたのなんでだよとか。

このシーン本当にすごくて、なんか目を話した隙に小さい子供がお店の商品口に中に入れてたみたいな衝撃がありました。

しかもめちゃめちゃにバッドエンドなのに、そのまま ED に入ってしまうとかもかなりめちゃくちゃな体験でした。 「ま、まあこういうバッドエンドな作品もあるよね」と ED の数分間で自分を納得させようと頑張って、なんとか溜飲を下げかけていると ED が終わります。 そして、ED が終わったあと、なんと最後の1カットで主人公とメインヒロイン普通に復活して家に帰宅しているんですね。

は?????

何の説明もなく復活している主人公たちを見て、下がっていた溜飲が口から勢いよく噴出されました。

ということで、流石に SSS 送りです。どうしてこうなったんだマジで。

まとめ

来期は本当に豊作で、S ランクがたくさんあるクールでした。 A ランクに入れているアニメも、他のクールであれば全然 S ランクに入っていてもおかしくない粒ぞろいで、素晴らしいですね。

その反動かは知りませんが、来期アニメはガチでやばいですね。 なんと異世界アニメだけでサッカーチームが組めます。やばいですね、多分9人ぐらいはレッドカードで退場です。

一体僕は何枚のレッドカード(SSS)を出すことになるのか戦々恐々としつつ、来期を楽しみにしています。

『異世界の門』を見た感想

この記事は何

2022年ももう終わってしまう1年の暮れも暮れ、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 僕は相変わらず面白いアニメとつまらないアニメを交互に見て感性を破壊する日々を過ごしています。

さて、2022年を終えるにあたってどうしても1つ触れておかなければならないアニメ作品があります。 いや、アニメかどうかすら怪しいレベルの完成度なので、アニメ作品というラベルを付けることには非常に抵抗があるのですが、一応アニメ作品と呼称しておきます。

そう、『異世界の門』ですね。

この作品、ヤバいヤバいという噂は聞いていたのですが、そのヤバさがちょっと常軌を逸するレベルというか。 もはやアニメ作品としての体裁を保っていないというか、何、その何? アニメ感想を数多く書き残してきた僕ですら言語化に困るレベル。

そんな怪物とも呼べるこの作品の Amazon レビューは驚異の☆1.6。 最低が 1 であることを考えると、ほとんど全員が 1 をつけているわけです。 しかも、5 を付けているのはクソアニメを嗜んでいそうな異常者ばかり。 要するにクソアニメ偏食家とかいう世界の外れ値をレビュワーから除外すると、ほとんど 1 ジャストです。 嘘だろお前、クッキー☆をアマプラで配信した方がまだ評価高くなるぞ。知らんけど。

ちなみにこの作品、完成度の低さは言うまでもないのですが、そのヤバさは必ずしも作品自体の完成度の低さだけに起因するものではありません。

この作品は、堆く積まれたごみの山を必死にかき分けると、なんとその奥底に闇が眠っているんですね。 作品の周辺情報を軽く調べて見ると、何ともまあ制作体制のきな臭さが香り立ってきます。 すごいですね、最近のクソアニメはどうしてこう手を変え品を変えクソコンテンツとしてのアイデンティティを競いあっているんでしょうか。

ということでこの記事では、そんな令和が産んだ化け物『異世界の門』の感想を書いていきたいと思います。

感想

このアニメを語るとしたら、まずはその独特(婉曲表現)な作画方法にあります。 この作品は「ピクチャー・アニメーション」を自称しており、アニメ本編の全てが紙芝居で進行します。

……?

あ、いや作画枚数が足りなくて「紙芝居じゃんこれw」とかではなく、ガチのマジで紙芝居です。

こんな感じのキャラクターたちがこちらを向いた立ち絵のまま、話が進行します。 普段の動きといえば、微妙に Live2D で口元が動いたり体が規則的に揺れるぐらいで、基本的にこの状態から画面が動くことがありません。

紙芝居っつうか、2010年ごろのフリーノベルゲームだろ。

当時はフリーゲームが実況動画など含めて非常に流行っていましたね。 今でこそやや下火ではありますが、フリーのホラーゲームやアドベンチャー、ノベルゲームなんかが日々現れては話題になっていた記憶があります。

さて、2010年の話から2022年の話に戻すんですが、『異世界の門』の戦闘シーンはこんな感じ。

立ち絵が回転したりエフェクトがかかったりはするが、基本紙芝居なので何が起きているかはよくわからない。

もうこの時点でめちゃめちゃに面白くて、最初に見たとき爆笑してしまった。

アニメだと思って見始めたら静止画を叩きつけられた気持ちがお前に分かるか? カレーだと思って口の中に入れたらこんにゃくの味しかしなかったんだぞ。

いや、この作品本当にこのままの調子で24分 × 12話やるんですよね。 ちょっと信じがたいと思うんですが、この作品が令和の世に爆誕し、あまつさえ地上波(チバテレビ)で放映されていたという事実は人類の汚点として語り継ぐべきです。 チバテレビの偉い人、制作に弱みを20個ぐらい握られてたんですかね。

ちなみに、最初は本当に紙芝居ばっかりで何の動きもなかったんですが、話が進むにつれて徐々に動きが増えていきます。 立ち絵を回転させたり、透過させたり、エフェクトをかけたりすることを覚え始め、わずかながら動画と呼ぶべき何かになっていくのは製作者の成長を感じて感動してしまった。 動画編集ソフトの使い方ちゃんと勉強したんだねぇ……えらいねぇ……

失礼。初孫を前にしたおばあちゃんになっていました。

ただ、個人的にはこのピクチャー・アニメーションとか言う方式本当に面白かったです。 作品のほとんどはずっと紙芝居で変わり映えしない画面を作っているんですが、突然光り輝く剣が画面の中央に出てきてぐるぐる高速で回転し始めたりするトンチキが発生するので目が離せないんですよね。 剣がグルグルするシーン、あまりに唐突かつ絵面が面白すぎて何度もリピートしてしまったので他の人にも見て欲しい。 実際他の人に見せたら爆笑してたから、多分人類普遍の感情として光る剣がグルグルしてると面白いんだと思います。

なんか、2話に1回ぐらいこういう異常に絵面がおかしくなるシーンが発生するせいで、脳がバグって最後までこの作品を見てしまいました。 完全に毎回餌が出るレバーは引かないけど確率的に餌が出るレバーは引くようになってしまうアレです。

さて、この作画方式だけでも既に『異世界の門』が常軌を逸していることは十二分に伝わると思うのですが、この作品の異常性は実はそこだけではありません。

もうこの作画の時点でややお察しではあるんですが、声優が本物の素人集団なんですね。 「俳優とかいうの声の仕事においては素人だから〜」とかではなくガチの素人を起用しているっぽくて、公募をかけて募集してきた事務所にも入っていないような素人やネット声優を片っ端から起用しています。

かつては Web 上にオーディション応募のサイトがあったのですが、今はもう消されてしまっているのが悔やまれます。 ネットで拾ったスクショですが、当時のサイトはこんな感じ。

中学生が授業で作る HTML かな?

このサイト本当にやばくて、ここに書かれてる文字全部画像だし、なんかタグの構造おかしいし、応募方法が電話か LINE 経由しかないし、会社の情報どこにも乗ってないし、プライバシーポリシーとか個人情報の取り扱いに関する話もないしで、ダブル役満ぐらいある激ヤバ応募サイトでした。

しかも、何とこの激ヤバサイトで申し込んだオーディションで才能ありと認められると、会社が声優として活躍するためのレッスン(自費)も斡旋(強制)してくれるらしいです。 そのレッスンを通じて声優としての実力を向上させ、さらにアニメに出て地上波(チバテレビ)デビューできるわけです。 いやあ、親切ですね。

ここで聡い読者は気付かれたかもしれませんが、もしかしてこれって詐g……

ま、まあほら、需要と供給ってやつですよ。どうしてもテレビに声優として出たい人もいるので、レッスン代ぐらいは安いものでしょう。

そしてこんな作品に応募する人に当然まともな声優などいるわけもなく、全員が全員棒読みの限りを尽くしたような素人集団の音読会になってしまっています。 唯一、主人公の声優だけはギリ新人声優としてやっていけるぐらいには上手かったのですが、いや逆に何でこんな作品に出てしまったんだ……

ちなみに出演声優が OP や ED を歌っているのですが、その販売タイミングが声優本人に一切共有されていないのとかもめちゃめちゃ笑ってしまった。

これ、「は?私知らされてないんだが?」っていうツイートなのに『異世界の門』公式ツイッターくんが意気揚々と RT してるのどういう感覚してんだマジで。

いや〜〜〜これまでにない新しいクソですね。まさかクソアニメを突き詰めすぎると、法に触れ得るんだなというのは目から鱗です。 「つまらなすぎるクソアニメ、ギリギリ傷害罪だろ」と思っていた僕も、まさか詐欺罪の方で立件されかねない作品が出て来るとは思いませんでした。

この作品の声優関連は闇が深くて、ずっと棒読みだなと思っていたキャラクターが急に上手くなったから「おい!?もしかしてレッスンの成果出てるのか!?」と驚いていたら、単純に声優が交代していただけだったりもしました。 これ以上はどこかから消されそうなので話すのをやめておきましょう。

さて、大体メインのヤバいところは話し終わったんですが、この作品ぶっちゃけどこをどう切り取ってもクソなので「Q. ○○はどうでしたか?」「A. クソでした」としか答えようがありません。 金太郎飴のようにどれだけ切ってもクソの面を拝むことになります。こんにちは、また会いましたね。

一応、他の観点も触れておきたいんですけど、なんか前述した2要素があまりにデカいクソとして眼前にそびえたっているせいで、他のクソが霞んでしまいます。 他の要素についてあまり感情がない。

ストーリーは多分それなりに王道……だったような気がしないでもないでもないです。 というのも、いかんせん絵から伝わってくる情報がなさすぎるせいで何が起きているのか分からず、最終的にあんまりストーリーは分からなかったです。 いや、概要は分かるんですけど、なんか細かいキャラクターの意図とか、立ち位置とかがマジで分からなかった。結構真面目に見てたのに。

この作品、こんな駄作なのに無駄にキャラクターが多いんですよね。 恐らく前述のオーディション詐g……もとい親切なサポートレッスンのために大量の素人声優を集める必要があったんだと思います。 平気で声優を途中交代させてたのも多分それと同じ理由。

しかも12話終わった時点で「俺たちの戦いはまだまだこれからだ!」っつって、生意気にも打ち切りエンドで終わらせてしまったので結末は闇の中です。 せめて四大精霊全員倒すところまではやれよ。何で三体目倒したところで打ち切ってんだよ。両親の裏切りは一体何だったんだよ。魔王っぽいやつの目的は……

いや、やめましょう。こんな作品の結末に1ミリでも感情を動かしているのがバカらしくなってきました。 画面は動かねぇのに。

まとめ

異世界の門』は、もうなんかクソとかの次元を1つ飛び越えてしまった、それこそ "異世界の怪物" ではあったのですが、それでも僕らに教えてくれたことが数多くあります。 たとえば、新人声優でもちゃんと養成所などを出ている人は素人より上手いんだなということや、アニメにおいて絵がちゃんと動くのは大切なんだなということ、そして我々が普段見ているアニメはどれだけ完成度が低いように見えても非常に完成度の高いものであるということです。

いやまあこの作品をアニメと主張する図々しさだけは見習いたいかもしれない。

このアニメに触れてしまうと、世に蔓延るクソアニメなどクソアニメでも何でもないという気持ちになれるので不思議ですね。 また1つ新しい世界への扉、いえ、門を開いてしまったかもしれません。 誰か閉じてくれ頼む。

さて、この作品は完成度は散々ではありました。 しかし、こんな作品だからこそ数多くの学びを得ることもできたのは事実です。 今後一生、この作品を(下に)超える作品は出てこないでしょう。

そして、数多く得られた学びの中で、恐らく最も大切なものは次の1点だと、僕は確信しています。

詐欺には気をつけよう。

ここまで読んでいいただきありがとうございました。

2022夏アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2022夏アニメ(7月~9月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期はつまらないアニメが多くて豊作でしたね。思わず笑ってしまうようなアニメが多く、いたるところで笑顔になっていました。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

プリマドール(C)

悲しい世界観で厳しい境遇にある女の子に歌を歌わせる作り、具体的な見覚えはないのにめちゃくちゃ見覚えがあるの何なんでしょうね。 key お得意のお涙頂戴系だろうなと思って見始めたが案の定その通りの作りで、「どうしてお前はそう毎回同じパターンなんだよ」と思いながらも実家のような安心感があった。

主人公の女の子たちが機械仕掛けのオートマタなんだけど、謎に涙を流す機構が搭載されていたり、感情表現が豊か過ぎたり、他の下位モデルの機械人形を操作するのに歌う必要があったり(!?)、演出上展開上のために作られた不自然まみれの設定に首を傾げまくっていた。

黒の召喚士(C+)

最初はちょっと面白いやんと思って見ていたのですが、途中からは1ミリも面白くなくなってしまいびっくりした。 勇者相手に悪役演じているシーンとかは面白かったんだけど、女神が現身を得て降臨したあたりから本当につまらなかった。

主人公をバトルジャンキーにしたのはキャラが立っていて良かったんだけど、脇役が増えるとバトル要素が分散するせいで唯一のこの作品の良さも失われてしまった。 転生させた勇者がボーイッシュな感じの女の子だったのも、「いや、こいつ男でも良かっただろ」という感想しかなく、マジで女子である理由がない。 最終的にはテンプレまみれの凡作になってしまったの本当に悲しかった。

OP は曲も映像もめちゃくちゃ好き。 かいりきベアマジで良い曲作るようになったな。

B

ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd season(B)

最高にかっこいい OP 楽曲から繰り出される、最高にクソだせぇ OP 映像。ZAQ はキレていい。 何であんなボカロ楽曲の MV みたいな映像なんだよ。

本編は、1期の頃から当面のボスとして出ていた龍園を1クールかけてしばく話。 最終話で綾小路が龍園をぼっこぼこにする場面は作画が本当に良くて良かった。

よう実、すげえ頭脳ゲームっぽい雰囲気醸し出しておきながら最終的には暴力が勝つのほんまか? 龍園が「暴力こそが全てを支配する力だ」って言ってたの全然嘘じゃないじゃん。 暴力至上主義の教室だよこんなの。

とはいえ、全体的に普通に面白かったと思う。

A

RWBY 氷雪帝国(A-)

久々にシャフト節の効いたアニメを見た気がする。 RWBY は元は海外で作られた 3DCG アニメで、本作はその1エピソードを日本のアニメ制作会社が作ったような形になる。

作品の作り自体は結構シンプルなファンタジーだが、全体的なガジェットやオブジェクトデザインが良かった。流石シャフト。

1エピソードを1クールに引き延ばしたので、若干間延びした感はあるがそれでも見ごたえはあった。

金装のヴェルメイユ(A-)

原作のサブタイトルは、「〜崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む〜」。 絶対つまんないだろと思って見始めたらこれがびっくり、普通に……いや普通以上に面白くて驚嘆してしまった。

どうやら原作は漫画らしく、流石にちゃんとしていた。 話の方向性としては『ロザリオとバンパイア』とか『一番うしろの大魔王』とかそのあたりが近いのかなぁ。 一昔前のラノベや少年漫画のアニメっぽさを感じて非常に良かった。

個人的に漫画原作だけあってキャラデザがめちゃめちゃ優れているなと感じた。 アニメの脚本や演出も高水準でまとまっていて、老舗のアニメ会社が作ってるのかしらと調べてみたらこの作品が1作目らしくて「すげー」となった。

やや露骨なお色気描写があるのはご愛敬かな。 ぶっちゃけ僕はお色気描写まったくなくても面白かったと思う。

異世界薬局(A)

異世界転生した薬学博士が薬学知識で無双する話。

主人公は転生時に「病名看破」と「万物生成」というクソアホチートスキルを貰っているので、それなりにチート要素もある。 とはいえ「なんかすごい効く薬」みたいなのを雑に魔法で作るわけではなくて、比較的単純な化学物質しか魔法では生成できずに、そこから先はちゃんと薬学の知識を活かして実際の薬を作っているのは結構偉かったと思う。

万物生成と病名看破の能力、ちょっと間違えると作品を破壊してしまいかねないと思うんだけど、あくまで薬学知識でことにあたるための補助的役割に徹する書き方をしていたのは良かった。 まあ、異世界で薬学無双しようとするともうちょいギャップを埋めるためのもろもろが必要だからね……(ガラスの質が低いとか、ゴムが無いとか)

Wikipedia 知識では無くてちゃんと薬学知識を使っている(ように見えた。僕は薬学知識ないから知らんけど)のもすごく良かった。

あと、脚本家が地味に知っている名前が多くて、さがら総とか渡航とかいて笑ってしまった。生きてたのかお前ら。 大体話が重い週の脚本は渡航が書いてた。

リコリスリコイル(A++)

最初は S でも良いかなと思っていたけど、終盤がちょっと「うーん」という感じだったのでここ。 全体を通じた作品としての完成度は高かったと思う。

物語的にハッピーエンドに持っていくために千束が死なないのは分かるんだけど、それにしたって何も失わなすぎじゃない? 真島すら死んでないのはちょっと大団円が過ぎていて、それこそバランスが取れてねぇよなぁ? 千束が誰かを殺す、リコリスの誰かが死ぬ、先生が死ぬあたりの差し引きはあっても良かったんじゃないかなぁと思っているが、これは好みの問題かな。

あとキャラクターとして千束は好きになれたけど、たきなやくるみをあんまり好きになれなかったとか、百合が好きじゃないとかも作品を高評価できない要因の1つかも。 たきなは流石に千束至上主義過ぎるし、くるみはあんまり信条が見えてこなくてもやってしまった。

ちなみにヒール役やっている松岡禎丞が大好きすぎて、当然真島のことも大好きだったんだけど、タフすぎて流石に笑ってしまった。 お前の才能は絶対耳の良さじゃなくて、死ぬほど殴られてもゴム弾食らってもビルから落ちてもピンピンしてる肉体のタフさだよ。

S

カッコウの許嫁 2クール目(S-)

1クール目のときは「まあ普通に面白いかな?」ぐらいだったんだけど、2クール目になってからかなり面白くなった。

ブコメの割に関係性の変化をかなり丁寧に進めている印象で、関係性がちょっとずつ動いてきてヒロイン同士がやんわり牽制し合うようになってきてマジで面白い。 ヒロインの牽制合戦に嫌なリアリティがあってすごいですね。 こういうの好きだからもっとやって欲しい。 五等分の花嫁の一花が激ヤバムーブしてたのとかもすごい好きだった。

小原好美がこういうラブコメヒロインやってるの珍しいので、貴重な摂取源になっている。 鬼頭明里小原好美がヒロインやってるから実質『まちカドまぞく』の百合に挟まる男の気持ちになれる。

神クズアイドル(S-)

PV を見たときから妙な確信があって、絶対面白いだろこの作品と思って蓋を開けたらちゃんと面白かったので良かった。 ギャグアニメとしては純粋に今期で一番笑ったと思う。

女限界オタクの解像度が高すぎてめちゃめちゃ笑った。 マジでオタクの描写がこの作品の面白さの8割と言っても過言ではないので見て欲しい。

東山奈央の演技も可愛かったし、ちゃんとストーリーもメリハリがあって良かったと思う。

3DCG はまあほら予算がね……

よふかしのうた(S)

OP、ED、挿入歌を含めたすべてが Creepy Nuts の提供楽曲というずぶずぶなアニメ。

元々原作を読んでいたんだけど、良くも悪くも期待通りの面白さだった。

雨宮天とか沢城みゆきとかが結構癖のある演技をしていて良かったと思う。 ちょっと沢城みゆきの探偵さんはやり過ぎかなとも思うけど、沢城みゆきが演技上手すぎてすぐ慣れた。

異世界おじさん(S)

お前……どうして放送延期に……

制作人員が足りずに今クールでは7話まで放送して、来期また最初から最後まで再放送するらしい。 現時点ではめちゃ面白いので待ってるね……

アオアシ 2クール目(S+)

1クール目に引き続きべらぼうに面白い。 優等生すぎて特に言うことがない。

シャドーハウス -2nd Season-(S+)

いや~ちょっと面白すぎますね。 1期の頃から抜群の世界観とキャラクター設定でぶいぶい言わせていたけど、2期で新章に入ってからもまた面白くてすごい。

星付きたちだったり、ケイトと同じようにシャドーハウスに逆らおうとする先人たちが出てきたり、エドワード(笑)の能力が出てきたりとかなり話が進んだ。 シャドーハウスの子供たちの棟の狭い場所でしか生きてこなかったエミリコたちの世界が徐々に広がって来ていて面白い。

3期はよ!!!

メイドインアビス 烈日の黄金郷(S+)

劇場版かな?

原作者監修の補完もありアニメとして完璧な出来栄えだった。とても素晴らしいですね、ナナチ。 6層編をきれいに1クールにまとめていて、起承転結どこをとっても美しかった。

いや~三賢のキャラクターが抜群に良かったですね。 ワズキャンのサイコっぷりとか、ベラフが最後は高潔さを貫いて果てるのとかマジで良かった。 ヴエコほんますき。ああいう陰キャっぽい女の子が好きです。

Engage Kiss(S+)

ラノベアニメっぽさ全開のアニメで、「いや~~~そうそうこういうのでいいんだよ」ってなってた。 ラノベっぽさはありつつ、アニメオリジナル作品なので1クールできれいにまとめていて個人的にはめちゃめちゃ面白かった。

まずね、女の子が全員可愛かったのが本当に偉い。 かなり記号的なヒロインズだったとは思うんだけど、記号もここまで突き抜けてちゃんと描写すれば魅力的なんだなと思った。 脚本家の確かな腕を感じた。

あと、この手のハーレムもので、ガチで主人公がヒロイン全員(妹以外)に手を出してるの新鮮過ぎて笑ってしまった。 主人公の手癖が悪すぎる。 この主人公がありきたりなラノベ主人公かと思いきや、話を重ねるごとにクズエピソードを重ねていくのもバランスが取れていてよかったですね。 なんかクズエピソードも、ギリギリ笑えるレベルのクズエピソードで脚本家のバランス感覚どうなってんねんと思った。すごい。

主人公がクズ過ぎて、クライマックスで主人公がやられて「ざまあみろ!」ってコメントが流れて来るのこの作品ぐらいだろ。

S

咲うアルストロノリア(SSS)

この作品を SSS に入れるべきは本当に迷った。 どれくらい迷ったかというと、こいつの評価に悩みすぎてブログを数日漬けものにしたぐらい。 ただ、最終的にどうしても光るクソとして紹介したかったので SSS にした。

正直、作品の完成度としては全然悪くない。 もし光り輝く1点のクソ要素が無ければ、B~A- ぐらいの評価に収まる女の子たちの日常系アニメだったと思います。

では、何がクソだったかというと、作中の不穏要素が一切回収されずに終わったこと。

この作品、原作がニトロプラスです。 はい。ニトロプラスで女の子たちの日常系というと嫌な記憶が呼び起こされますね。あれ、窓割れてね? まあ、原作を見て邪推するのはあんまりよくないのでそれは抜きにしても、この作品はぶっちゃけ序盤からめちゃめちゃ作中に不穏な要素を挟み込んできます。

まず、OP 映像が前半はパステルな色合いで日常系っぽいのに、後半急にグレースケールっぽくなって敵キャラっぽい人相の悪い男たちが出てきます。 この人相の悪い男たちは本編でも出てきていて、毎話「WARNING!」という赤い文字でシーンが切り替わり、明らかに作風が違う男たちの場面に転換します。 この男たちは異端審問官で、魔女狩り(どうやら主人公たちは魔女)をしているらしいということが徐々に明らかになります。

そして話数が重なるごとに男たちを映すシーンの割合が増えていき、ついに最終話では WARNING の場面転換もなくいきなり男たちのシーンから始まります。 「お、これはついに主人公たちと敵のストーリーが交差して不穏を回収するやつかな?」と思ったそこのあなた。

もうお分かりですね。この作品は別に2つのストーリーが特に交わることなく終わりを告げます。

これ、本当に衝撃的でオレの1クールを返して欲しかった。 何だったんだよマジで。 このオチなら1話で切ってたわ。

この1点が本当に許せなかったので、この作品は SSS 送りになりました。

てっぺんっ!!!(SSS)

まえせつで懲りてなかったのか、また美少女に漫才をさせてしまっているアニメ。どうして。

しかし、まえせつの失敗から学びを得たのか構成が非常によくできていて、直接漫才シーンをせずに日常パートを垂れ流し、最後に「実は今までの話は漫才だったんですよ」というオチを付けて終わると言う形式を取っている。 漫才本体を回想形式にしたことで、つまらなさを低減させる神のメソッドで最初に見たとき関心してしまった。

とはいえ、その要素を含めてもやっぱり全体的に話はつまらなかったのでダメです。

ちなみに、本作で一番面白かったのは放送中止になった話があったこと。 2話の内容が『お笑いトリオ・ヤングワイワイの3人が犯行予告文を拾ったことをきっかけに、大統領暗殺計画を阻止しようと奔走する回』であったため、現実の某事件と時期が重なり放送が消滅した。 めちゃめちゃ不謹慎だけど、放送されなかったことで面白くなるの最悪すぎる。

惑星のさみだれ(SSS)

原作は面白いらしいです。

この作品、面白いとかつまらないじゃなくて、ただただ完成度が低い。 作画、演出、脚本、声優の演技指導などほぼすべてにおいてダメだしできる場所が多すぎる。

作画は言わずもがななんだけど、個人的には脚本と演出が激ヤバだと思っている。 展開がのっぺりしすぎだし、その割に全てが唐突過ぎる。 たぶんこの唐突感は演出がやばいのもあると思っているんだけど、ちょっとどこから手を付ければいいか分からないぐらい悪い。 もう終末医療を勧めるしかない医者の気持ちになっている。

ニコニコで見てるんだけど、最初はコメントで「原作は面白いのに」って書きこんでいた人たちも最近見かけなくなった。 裏世界ピクニックの時もこんな感じでしたね。

転生賢者の異世界ライフ 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜(SSS)

タイトルが役満どころかダブル役満ぐらいある。「転生」「賢者」「異世界」「職業」「最強」でマジで全部入ってる。

本作はあの有名な「俺の魔法の威力がおかしいって、弱すぎって意味だよな?」の原典で、そのシーンを見るためだけにこのアニメを見る価値はある。 ちなみにそこ以外は本当に全編通して無味無臭なので見なくて良い。

本当に最初から最後まで無味無臭だったのすごいと思う。 何か、面白いとかつまらないとかの判断可能なレベルにない。 DAM精密採点で全く歌ってないと「マイクに音声が入っていないため採点ができませんでした」って言われるやつあるじゃないですか?あれです。

強いて言うのであれば主人公の感性が比較的まともよりだったり、ヒロインが全く出てこないあたりはまともだったかもしれない。 まともに無をやっているだけなんですけどね。

無オブザイヤー 2022。

まとめ

今期は驚愕の SSS 4作品というシーズンでした。 SSS のラインナップ、若干いつもよりはパンチが弱くはあるんですが、それでもキラりと光る一番糞であることは疑いようがありません。

「来期もきっと面白いアニメがいっぱいあるよね!ハム太郎!」

「へけっ!来期もどうせ異世界クソアニメまれなのだ!」

2022春アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2022春アニメ(4月~6月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

最近、季節の変わり目になると「アニメのクール終わりますね」とか「まだ書いてないんですね」とか声をかけられることが増えました。 もしかしてアニメの感想ブログ催促されてる?

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

おにぱん!(C+)

このアニメは一言で表現できる。

声優が棒読み

以上。

いや、作画とか音楽、モブの声優などは高い水準であるにもかかわらず、メイン3人の声優がガチのマジで棒読みだった。 明らかに君の彼方より下手。二ノ国やユアストといい勝負。

1話のいかれた良作画は話題になっていたらしいが、ぶっちゃけ僕以外にこのアニメ完走したやつおるんか? 声優の演技の拙さに隠れてるけど、別に内容も面白くなかっただろ。

B

このヒーラー、めんどくさい(B)

由緒正しい B 級ギャグアニメ。この内容でよく24分アニメを作ろうと思ったな(褒め言葉)

ファンタジー世界のギャグアニメなんですが、1話は若干滑っていたものの2話以降は普通にギャグが面白くて良かったです。 毎週1、2回は声を出して笑いながら見られる程度には内容もゆるく、100%ギャグに振っていて良かった。

主人公のツッコミが結構独特なタイプで、生徒会役員共の津田とかが近いかもしれない。僕もよくああいうツッコミをしてしまうので無駄に親近感を覚えた。

BIRDIE WING -Golf Girls' Story-(B)

正直、SSS に置くかはかなり悩んだけど、そこまでぶっ飛んでいるわけではないのでここ。 僕がずっと「プロゴルファー猿」と呼んでいる作品はこれ。

全体的にとんでもゴルフをしていて、演出やセリフがやたらクサかったり、主人公の必殺技「直撃のブルーバレット」などのネーミングセンスが面白すぎてかなりげらげら笑いながら見られるアニメだった。 主人公が必殺技撃つたびにちょっと面白くなるのこのアニメぐらいだろ。

1クールで終わると思っていたのにどうやら2クール目やるらしくて正気か?

魔法使い黎明期(B+)

ゼロから始める魔導の書の続編らしく、それなりにダークなファンタジー。 つまらなくはなかったんだけど、めちゃくちゃ面白かったかと言われると微妙な作品。何だかんだ最後まで見られる程度には面白かったと思う。

前作続編と言いつつ、前作キャラクターは名前が出るくらいだろうと思っていたらめちゃめちゃガッツリでてきてびっくりした。 花守ゆみりが好きなので、花守ゆみりが出てきて僕は大歓喜していた。

あの世界治癒魔法強すぎて四肢切断ぐらいなら秒で治るせいで、暴虐さんが毎回手足持ってかれるの面白くて笑ってしまった。 本当に戦闘のたびに手足持ってかれてるんだよな。 暴虐さん、マジでいいキャラしてたからあいつを使い捨てにしなかったの原作が優秀だと思う。 何ならヒロインのホルトより魅力的に描かれてない?

A

カッコウの許嫁(A-)

こういうラブコメ、1クールに1個ぐらいはあっても良い。

設定自体は結構面白いというか珍しいもので、取り違え子として違う家庭で育てられた男女が実は許嫁であったというもの。 アニメでは結局その設定についてもなんか黒幕がいるみたいな匂わせだけがあってあまり深掘りされなかった。

メインヒロインの魅力は普通。妹(CV:小原好美)はめっちゃかわいかったと思う。 なんか小原好美がああいうツンデレというか若干ダウナーみたいな演技しているの珍しい気がする。 東山奈央は相変わらず負けヒロインしてるのに。

骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中(A)

どーもこんにちは、アークです。

このタイトル、かつての『月が導く異世界道中』をほうふつとさせて絶対つまんないだろと思って蓋を開けたら、なんか普通に面白くてビビってしまった。 まず主人公に不快感が無いのが偉くて、作風もギャグに寄せていたり、ヒロインも1人しかいなくて主人公にべたべたしないというのも良かった。 いや何というか作品全体のバランス感覚が非常に優れていて、「本当になろうか?」と思わざるを得ない。

主人公は最強なので大体のことは一瞬で解決してしまうんだが、何というか主人公の強さに対してヒロインが呆れるという構図があったおかげで不快感無かったな。 これ他のなろう作品だと、主人公の強さをヒロインが誉めそやすと思うんだけど、骸骨騎士のヒロインは「流石アークね(半分呆れ)」みたいな感じなのが良かった。

まちカドまぞく(A)

シャミ子が悪いんだよ。

2期は割とみかんの話が多かった気がする。 1期と同じくらいの面白さで堅実な作りであったと思う。 なんか、良くも悪くも普通に面白かったので、特にコメントすることがない。

勇者、辞めます(A+)

いや~タイトル通りとは恐れ入った。

この作品よく出来ていて、こんなタイトルで最初はギャグ調で始まるんだけど、終盤にどシリアスをぶち込んでくる。 得体の知れなかった主人公の正体や動機が徐々に明らかになっていき、実は異世界だと思っていたこの世界が……みたいなのすごい良い。

オタク君、1話とかで登場したセリフが最終盤に再登場するの大好きなんだけど、このアニメもまさにそれをやっていて良かった。 薄々分かっていたとはいえ、「そうそうこれ!!これだよ!!!!」ってなって狂喜してしまった。

いや~マジでこれについてはこのアニメを最初から見て欲しいな。そのシーンを見るだけでも一見の価値がある。

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(A+)

個人的にはめっちゃ好きだった。

最初は女主人公が転生する系かと思いきや、乙女ゲーのモブ男に転生した主人公がゲームの女主人公やライバルキャラの悪役令嬢とラブコメするような話だった。 恋愛要素についても一瞬で進むような感じではなくて、友達以上ぐらいの関係を二歩進んで三歩下がったりしながら維持していて、割とちゃんと人間関係を描写する気があるなと思った。

あと、ゲームの攻略対象のイケメン貴族たちをモブである主人公がボコボコにするんだけど、そのあとにイケメン貴族たちが徐々に精神的に成長して行くのも良かった。 噛ませのままで終わらせないで自分の弱さと向き合い成長していく、みたいなのをちゃんとやっていて本当に偉い。

人間関係が変化したり、キャラクターが成長する系のお話し好きなので僕にはぶっ刺さった。

じゃあ何で A かというと、作画がめっぽう悪かったです。ほぼずっと崩壊してた。悲しい。

であいもん(A++)

何が面白かったのかと言われると本当に返答に詰まるんだが、何故か面白かった。

親子ものというか、血の繋がりのない父的なロールのキャラと子的なロールのキャラの織りなす人情もの的なあれ。 もし頑張って言語化するのであれば、やっぱり「人」を丁寧に描写しているからそれだけで面白いのかもしれない。

S

可愛いだけじゃない式守さん(S)

概ね大体可愛いだけだったと思う(個人の感想)

いや、式守さんマジで美少女じゃない? なんか創作物における美少女描写って他のキャラも美少女だからあんまり納得感無いことも多いんだけど、式守さんはガチで他のキャラクターより美少女に描かれていてすごい。 なんというか式守さんだけ彩度というか華やかさが違う。

ブコメもやっているんだけど、基本的に軸は青春っぽいので、友情系の話も結構出てくる。 最後をハチミツの深掘りで〆たのも、バランスが取れていて良かった。

ただ1つやべぇなと思ったのはこの作品コンセプトで負けヒロインを出してきたこと。 どう考えても式守さんが既に勝っているこの世界において、後から負けヒロインを出してくるのエグすぎて心が痛かった。 負けヒロイン氏、普段は王子様キャラなのに和泉くんに会うときだけ髪を下ろして来るシーンとかめちゃめちゃ女の子してて泣いた。悲しすぎるだろ。

くノ一ツバキの胸の内(S+)

萌えアニメとはこういうものを指すんですよ。見てるか虚無きらら。

男のいない集落に暮らすくノ一の少女たちがまだ見ぬ男のことを考えながらてんやわんやするアニメ。 久々に「萌え」というものがどんな感覚なのか思いだすことが出来たように思う。 キャラクターが全員非常に可愛いんだよな。キャラデザも優れているんだけど、やっぱり性格とか設定も良かったと思う。

あと、声優が本当にすごい。 今勢いのある新人声優のオンパレードで、この作品の声優陣を抑えておけば向こう数年「オレ、結構声優知ってるよw」って威張れるぐらい。 普通に勉強になる(何の?)。

夏吉ゆう子、いい声をしているからこれを機にもっと出て欲しい。

阿波連さんははかれない(S+)

ブコメ。コメディ色がめちゃめちゃに強い。

頓珍漢な男女が毎度頓珍漢なことをするアニメでめちゃめちゃ笑った。 ライドウくんが毎回喋らない阿波連さんを見て「そうか、阿波連さん、○○なんだね」って何かを察するところから始まるんだけど、この察した内容は大体間違っている。 このフレームワークが良く出来ていて、ライドウが本当にアホなので毎回とんでもないことになる。

こんだけ散々コメディやっていたのに、最後の方はちゃんとラブも思いだしたのすごい。よく忘れなかったな。

SPY & FAMILY(S+)

今さらお前にかける言葉などない。

パリピ孔明(S+)

こんなふざけた題名とコンセプトで中身はド王道だったのすごい。 ギャルだと思って話してみたらめっちゃ普通のやつだったみたいな衝撃がある。

孔明が基本的に未来予測にも近い能力を発揮して全ての問題を解決していくんだけど、最終的には英子やカベの当人たちの力を頼りにしているところとかがすごい良かった。

96猫の歌も良かったですね。ちゃんと歌での演技もしていてすごいなと思った。

かぐや様は告らせたい ウルトラロマンティック(S+)

かぐや様とかいう作れば作るだけ面白いアニメはな。 お前なんか毎年やってない?

いや、3期にしてついぞくっつきましたね。素晴らしい。 逆にくっついてから何やんねんという気持ちも無くはないが、どうせ同じような展開が続くんだろうと思っている(褒め言葉)

4期があるとしたらたぶん石上とかの話が結構進むんじゃないかなと思っていて楽しみにしている。

アオアシ(S++)

いや~見ててよかった。 スポ根は良いぞ。マジで。

超絶天才だけど経験が圧倒的に足りていない主人公が、戦いの中で成長していく爽快感がすごい。

毎回、視聴者にめちゃめちゃにストレスをかける溜めを作る(主人公に失敗をさせる)んだけど、その溜めが大きいからこそ主人公が急成長して壁を乗り越えた瞬間の爽快感が尋常じゃない。 あの瞬間明らかに脳内で変な物質出ちゃってると思う。 マジで麻薬みたいな作品(失礼)

SSS

史上最強の大魔王、村人Aに転生する(SSS)

1話はギャグ調でちょっと面白かったから「もしかして視聴に耐え得るアニメなのか!?」と一瞬でも期待したオレがバカだった。 2話以降は本当にずっとつまらなくて、何でこんなアニメ見なくちゃいけないんだと思いながら見ていた。

今思い返すと2話の展開がほとんど失格紋と同じで笑ってしまう。何の新規性も無い。

あと序盤と終盤で主人公とサキュバスのキャラが違い過ぎて誰やねんお前になってる。 いや、主人公は100歩譲ってまだいいとして、特にヒロインのサキュバスが最初おどおどしてたのに途中からどイキリ散らかすようになっててめちゃめちゃ笑ってしまった。人格急変しすぎだろこいつ。

唯一この作品で感心したのは、主人公が苦戦する敵を作れないから別世界戦の主人公を敵として登場させたこと。 すごい。主人公が苦戦しても許される。何故なら相手も主人公だから。 画面内に主人公が3人映りこんでいてかなり面白かった。

まとめ

いや~今期は面白いアニメが多かったですね。 若干シリアスというか重めの作品が少なかったように感じますが、たまにはこういうクールも良いでしょう。 ラブコメやギャグが多くて非常に良いクールでした。

ブラウザテストを導入する上で考えるべきこと

この記事は何

実は株式会社 HERP で業務委託として Web エンジニアのお仕事をしているんですが、その中でブラウザテスト(E2Eテスト)を導入する業務に携わりました。*1 業務の中で、Autify などのサービスを利用せずに自前(Puppeteer + Mocha)でブラウザテストを構築しました。

実装やら設計を進める中で学びがあったので、ブログという形でブラウザテストの導入において考えておくべきこと、注意しておくべきことをまとめようと思います。 以下の内容は完全に主観と経験に基づくもので、絶対的に良いものでもなければ、ケースによってはアンチパターンを踏み抜いている可能性もあります。 こういった考え方もあるんだな程度に考えてくださると幸いです。

本編

前提

まず、テストの対象となっているアプリケーションは以下のような性質のものでした。

  • toB の Web サービス(4年選手ぐらい)
  • フロントエンドにもそれなりに複雑なロジックや処理が乗っているデータ管理系のアプリ
  • 公式な推奨環境は新しめの Chrome のみ
  • ユニットテストはかなり整っている。

上記のような状態で、アプリケーションの治安としてはかなり良い方だったのではと思います。 ただ一方で、大きなデプロイ前は人手で多くのテストケースの手動テストが必要であったり、よくデプロイ後に主要な機能が動かなくなってしまうなどの課題があり、それらを解決する方法としてブラウザテストを導入したいという話が上がりました。

考えるべきこと

ブラウザテストを導入すると言うのは簡単ですが実は意外と考えるべきことは多いです。 考えるべきこと、というよりは決めておくべきこと、要するに設計が必要です。

ここで言う設計はブラウザテストのコードアーキテクチャに留まらず、テストの設計であったり、ワークフローなども含まれます。

ざっと項目だけ洗い出すと、導入にあたっては以下のような観点について考えるべきだと思います。

  • 何をテストするか(逆に言えば、何をテストしないか)。
  • テストをいつどこで誰が回すか。
  • テスト結果はどのような形式で、どこで閲覧できるか。
  • ブラウザテストのアーキテクチャ・設計をどうするか。

こういった項目の必要性は、 JSTQB のシラバス にも記述があります。

以下、それぞれもう少しだけ具体的に見ていきましょう。

何をテストするか

これは逆に言えば何をテストしないかです。

ブラウザテストは一般にコストが大きいと言われています。 これは、実装が大変であったり、テスト自体が不安定であったり、テストにかかる時間が多かったりといったことを指しています。

そのため、ブラウザテストで何をテストするかを決めることは大切です。 たとえば、色々な入力条件に応じて正常系・異常系が切り替わる場合に、全てを網羅的にブラウザテストで確認するのは現実的ではありません。

まず初めに、ブラウザテストで何をチェックしたいのかを決めると、自ずとテストケースが決まります。 要するにブラウザテストを導入する目的を明確にすることですね。

今回の僕のケースで言えば、「デプロイ前に主要機能について正常に動作するか確認したい」というのが要求としてありました。 この目的を達成するのであれば、「主要機能の正常系について動作確認」が出来ればよいことになります。

まあ、不正な入力時にエラーバリデーションが走るかなどはチェックした方が良いケースもありますが、それは意外とユニットテストで網羅的にカバーできることでもあります。 不正な入力で変なデータが作られるより、正常な入力で正常なデータが作れない方がサービスとしてはまずいという優先度付けをここではしています。

個人的なオススメは、「あるリソースに対する CRUD 処理に対応する正常系のテストケースを1つずつ用意する」です。 たとえば、TODO リストであれば「タスクの作成、タスク詳細の表示、タスクの更新、タスクの削除」がそれぞれ正常に動くことが確認できれば、ブラウザテストの責務としては十分かなと思います。

以上が基本方針です。

それに加えて、どうしてもチェックしたい異常系や、手動で確認するのが大変な複数条件の組み合わせのテストなどを追加するのが良いのではないでしょうか。 コストとの兼ね合いですが、絶対に正常系以外をチェックすべきではないというポリシーではないので必要に応じてテストを増やすのが良いと思います。

テストをいつどこで誰が回すか

テストは回さなければ意味がありません。

まず、「いつ」についてですが、これは諸説あると思います。 まず真っ先に思いつくタイミングとしては、サービスの CI に組み込んでしまうというものがあるでしょう。

ただ、僕はあまりこれはお勧めしません。 先ほども言ったようにブラウザテストは時間がかかり、動作も不安定です。 ちょっとサービスのリクエストが詰まると失敗したり、CI にやたら時間がかかって開発体験が悪化すると思います。 もし CI に含めるとしても、optional なジョブとして定義するようにして開発のワークフロー自体は阻害しないような形で組み込むのをおすすめします。

個人的には、デプロイの前に開発者の何らかの操作によってブラウザテストを回す、というのが良いと思っています。 ブラウザテストの対象は、ローカルでも良いですし、production に出る前の staging 環境 *2 に対してやるでも良いです。 もし staging 環境があるのであれば、Slack 上やコンソール上からぽちぽちボタンを押すとブラウザテストが勝手に staging に対して回るようにしておくとかなり楽ですね。 僕のケースでは、CircleCI 上にブラウザテスト用のワークフローを用意して、 CircleCI のコンソール画面からワークフローを手動で起動してテストを回すような仕組みを用意していました。

このあたりは、何らかのワンショットバッチで実行する仕組みを整えても良いですし、もし余力があれば「ブラウザテストを回すアプリ」なんてのをデプロイしても良いかもしれません。 そこまで行くとまあ Autify 使えよって話になりそうですけど。

誰が回すかについては、基本的にはデプロイを実行する人か動作確認をする人が回すと良いと思います。 繰り返しになりますが、デプロイのフローの中に組み込むイメージですね。

テスト結果はどのような形式で、どこで閲覧できるか。

まずテスト結果の形式について。 ざっくり分けて2つのテスト結果を出力しておくと便利です。

1つはテキストのログ形式。 ここには、テスト名、テストの成否、入力した内容、テストの所要時間、失敗した場合はエラーメッセージ、などが含まれていると良いでしょう。

1つは動画。 これ、スクリーンショットだけでなく動画は絶対にあった方が良いです。 スクリーンショットをパシャパシャ撮るだけだと、テストが落ちた時にどこで何がこけてるのか分かりづらいんですよね。 動画を撮ってると、「うわ、画面の読み込みに20秒かかってタイムアウトしてるじゃん」とかも一瞬で分かるので、動画を録画しておくことを強くお勧めします。

Playwright や Cypress であれば公式に対応している(ぽい。使ったことないので動くか不明)し、Puppeteer であれば puppeteer-screen-recorder なるライブラリなどがあり動画を録画することができます。

次にテスト結果の表示場所ですが、これはどこでも良いと思います。

今回のケースでは CircleCI で回していたので、コンソールのログ上にテスト結果が表示されますし、結果をファイルとして artifact に書き出すこともしていました。 テキストも動画も artifact に吐き出して閲覧できるようにしています。

Github Actions でも似たことはできるんですが、GitHub Actions だと artifact が全部 zip で圧縮されてしまうので、結果の中身を見るためにダウンロードして解凍しなくちゃいけないんですよね…… 以下の issue で議論されてるんですけど、どうやら Github の UI 上の制約らしくてまだクローズされてない。悲しい。

github.com

CircleCI は artifact を zip せずにちゃんと生のままずらっと並べてくれるので、ブラウザ上でファイルを閲覧できて便利なんですよね。

あとは、Slack 通知などで実行結果を通知すると親切 & ブラウザテストのプレゼンスが増してよいと思います。 やや政治的な話として、ブラウザテストは役に立ってるのか立ってないのか分かりづらいツールなので、存在感をアピールしておくと良いです。

他には、Datadog ではテスト結果をいい感じに統計を取ってくれるツールがあるので、それを使うのも良いと思います。

www.datadoghq.com

ちなみに僕は使ったことないんですが、そもそも Datadog もブラウザテスト提供してくれてるらしいです。便利な世の中だ……

ブラウザテストのアーキテクチャ・設計をどうするか。

まず、ブラウザテストは本体のアプリケーションとは全く別のアプリとして管理することをお勧めします。 基本的にブラウザテストはユーザーの操作を模倣して、実際の操作通りにテストを行うことを意図しているので、その実装はアプリケーションの実装には(直接的には)非依存であるべきです。 モノレポかどうかなどで変わるとは思いますが、基本的にはアプリケーションごと分けるのがおすすめです。

ブラウザテストのアプリケーションのアーキテクチャを、今回は以下のようなモジュールに分割しました。

  • Browser Emulator
    • 実際にブラウザの操作を行う実体。Puppeteer であったり、 Playwright の chromium であったり。ブラウザの操作を行うくんとブラウザ自体をひとまとめに扱っています。
    • Puppeteer などのインスタンスをそのまま使うのではなく、BrowserEmulator インターフェースを定義してそれによってラップすることで、詳細な実装への非依存を実現しました。
  • Product Knowledge
    • テスト対象のサービスに対する知識。
    • 要するにブラウザを操作する際のセレクタであったり、アクセスすべき URL であったりがここに含まれます。
  • Test Suite
    • 実際のテストケース群。
    • Browser Emulator と input(操作時の入力。たとえば TODO リストのタスク名とか)を受け取って、ブラウザへの操作を行う関数。
    • 具体的には「このボタンをクリックする、テキストフィールドに文字列を入力する、submit ボタンをクリックする」みたいな処理の流れが書かれています。
  • Test Runner
  • config
    • 各種の設定や、fixture(要するに操作時の入力内容)。

細かい実装の話はここでは避けますが、基本的に上のような分割をして、特に Browser Emulator、Test Suite あたりを抽象化するとたとえば Moche <-> Jest を切り替えるとか、Puppeteer から Playwright に切り替えるとかってなったときも、比較的簡単に移行ができます。 実際、最近 Puppeteer だけでなく Playwright を使う必要があるケースが発生し、差し替えが簡単にできました。

あと、もう少し細かい設計の話で言えば、ブラウザテストのセレクタは可能な限り抽象的かつ人間の感覚に沿ったもの(セマンティック)にすべきです。

たとえば、以下のようなセレクタでは何が何だか分かりませんし、ユーザーもこんな階層構造を意識して普段ブラウザを操作しているわけではないはずです。

#editor-main > div > div.buttons.l-editor-footer.js-editor-footer > div.editor-footer-actions > div.editor-footer-save-buttons > span.editor-save-buttons > button

ここでは、もっとシンプルかつセマンティックに、

button/下書きを更新する

のようなセレクタで表現できるべきです。 実際こうした書き方は(文法は違うけど) Playwright であればネイティブの機能として提供されていますし、Puppeteer でも XPath を用いた黒魔術や Aria Selector で実現できます。

複雑な階層構造に依存したセレクタはサービスの変更に弱いですし、実際にユーザーの操作を模倣するという観点でもまずあじです。

シンプルなセレクタでどうしても要素を選択できない場合は、もしかしたら何らかアプリケーションのフロントエンド構造が悪いサインかもしれません。 WAI-ARIA role などの付与を検討しても良いでしょうし、アプリケーションの階層構造に問題があるケースもあります。 こうしたセレクタの設計は、アプリケーションのアクセシビリティ改善にもつながるので一石二鳥です。

まとめ

本記事ではブラウザテストを導入する際に考えるべきことについて記述しました。 ほとんどが経験則や主観によるものですが、意外とこうした細々とした実装ではない設計などの話は転がっていないのではないでしょうか。

もし、ツッコミや「最高のブラウザテストがあって~」といった話があれば是非教えてください。

ありがとうございました。

*1:ここで、ブラウザテストと E2E テストを一緒くたに扱っていますが、あまり細かい字義にこだわらず、Web サービスに対する E2E テストぐらいに思ってください。

*2:ここは、prodution-test とか dev とか色々呼び方あると思いますが、要するに production と似たテスト用環境

都心近辺のボルダリングジム主観難易度レビュー

この記事は何

僕は趣味と呼べるぐらいにはボルダリングに行っているのですが、その中で色々なジムに行きました。

各ジムではそれぞれ課題ごとの難易度を級数として掲げているのですが、ジム間で難易度がどう考えても揃っていないので、各ジムごとの難易度の比較を主観でしようと思います。

当たり前ですがめちゃめちゃに主観です。

参考までに軽く自分のプロフィールを語ると、僕自身のボルダリング歴は大体1年半ぐらいで、頻度は週に1、2回ぐらいです。筋トレとかは特にしていなくて、前傾壁よりスラブや垂壁の方が得意です。

※このブログは 2023/11 時点の筆者の体感です。

難易度ランク

簡単な順にジムを並べていきます。一番簡単なジムのランクを0として、そのジムよりも相対的にどれくらい難しいかを +1.0 などで表現します。たとえば、一番簡単なジムで4級の課題は、+2.0 のランクのジムでは6級としてセットされているという風に読んでください。

ノボロック渋谷 (+0.0)

渋谷では恐らく最も大きいジム。課題数もそこそこあって、初心者向けの壁(10級~7級)があるのが珍しい。

難易度はやや易しめだが、3級以上はタフな課題も多くてバランスが取れているジム。 垂壁・スラブの割合が結構高い印象がある。

ペルアドラ クライミングジム横浜(+1.0)

元々簡単だったんだけど、経営が変わってから結構難しくなった。 1フロアしかないものの課題数はそれなりに多く、初心者が楽しめるものも多い。 課題自体もパターンが多く、登っていて楽しい課題が多くてえらい。

僕は3級なら割とすらすら登れて、2級は粘れば課題によっては登れる、ぐらい。

アーバンベースキャンプ 新宿 (+1.0)

標準的な難易度な気がする。ジム自体があんまり広くないので課題数は多くない。 セットが変わるごとに難易度の変動が大きいと感じる。4級全部一撃で壊せたと思えば、セットが変わると1個もクリアできなくなったみたいなのが発生する。 難易度の調整はたぶんかなり雑。

特に垂壁・スラブは顕著なのだが手とか足が悪い課題が多くて、ジムが狭くて壁が低いのでそのあたりで難易度補正をかけるしかないんかなという感じがある。 バランシーな課題が割と多くて僕は好きだけど、手足の生傷が増える。あまりに手足に傷が出来るから久々に実家に帰ったら親に心配された。

B-PUMP 秋葉原 (+2.0)

名高き B-PUMP 系列の秋葉原店。僕が知っているジムの中では最大で、なんと屋上込みで4フロア全てがボルダリングジムとかいうイカれた広さを持つ。 1枚の壁の課題密度が低くて他の課題と交差していないとか、ルーフ課題があるとか、長物があるとかで他ではできない登りができる。 あと、一応初心者向けの練習壁もある。

ただ、全体的に課題は難しい。最初に紹介したペルアドラだと3級登れて2級もかくやという感じなのに、ここだと5級は登れるが4級は登れたり登れなかったり。 というか、課題が全体的にリーチとパワーを要求されてかなり許せない。

リーチ(170cmぐらい)が無いと難易度が桁違いに変わる課題がちょこちょこあるので、理不尽で僕はあまり好きじゃない。 ルートセッターの身長150cmぐらいになって筋力量半分になって欲しい。ぜってー高身長のマッチョがルートセットしてるだろ。

あんまり行ってないのもあるけど、ここの4級が楽勝になるのは相当先な気がする。

B-PUMP 荻窪 (+3.0)

いや、ムズすぎだろ。流石は悪名高き荻パン、1日粘ってかろうじて5級を1つ破壊して帰ってくるようなレベル帯。

課題の手数が全体的に多い。普通のジムだと難しいところが1箇所あってそこ以外は楽みたいな課題も多いけど、荻パンは手数が多くて壁が高いので普通に1課題に何個も難所をぶちこんでくる。 パワーもスタミナもいる。 ただ、そんなにたくさんは登っていないけど、秋葉原と違ってリーチを要求する理不尽な課題はパッと見無さそうだった。そのあたりはかなり好印象で流石に良ジム。ムズイけど。

いかんせん難しすぎて心折れる人は折れると思う。というかボルダリング初めての人は絶対に行かない方が良いと思う。8級からしかないのに7級の時点で既に若干難しいし、6級にいたっては普通に難しくて何回かチャレンジして登った。

まとめ

ということで、都心近辺のボルダリングジムの難易度を主観でまとめました。

こうして見ると、一番下と上で3級も難易度離れてんのか、やべぇな。

ボルダリングやってて得た学びは「ワイは~~級登れるで!」みたいなことを大っぴらに言うやつはモグリか、1つのジムしか知らない人間だということです。 そういう人間は容赦なく B-PUMP 荻窪に叩き落して鼻っ柱をへし折ってやりましょう。

ちなみに荻パンのせいで僕の鼻っ柱は今2ミリぐらいしか残ってないです。

2022冬アニメ を見た感想

2022冬アニメ(1月~3月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期は、全体的に面白いアニメが多かった気がします。 何ということでしょう。今期は B ランクが無い! つまり大体面白いアニメのはず(ほんまか?)

単純にあんまり本数を見ていなくて、つまらないアニメが無いだけかもしれない。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

C

CUE!(C)

声優の卵アニメーション。好きだなほんとに。

最近よくある新人声優を大量に使って作るアイドルものっぽい量産型アニメーションなんですが、量産型なので当然のようにつまらなかった。 1話でとんでもない人数が一気に出てくるせいで、欠片もキャラクターの名前とか性格を憶えられなかったんですが、こういうアニメを見る人たちってどうやってキャラクターの名前憶えてるんですか? 何なら最終話まで見た今でも1人も名前を憶えてないです。

B

なし!

A

錆喰いビスコ(S→A-)

いや~最初はめちゃくちゃ面白くて S だったのに、終盤で失速してしまった。

世界観の設定とかキャラクターも魅力的で、中盤ぐらいまでは良かったのに終盤に大きく失速してしまった。 テンポが悪かったり、展開の焼き直しが多かったり、急に恋愛要素入れてきたり、敵も味方もしぶとすぎてご都合展開祭りでうーんとなってしまった。 それさえなければ S だったのになぁ。惜しいアニメ。

怪人開発部の黒井津さん(A)

1クールに1本ぐらいはこういうアニメ欲しい。

ギャグアニメなんだけど、全体的に監督の采配が良かった気がする。 ご当地ヒーローを大量に登場させるんだけど、かなり面白い試みだった。

特に最終回が本当に良くて、ご当地ヒーローが大集合するのとか、黒井津さんが変身してブレイダーと共闘するのとか王道だけど良かった。

良かった良かった言い過ぎだけど、本当に良かったんですよ。

天才王子の赤字国家再生術(A+)

現実主義勇者の王国再建記と同じクールにこれがやってるの面白すぎるだろ。 何でそこまでコンセプトがかぶるんだよ。

と、まあ名前だけ見るとつまらなさそうなんですが、内容は普通に面白かった。 結構ちゃんと内政とか外交をやっていて、一部ご都合はあれど納得感のある展開が多かったと思う。

予算が足りていなくて OP 映像が間に合っていないとかはあったが、全体的にリソースの注力の仕方が上手くて致命的な作画崩壊とかもほとんどなく上手く作っていたと思う。

敵キャラも噛ませが多かったとはいえ、最後に出てきた敵将グリュィエールが本当に有能おじさんで主人公をまくってたのとかもバランスが取れていた。 やっぱり雑魚を蹴散らしてイキるより、強敵を倒す方が面白くない?

あと、女の子が非常にかわいかった。 この手の女の子いっぱい出て来る作品のヒロイン、あんまり魅力的に思えないことが多いんだけど本作のヒロインはなんかすごいかわいいなと感じた。 特にゼノヴィアがめちゃくちゃ好きなんだけど分かる?

S

鬼滅の刃 遊郭編(S)

説明不要。作画が劇場版。

回想シーンが多すぎたのだけ若干不満だったけど、まあ原作あのシーンずっと戦闘だったからね。仕方ないね。

異世界美少女受肉おじさんと(S)

M・A・O、どこにでもおる。

ブコメ……なの、か?いや、コメディだけかも。 異世界転生した二人のおじさんのうち片方が超絶美少女(CV:M・A・O)になるとかいうめちゃくちゃな設定の作品。

実は原作も知っていたので、アニメ化したと聞いて驚いた。 こんな一発落ちみたいな設定をしておきながら、キャラクターが全体的に魅力的だったのが良かったと思う。 全員味のあるキャラクターをしている。シュバ君、めちゃくちゃ良い子だった。

平家物語(S)

普通に面白かった。

琵琶の眼の異能とかはあんまりうまく脚本で使いこなせていなかった感じはあるが、最終的に色々なものを見過ぎた琵琶が失明する展開は面白かった。 原作?というか琵琶法師が盲目というのを最後に回収した形で、ほ~と唸ったけどまあそれだけかな。 琵琶法師の卵を主人公にして、その目線で平家の盛衰を描くというのは良い切り口だったんだと思うんだけど、もう少し活かせそうだったのかなぁとも思った。

プリンセスコネクト!Re:Dive Season2(S+)

プリコネの2期。1期よりもかなりメインストーリーを真面目にやっていて、シリアスなシーンが多かった。

どうやら展開自体はアニオリだったっぽいんですが、いや~面白かったですね。 最終決戦は作画解放していて劇場版もかくやという感じで、流石サイゲのマネーパワー。

これまで赤ちゃんだった騎士君が色々な記憶を思い出して、強い意志を見せて仲間たちのために無茶をするシーンとか、マジで泣きそうになった。 主人公の成長に感動した作品、王様ランキングとこれぐらいかもしれない。

その着せ替え人形は恋をする(S+)

マジでしゅき。

今期の覇権を選べと言われればこれかな。 作画、演出、音声、脚本などなどなどなど全てにおいて完成度が高い。 映像作品とはこういうものを言うんですね、見てるか賢者の弟子と失格紋。

オタクに惚れるギャルみたいな話って、「いや、何で惚れたん?」ってなること多いんですが、五条君は男でも惚れるレベルで良い奴なので許せますね。 一生イチャコラしてくれ。

王様ランキング2クール目(S++)

とんっでもなく面白い。

魅力的なキャラクターと新鮮な世界観に王道のストーリー展開が組み合わさり、無敵になっている。 今期放送しているアニメで言えば、個人的には一番面白かったと思う。

王様ランキング、やっぱりキャラクターがみんな「愛」で動いているのが本当に良い。 一見嫌味に見えるキャラも根本には誰かへの愛があって、それをモチベーションにして動いているのがすごく良かった。 OP 映像にもそれは現れていて、2クール目の OP のサビの映像はあれだけで泣ける。

あと、やっぱりデスパーのキャラが良かったですね。 ちゃんと師匠として描写されていて、「ああ、こいつがいたから今のボッジがあるな」と確信させてくれる有能キャラだった。 CV櫻井孝宏なのに最後まで裏切らなかったし。

SSS

賢者の弟子を名乗る賢者(SSS)

最初から最後まで本当の本当にずっとつまらなかった。酷い。

1話の最後5分間ぐらい効果音もボイスも無く延々 BGM だけが流れるシーンが放送されるとかいう前代未聞の演出で目を疑ったが、その後も「嘘でしょ?w」と思われるような演出や展開が続き、まあ意外性には事欠かなかった。 別になんてことはない雑魚戦で、急に堀江由衣の挿入歌が流れ始めたときとかはげらげら笑った。 演出の感覚どうなってんねん。

しかしながら脚本は本当につまらなくて、誰が何をしたいか全く分からないし、全ての事象を主人公が大体一息で解決してしまうので緊迫感も起承転結もあったものではない。 九賢者を探していると言う割には一人も新しい九賢者が出てこないし、戦闘のテンポも悪ければ、何故主人公たちがゲーム世界に捕らわれたのかの核心にも1ミリも近づかない。 毎話毎話きれいにつまらないので、一週間に一回「賢者の弟子、ガチでつまらない」ってツイートをし続けることになった。

こんなつまらないアニメを世に出したことを本気で猛省して欲しい。

失格紋の最強賢者(SSS)

もうタイトルからしてしょうもない作品であることが分かるのだが、案の定しょうもない作品で良かった。

まず1話のスピード感が早すぎてめちゃくちゃ笑ってしまった。 「最強賢者の主人公が転生→青年に成長する→学園に入学→強すぎて講師として学生に指導→他校との決闘に代表として参加→敵である魔族を倒す」までを1話のたかだか24分の中でやっていて信じられなかった。 1話でヒロインが「すごいです!速すぎて目で追えませんでした!」って言っていて、まさにこの作品のスピード感のことじゃんって思って腹がよじれるほど笑っていた。 もし意図してあのセリフを入れていたならすごいと思う。

それ以降スピード感はやや失速したものの、全体を通じて異世界攻略 RTA をしていて本当にずっとしょうもなかった。 戦闘シーンがやたらと多いんだけど、そのすべてが主人公の解説を垂れ流しながら進むのでマジで RTA 動画だったんだよな。

最終話で一回死んでから復活した主人公が「実は死ぬことで起動する魔法を仕掛けていた」みたいなことを説明し始めたときは、完全に RTA 解説によくある「だからここで一度死んでおく必要があったんですね」みを感じてしまって爆笑していた。

まとめ

今期は実はつまらないアニメはあんまり見れなかった。 リアデイルとか錆色のアーマとかも1話は見たんだけど、あまりにつらすぎて切ってしまった。 もしかしたらクソアニメ耐性が落ちているのかもしれません。

来期はかなり豊作で面白いアニメがてんこ盛りなので、楽しみですね。