2023秋アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2023年秋アニメ(10月~12月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期はマジで覇権争いが熾烈でしたね。 中には中盤ちょっとだれたかな?という作品もちょこちょこあったんですが、最後の数話が良すぎて挽回した作品とかもあってかなり面白いアニメが多かったように思います。素晴らしい。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、あまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

暴食のベルセルク(C)

タイトルだけではなろう原作だと分からないようにカモフラージュされているのだが、中身はしっかりとなろうアニメ。

特殊なスキルを得た主人公が無双する作品で、ヒロインが1人に決まっているあたりとか、設定によって主人公の能力が定期的にリセットされるとかは偉いんだけど、結局最強主人公が敵を圧倒し続ける作品なので別に面白みはない。

この作品、原作のタイトルは『暴食のベルセルク〜俺だけレベルという概念を突破する〜』というサブタイトルが付いてるんだけど、アニメ化に伴って監督が浅さを低減させるためにサブタイトル取ったのかなりおもろい。でも中身が浅いといくらタイトルを変えても意味がないんですね。

聖剣学院の魔剣使い(C)

このタイトルの作品がまだアニメ化されてなかったのが驚愕すぎる。あまりに見覚えのある単語しか存在していなくて、タイトルの情報量が本当にない。この単語群全部 prefix/suffix であって、これだけでタイトルを構成していいわけがないだろ。

作者の性癖がおねショタなのか知らないが、主人公が転生して少年になり周りのお姉さんたちとイチャコラしている。しかし思い出したように転生前の魔王面をしてイキリだすので、マジでハンバーグカレードリアみたいな作品だった。

中身に触れ忘れていたが、昔のつまらないラノベアニメという感じで良かったと思う。令和アニメの姿か?これが。

B

鴨乃橋ロンの禁断推理(B-)

推理アニメとして見るとトリックも浅いし別に面白い点は何もないんだけど何故か見続けてしまった。浅さとしてはたんもしと良い勝負。ギリギリこっちの勝ちか?ぐらい。

楽しみ方としては日常系アニメが近くて、男しか出てこないきららアニメかもしれない。

多分この作品女性向けに作られていて、キャラクターの男率の高さ、男キャラクターの造形、ギャグのテンションなどがかなり女性向け。かわいい女キャラは大体ゲストキャラ。

帰還者の魔法は特別です(B)

このタイトル絶対につまんないと思って覚悟してたんだけど、蓋を開けて見るとそこまで酷くなくてびっくりした。まあ主人公は無双しているんだけど仲間たちの成長や苦戦を結構丁寧に描いていて、そこが偉いのかもしれない。

あと主人公がやり直しで世界を救うという明確な目的を持っていることとか、キャラクターたちに人格が存在しているあたりも面白かった一因かな。

味方のプラムくん、ちゃんと少年だったの偉いと思う。浅いなろうだったら実は女だった。

彼女もカノジョ2期(B)

3人目と4人目のヒロインにフォーカスがあたったクール。ヒロユキ節が全開であったが、4人目のヒロインである紫乃が結構うじうじと悩んでいるシーンが多く、思いのほかアホ感は薄かったかも。

個人的にはもう少しアホな登場人物たちがアホをやり続けているアニメを期待していたので少し残念。

アイドルマスター ミリオンライブ!(B)

ライブシーンは良かったと思う。

ただ、アニメとして見たときに面白かったかと言われるとかなり微妙。まあ既に原作を遊んでいるファン向けのムービーと言われたらそれはそうで、僕のような「ミリマス……?何人かキャラの顔は分かります」ぐらいの知識で見る作品ではなかったかもしれない。

キャラクターが大量に出て来る割には特に掘り下げや紹介もないことが多く、「なんか知らんやつらがわちゃわちゃしとんな」と思っていたらなんか最後のライブが始まって大団円で終わってしまった。メインの3人の掘り下げは割と多めだったけど、それも結構さらっとやってしまった感があり「あ、解決したのか」となってしまった。

ここらへん U149 はかなり登場アイドル絞ってて、かつ掘り下げるキャラも一部にしていて偉かったんだなという学びがあった。

呪術廻戦 - 渋谷事変 - (B)

作画がすごくてすごいですね~という感じ。声優の演技もすごかったと思う。

個々のパーツは抜群に良かったけど、別に作品として面白かったかというとうーんまあ普通かな……敵の重要キャラと味方の重要キャラがぶつかりあっていっぱい死んだだけだし……渋谷事変とかいうのぶっちゃけ戦ってるだけで、結局何がしたかったん?って感じだし……

ウマ娘 プリティーダービー Season 3(B+)

いや~~~~~~~~~~~~~~どうしてこうなってしまったんだ。いや、マジで別につまらなくはなかった。全然つまらなくはなかったんだけど、1期、2期ほど面白くもなかった。悲しすぎる。

いくつか原因はあると思うけど、レースシーン入れすぎてて日常シーンでの掘り下げとか心理描写薄めなのと、史実の都合でレース結果に重要キャラが絡まない試合が多くて「う、う~ん」ってなってしまった。無情にもモブが勝つみたいな試合があってもいいと思うんだけど、レースシーンの演出を凝りまくってるせいでモブが勝つと拍子抜けしてしまうというギャップがかなりあった。あと、これは仕方ないけど、そもそも馬主に許可取ってネームドにできなかったのか?とか。

キタサトメインで話を進めるのは良いんだけど、なんかキタサン側のダイヤへの思いの矢印が曖昧なまま進むとか、キタサンのレースへの熱量が終盤まで見えてこないとか、クラウンやシュヴァル、ドゥラメンテみたいなライバルキャラの掘り下げが少ないとかで、こう全てにもやりを抱えたまま話が進んでしまっていたように思う。レースの作画とかは良かったんだけど、結果を見ても「なんか勝ったしなんか負けたな……」になっていたのがマジで良くなかったな。

ただ最終話のライブシーンだけはガチですごかった。手書きで動かしすぎだろ。最高かよ。

A

ヒプノシスマイク 2期(A-)

なんでヒプマイの2期やってんねん。

相変わらずシリアスなシーンで突然マイクを取り出す様はシュールギャグではあるが、もはや慣れてしまってあんまり気にならなくなってしまった。マイクを取り出しても「これから戦うんだな」ぐらいの気持ちになっている。もう脳がヒプノシスマイクに支配されている。

1期の銀行強盗のシーンがウケたからか2期でも擦っていて、悔しいが笑ってしまった。

なんか割と順当に面白かったので腹立ってきたな。

豚のレバーは過熱しろ(A)

世界観と設定が良かったと思う。これは普通に原作が持っているポテンシャルが高かったんだろうな。

ただ、マジでこれは残念な話なんだけど全体的に作画が崩れがちだった。何なら制作が間に合わずに放送延期までされており、かなり厳しかったけど頑張ってはいたと思う。偉い。

シェス、かなり可愛いヒロインだった。楠木ともりの正しい使い方。

SHY(A)

序盤中盤のスローペースから、終盤怒涛の追い上げを見せた作品。マジで最後の2,3話の面白さだけで言うと今期トップレベル。五指に入ると思う。

恥ずかしがり屋のヒーローである主人公シャイが、なんやかんやしつつ人助けをしたり、色んなヒーローと知り合ったり、敵と戦ったりするアニメ。

これアニメブログ書くたびに言ってると思うんだけど、やっぱり敵の魅力が作品にとっては極めて重要なファクターだと思っていて、この作品はご多分に漏れず敵がかなり魅力的だった。「明確な悪意があるわけではなく、何らかの思想や意図を持っていて世界を転覆したいらしいが、素性は不明で気味が悪い子供たち」というかなり秀逸な造形をしていて、こいつらが主人公たちと対立しているだけでマジで面白い。

そして最後の2,3話は、そこに親子愛のエッセンスをぶち込んでヒーロー仲間であるペペシャが過去と対峙する話なんだけど、これがマージで面白い。面白すぎて「もはや主人公シャイじゃなくてペペシャじゃね?」となっていた。

ペペシャの声優が能登麻美子、敵の声優が沢城みゆきで、一生能登麻美子沢城みゆきが会話してるのかなり耳に優しかった。能登麻美子、まだまだヒロインっぽい役いけるやんってなった。

16bit センセーション(A+)

同名の原作はあるけど、どうやら内容は全然違うらしくほぼオリジナルアニメ。

エロゲの蓋を開けるとそのエロゲが作られた時代にタイムリープできる主人公が、超すごいゲームを作る話。

最初はコメディ作品かと思っていたが、主人公が超すごいゲームを作ったせいで歴史が変わってしまったりと、終盤に真面目にタイムリープものをやり始めたので「えぇ!?真面目にやるの!?」ってなった。

CV:古賀葵の主人公が割と自分勝手かつ情緒不安定なので、主人公の好みは分かれるかもしれない。

S

ダークギャザリング 2クール目(S-)

この作品、2クール目の方が1クール目よりも面白かったように思う。

作品全体の枠組みの話として、明確な敵が出てきたのと、主人公サイドのバックグラウンド説明と意思表示があらかた終わってやることがはっきりしていたのがデカいと思う。あとは徐々に手持ちのポケモンが増えてきて、より強いポケモンを手に入れるためのポケモンバトルが増えてきたとかもそう。

この作品、マジでジムバッジが全然足りていないポケモンなんだよな。一生捕獲した幽霊に命狙われながら他の幽霊ぶっ倒して「幽霊!ゲットだぜ!」をしている。

ちなみに卒業生のこの一覧ガチでかっこいいと思う。中学生みんな好きだろこんなん。

シャングリラ・フロンティア(S)

MMORPG ものでちゃんと面白い作品、久々に出てきたな。

シャンフロの名前自体は前々から知っていて、面白いという話も聞いていたので楽しみにしていたんだけど、蓋を開けてみるとちゃんと面白い。

主人公はそれなりに無双するんだけど、無理なところは無理で普通に負けるし、主人公の強さに「クソゲー好きである」という説得力のある理由が付いているのが良い。

ゲームをよく遊ぶ人間としては「いや~分かるよ」という思考で主人公が行動をするので、かなり納得感がある。

話の展開も主人公の特別感は演出しつつも、「このゲーム、主人公以外誰が楽しいん?」感が全然ないのもすごいと思う。多分このあたりは主人公がソロプレイで他のプレイヤーとの絡みがほぼ無いのも功を奏していて、他プレイヤーと比較して明らかに優遇されている露骨さがない。

ひっさびさに日高里菜を見て「日高里菜!?!?!?!?」ってなった。

ミギとダリ(S)

サスペンスに見せかけてシリアスギャグアニメかと思いきややっぱりサスペンスで突然家族愛とかシュールギャグをぶち込んできたりして、何、その、何?

なんかこう「はいはいこういうジャンルね」って視聴者がある程度分かってきたタイミングで突然方向性が切り替わるのでもう何も分からん、ってなっていた。 爆笑と感動を交互に繰り返すタイプの作品で、あまりの温度差に風邪をひきそうになった。

とはいえ作品の作りはめちゃくちゃしっかりしていて、良い言い方をすれば泣いて笑えるハートフルサスペンスコメディといったところかな……いや、頑張ってまとめようとしても情報過多になってしまう。だって作品本編がめちゃくちゃに情報過多なんだもん!!!

葬送のフリーレン(S)

金曜ロードショーで最初の数話をぶっ通しで放映したり、主題歌に YOASOBI を起用したりと本気で覇権を取りに来ているアニメ。そしてその試みはかなり成功しており、実際に今期万人に薦められるアニメを1つ挙げろと言われたらフリーレンが最初に出てくる。

空気感を作るのがすごく上手いアニメだと思う。音声が BGM だけで声や効果音が消えるシーンがかなり多めに使われていたりして、フリーレンという作品の持つもの寂しさやどこか淡々とした話回しがよく表現されていると思う。

表情やセリフの間にもかなり気を遣っていて、そのあたりのこだわりの強さは『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』などとも似たものがあるかもしれない。

好みの区別なく今期一番面白かったアニメを挙げろと言われたらまあこれかな。

Helck2クール目(S)

Helck、1クール目も面白かったけど2クール目になってヘルクの素性が分かってきてからさらに爆発的に面白くなった。もう何か普通に毎話泣いていた。

原作完結済みなのでアニメ最後までやると思っていたのに全然途中で終わったので原作を買うことになった。良い買い物でした。

薬屋のひとりごと(S)

僕は元々原作を読んでいたので面白さは知っていたんだけど、それを損なうことなく面白いアニメに仕上がっていて偉い。最近の「良い原作をちゃんとアニメ化するとちゃんと売れる」という風潮はマジで良い流れだと思うので今後も続いて欲しい。

たぶんベースは割と女性向けの作品だとは思うんだけど、男が見ても全然面白い。いわゆるおもしれー女である主人公が、薬屋としての知識を活用して事件の謎を紐解いていくんだけど、かなり探偵ものとしてよく出来ている。たんもしは見慣らってくれ。

アンデッド・アンラック(S+)

すごい何気なく見始めたんだけど、まさかこんなに面白いとは思わなかった。いや本当に面白い。少年漫画としてよく出来過ぎている。

話の緩急の付け方と熱い展開の数々、魅力的なキャラクターと世界観……面白くない理由が見当たらない。マジで減点箇所が見当たらない。満点です満点。

こういう面白いアニメに偶然出会うためにアニメを見ていると言っても過言ではない。

君のことが大大大大大好きな100人の彼女(S+)

タイトル通りとは恐れ入った。全然人に薦めるタイプの作品ではないが、僕は今期一番好きだった。

ジャンルはラブコメなんだけども、割合としてはコメディ9:ラブ1ぐらい。いや、コメディ比率高すぎるだろ流石に。たまーに真面目に恋愛しているけど、それを除くと大体しっちゃかめっちゃかにふざけ倒していて、ずっとげらげら笑っていた。ギャグのテイストは不徳のギルドとかと似た雰囲気もあるし、やはりこういう作品が好きなのかもしれない。

1期時点でまだヒロインが6人しか出ておらず、このままのペースだと16クールぐらいやらないとアニメ完結しないんだけど本当に?

本作に出てくる好本静というヒロインがマジで可愛くて、「なんか最近アニメのヒロインに可愛いとか感じなくなっちゃったな(ニヒルな笑み)」みたいに斜に構えてたキモいオタクくんに感情を取り戻させることに成功した。

SSS

とあるおっさんのVRMMO活動記(SSS)

こんなタイトルだが、禁書目録超電磁砲に続くとあるシリーズではない。

この作品、VRMMO によくある「このゲームプレイしてて主人公以外誰が楽しいの?」という典型で、主人公のアースがラッキーイベントに見舞われ続けヨイショされ続ける。しかも他のプレイヤーとの接点はラッキーイベントで「やれやれ、あまり目立ちたくないんだけどな」をするときだけで、基本的には一生 NPC と絡み続けるので、買い切りゲームじゃいかんかったのか?という気持ちにさせられる。

個人的にドラゴンの国に料理という概念が無かったのマジで面白かった。ドラゴンは人に変化することができる、服装や建築物など他の文化水準はかなり高い、という設定があるのに何故かドラゴンの国には料理の概念だけがないため、主人公の料理で無双できる。いや、そんな歪な文明の進歩するわけないやろ。1回 Civilization 遊べ。

最終話のサブタイトルが「アース、怒る」だったので、なんか主人公が正義感とかで誰かにキレるのかなと思ったら、NPC の嫌がらせにぶちギレて相手を爆殺する話でめちゃめちゃ笑ってしまった。怒りの理由がしょうもなさすぎる。

浅さ、という点で生粋のなろうアニメとして恥じない作品だったと思う。

はめつのおうこく(SSS)

この作品シリアスシュールギャグアニメです。

魔女の弟子である主人公が師匠を殺した人類に復讐する割とダークな話のはずなんだけど、本編は何故か真顔でコントをするギャグアニメになってしまった。

作品の展開が全て唐突でかつ納得感のないもので、逆にすごいと思う。突然、敵のボスの女がライブコンサート始めたとき驚愕のあまりお茶零したもん。意味が不明過ぎる。

そもそも2話ぐらいの時点でかなり怪しくて、主人公の掘り下げが一切ないままなんか一生敵側のバックグラウンド解説と掘り下げが始まり、あまり興味も無いのにグダグダやってたと思ったら突然掘り下げてた敵キャラの過半数が死ぬか再起不能になってもうめちゃくちゃや。何だったんだよ今までの時間は。

この作品、100人中90人が無能、8人がバカ、2人がもう死んでるんだけど基本的には順々に無能とバカが死んでいくだけの作品で B 級ホラー映画かな?という気持ちになる。

なんか戦闘シーンもギリギリボーボボという感じで、よく分からんままとんでもバトルが繰り広げられる。

いや、その魔法最初から使ってたら苦戦せず勝てたくないですか?

まとめ

今期はかなりの本数のアニメを見ることができて満足度の高いクールでした。 面白いアニメが多いのは非常に良いですね。

Helck、ミギとダリ、アンデッド・アンラックなど心を動かされる作品が多いのは良きかな。 皆さんもつまらないアニメは見ずに、面白いアニメを見ていきましょう。