2022秋アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2022秋アニメ(10月~12月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

いや〜今期は豊作でしたね。マジで面白いアニメが大量にあって毎週楽しいクールでした。 この豊作とかいうのガチの豊作で、何と今期 S ランクが8作品もあります。すごい。 しかも A ランクの作品も他のクールであれば S ランクでもおかしくない、まさに粒ぞろいのものばかりです。

これだけ豊作だと来期以降が不安になってしまいますが、まさかそんなわけ(フラグ)

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う(C)

このアニメ、今期一番つまらなかったと思う。 主人公が珍しく順当に善人だったのとキャラクターが可愛かったので、序盤は思わず「面白くないか?」と勘違いしてしまったが、今思い返すと片腹痛い。

途中から特に何の目標もなく主人公が噛ませをボコボコにし、美少女を隷属させていく展開が幾度となく繰り返されており本当に険しかった。 しかも主人公が「これが、ビーストテイマーの力だ!!」とか言ってテイムした美少女たちの力を借りて無双してたのとかも厳しい。

最強種もビーストテイマーも勇者もどういう存在かあんまりよく分からなかった。

B

「艦これ」いつかあの海で(B-)

何ならこの感想を書いている時点でまだ6話ぐらいしか放映されていない。 もうどう考えても制作が間に合っていないのだが、別に制作が間に合っていたとして面白いかは微妙だった。

前回のアニメ化で大コケしていたのに、よくもまあ懲りずにと思っていたが、全体的な作風はそこまで悪くない。 かなりシリアスや史実に寄せていて、キャラクターの可愛さを押し出すというよりは戦場の厳しさとかを前面に押し出したそうな雰囲気を感じる。 提督がちゃんと顔も声も出てきたのとかも結構評価できる。

ただ、前作よりは悪くない止まりで、別に面白くはない。

令和のデ・ジ・キャラット(B)

今は令和ですよ???

なぜ令和にデ・ジ・キャラットのアニメがやっているのか全く理解できない。 何なら平成初期にやっていたバージョンはオレですらまだ見てないからな。当時まだ小1とかやぞ。

この作品、要するにクソアニメではあるのだが、なんか面白いつまらないとかそういう次元で語るべきものではない。 文化的資料。

うる星やつら(B+)

今は!!!!令和ですよ!?!?!?!?!?

デ・ジ・キャラットどころじゃない大古典が出てきてしまった。 デ・ジ・キャラット古今和歌集ならこれは万葉集

当時の古臭さは残しつつも、かなり現代向けにアレンジされていてそういう意味では面白い作品だったと思う。 どうしようもない女たらしの男たち、やたらと色恋に熱い暴力ヒロインたちなど、キャラクターが非常に懐かしさを覚える。 作品自体の面白さはうーん、可もなく不可もなくという感じ。ギャグとか展開が古いけど、まあこれはこれで。

声優は一新されていた。 神谷浩史宮野真守とか、上坂すみれ内田真礼みたいに、個人的には結構似た方向性だと思っている声優が対になる形で共演していて面白かった。

A

恋愛フロップス(A)

以下、ネタバレを多分に含むので、1ミリでも見る気があるなら読み飛ばすことを推奨します。

この作品、中盤ぐらいまでは頭のおかしいヒロインが5人ぐらい現れてあり得ない展開のラブコメが続くという、テンプレを煮詰めたような胸焼けする作品だった。 初手で主人公に惚れるとか、突如同棲が始まるとか、全員同じクラスに転校してくるとか etc...

しかし終盤でどんでん返しがある。 実はそのラブコメ世界が電脳世界であり、5人のヒロインが1体の AI から生み出された人格であったという SF 展開に繋がっていくのである。 序盤中盤でとんでもラブコメをやりつつも微妙に不穏の種はばら撒いていて、満を持して回収した形となり非常に気持ちがよかった。

まあ正直ヒロインが可愛かったのとラブコメパートのイカれ具合がすごかったので、そのままラブコメで終わっても良かったんだけど、ちゃんと SF に持っていったことで話としてはかなり引き締まったと思う。 ただ、ネタバラシをしてからのテンポがやや悪く、徐々にヒロインたちが脱落していく様も予定調和感があって失速してしまったのだけが残念だった。

高野麻里佳金元寿子が出ており、完全にワイ君向けのアニメだった。

アキバ冥途戦争(A+)

「う〜ん、任侠もののアニメ作りたいんすよね」「いや〜でも今どきおっさんがドンパチやってもオタク受け悪いっすよ?」「そうっすね〜じゃあ、登場人物全員メイドにしますか」

そうしてこの作品が生まれた(完全に個人の妄想です)。

この作品、本当に全てがイカれてて良かった。 登場人物全員秋葉原のメイドで、内容がヤクザもの・任侠ものとかいう何をどうしたらその組み合わせが思いつくんだという狂気の沙汰。

1話だけでも見てほしくて、メイドのキャラソンみたいなのが流れてる裏でリズムに合わせてメイドが銃殺されていくシーン面白すぎて吐くかと思った。 こういうトンチキなギャグシーンが定期的に挟まるので、そのたびにゲラゲラ笑ってた。 メイドってなんですか?

サイゲゾンビランドサガとか、こういう何かと何かを組み合わせて作品作るの上手いですね。

チェンソーマン(A++)

いや〜〜〜こいつを S にするかは非常に迷ったんだけど、独断と偏見でここに置いた。

MAPPA が社運をかけただけあって、映像作品としての完成度の高さや豪勢さは目を見張るものになっている。 作画は言わずもがな、声優や楽曲周りもガチガチに固めているし、逆にデンジを新人声優、マキマを楠木ともりにした采配も素晴らしいと思う。

一方でちょっと気合入りすぎかなぁというのも感じた。 チェンソーマンってグロとシリアスの中にシュールギャグが光作品だと思っていて、真面目に作りすぎてシュールギャグ部分が鈍くなってないかなという気がした。 もうちょい肩の力抜いた方が面白いんちゃう?この作品。知らんけど。

普通に面白いけどめっちゃ面白いかと言われるとそこまでもない、ぐらいの評価だった。

S

不滅のあなたへ Season2(S)

なんかもう『不滅のあなたへ』の感想2クール分書いてるし今更書くことないよ……

強いて言うなら、人間らしさを獲得したフシの苦悩が増えてきて、作品としての性質が少しずつ変わってきましたね。

トナリがせっかく出てきたのにシュッと死んだのも衝撃だったし、もう少し引っ張ると思っていたヒサメも早々にリタイアしてカハクに代わるし、この作品結構キャラクターを平気で使い捨てるから情緒バグる。

ただ、ボンが表向きには死んだ人になってしまったけど、王としての器を得て大きく成長した展開とかめちゃくちゃ良かった。 人が変わり、成長していく作品はやっぱり面白い。

夫婦以上、恋人未満(S)

そうそうこういうラブコメが欲しかったんッスよねオブザイヤー 2022 受賞作品

作者が「うーん、ギャルとオタク同棲させたいけど設定考えるの面倒くさいから、高校の授業ってことにしちゃお!w」っつって、ギャルとオタクを同棲させてひたすらイチャコラさせる話。 主人公とギャルはそれぞれ別に好きな人がいて、でも徐々に惹かれあっていって……みたいなのもよくあるラブコメ設定ではあるけど、肉じゃが定食のような安心感はある。

なお、この作品は「徐々に惹かれあっていって……」の部分がなんかすげースピードで進む。 フレンチのフルコースとかって普通1時間とかかけてゆっくり出てくると思うんですけど、なんか入店して着席したらオードブルからデザートまで全部テーブルに同時に出てきたみたいなスピード感。 肉じゃが定食だと思ったら肉じゃが丼だったわ。

このスピード感はちょっと異常なんだけど、ギャルとオタクがやきもきしてていちゃついてるのを見るのは良い気分になるからまあええかとさせてくれる。 アニメの最後でついにギャルの側が自分の気持ちに気付いてイケメン君との恋を終わらせ、オタク君と向き合うことになったのでアニメ後の話が気になりますね。 ちなみにオタク君は本命の清楚女子といまだにイチャコラしており、修羅場は免れません。南無。

あと、声優が大西沙織なのも良いですね。 式守さん然り、この手のカップリングラブコメにおいて無類の強さを発揮している。

Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-(S)

はいはい、どうせきらら……えっ、アニメオリジナル作品?ほんとに?

女の子が集まっておっさん趣味をするシリーズなんだけど、作りがめちゃめちゃ丁寧でびっくりした。 いや、なんというか丁寧なんだよな。全てが。

キャラクターの作り、作画、工作作業の描写の仕方、話の展開などなどなど。 どこを切り取っても突っかかることなくスッと頭に入ってくるし、作品に馴染んでいてすごかった。

ぼっち・ざ・ろっく(S)

みんな大好きぼっち・ざ・ろっく。

もうやばいくらい世間(Twitter のオタクども)を賑わせているが、賑わせているだけあって面白い。 ギャグもそうだし、演奏パートも気合が入っていて良い。 面白さと完成度で言うと、きららの中でも最上級の部類だと思う。

ED で喜多ちゃんが全方位に順々に中指立てるシーン(立ててない)がマジで好きで、何度見ても笑ってしまう。

アークナイツ(S)

原作のソシャゲはちょっとやっていた。 シナリオがかなりシリアスでしっかりしていて面白かったんだけど、いかんせん中華作品ゆえローカライズが甘いところがあり僕は脱落してしまった。 アニメ化にあたってそのあたりの甘いローカライズや描写不足が完全に克服されており、完璧な完成度になっていた。素晴らしい。

アーミヤの絶望顔はいつ見ても良いもの(邪悪なドクター)

異世界おじさん(S+)

前クールで力尽き、戻ってきた異世界おじさん。 途中で中断してまた戻ってきた形なのに、一切その勢いを失わず最後まで走り切ったからマジですごい。

僕は原作を読んでいるんですが、よくもまあ原作のギャグのテンポをあそこまでアニメに落とし込んだなと感動した。 マジで面白かった以外に言うことがない。

不徳のギルド(S+)

正直、今期アニメの中では一番好きだった。

ファンタジー世界で女の子たちがちょっとえっちな目にも遭ったりするギャグアニメなんだけど、このギャグの部分がオレの趣味にぶっ刺さっていた。 生徒会役員共とかのツッコミが好きな人はこの作品も気に入ると思うんだけど、ギャグと主人公のツッコミがキレキレで、ギャグパートで言えば異世界おじさんに負けず劣らずだったと思う。

主人公も不快感がなくいいキャラをしているし、ヒロインたちもかなり魅力的で、世界観や伏線もちゃんと考えられている。 8話あたりにボス戦というか山場があったのだけど、そこでのヨケグモ(ボス)戦なんかは作画解放していてよくできていた。 戦闘シーンかなりよく作られていて、枚数も多いしカメラワークも上手い。あと、主人公が臨戦体勢のときはいつでも動きやすいように常にその場でステップしているのとかも、かなり細かく描写されていて感心した。

大体のアニメは1周しかしないんだけど、このアニメは2周したのでガチで好きなんだと思う。2期来て欲しい。

ブルーロック(S++)

いや〜〜〜〜面白い。

サッカーアニメは前クールのアオアシでかなりハードルが上がっていたつもりだったが、それでもなお面白いと思えたからすごい。 最初は現実味のない設定に少し首を傾げていたが、そこを超えてしまえば主人公の成長・強敵との衝突の繰り返しのサイクルがめちゃめちゃ速くて、それこそ"カオスが極まっている"。

サッカーアニメにおける主人公の特殊能力、だいたい空間認識能力説ない?

SSS

陰の実力者になりたくて!(SSS)

言わずもがな SSS です。

この作品、結構作り自体は真面目なんですが、どう考えてもクソアニメを作るべくして作っています。 枠としてはポプテピに近い。

「また俺なんかやっちゃいましたか?」を一生丁寧に擦り続ける作品で、逆にいえばそれ以外は特に何もありません。 「なぁにぃ!?やっちまったなぁ!」の芸一本で戦い続けるクールポコに近い精神性だと思っていただければ、だいたいの理解としては合っています。

個人的には「アイ・アム・アトミック」のシーンとかは死ぬほど笑い転げていたんだけど、見終わってからすっと冷静になって「いや何でこんな作品で笑ってるんだ?」と後から賢者モードが来ます。 この賢者モードが非常に厳しくて、この作品の後聴感を最悪なものに変えてしまっているんですね。

2クール目は流石に見れない。助けてくれ。

農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。(SSS)

もうなんかいかにもくだらない作品であることがタイトルから透けて見えるんですが、蓋を開けてみると結構面白かったと思います。 枠としてはかなりワルブレ(聖剣使いの禁呪詠唱)に近いと思っていて、意外と設定はちゃんとしているところとか、突如トンチキなギャグを挟み込むところとかの雰囲気はマジでワルブレだったと思います。 まあ、ワルブレほどのイカれっぷりはなかったんですけど。

全体的にありきたりな展開ばかりではあるんですが、それでも話を展開させようという意志があるだけ偉いです。 SSS に入れていますが、どちらかというと神クソアニメに近い枠だと思っていて、本来の由緒正しい伝統的な SSS だと思います。

見て損はないというと完全に嘘なので損はしますが、他の虚無と違っていくらかの味はすると思います。

聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-(SSS)

ゲームである聖剣伝説の30周年企画として鳴り物入りで作成されたアニメ。 鳴り物入りで作られたアニメは大概どうしようもないことが多いんですが、このアニメもご多分に漏れず酷かった。

作画もそんなに安定していないんですが、どう考えても脚本がおかしくて、「このアニメを見て何を楽しめばいいんだ?」という気持ちにさせられる。 主人公は全く成長せずに同じボスキャラに繰り返し負け続けるし、人間関係も大して変わらないし、メインヒロイン(原作の女主人公)はふんわりした動機で裏切るし、もう何もかもがエンタメとして楽しくない。

他にも登場人物が無駄に多い割に役割を持てておらず、途中から何の脈絡もなくフェードアウトしていったりする。 一緒に行動していた探偵役だったり、主人公の弟子として1話で押しかけてきた子供たちであったり……結局なんだったん?君ら。

このアニメ、なぜ最後まで見ることができたのか不思議なくらいつまらなくてこれだけなら C ランクなんですが、SSS に投獄されたのは理由があります。

はい。最終話がやばかったんですね。

最終話、本当にやばくて、突然敵も味方もほぼ全滅して、最後に残った死にかけの主人公とメインヒロインが泣きながら石化していきます。 元々、「特定の条件下で人のために涙を流すと体が石になる」みたいな伏線はされていてその条件を満たした状態で泣いたので石化したこと自体はおかしくはないんですが、クライマックスの展開としてあまりに意味不明すぎて爆笑してしまった。 散々その条件の話してたから泣かないって話じゃなかったのかよ、とか、今までの展開ガン無視して急に泣き始めたのなんでだよとか。

このシーン本当にすごくて、なんか目を話した隙に小さい子供がお店の商品口に中に入れてたみたいな衝撃がありました。

しかもめちゃめちゃにバッドエンドなのに、そのまま ED に入ってしまうとかもかなりめちゃくちゃな体験でした。 「ま、まあこういうバッドエンドな作品もあるよね」と ED の数分間で自分を納得させようと頑張って、なんとか溜飲を下げかけていると ED が終わります。 そして、ED が終わったあと、なんと最後の1カットで主人公とメインヒロイン普通に復活して家に帰宅しているんですね。

は?????

何の説明もなく復活している主人公たちを見て、下がっていた溜飲が口から勢いよく噴出されました。

ということで、流石に SSS 送りです。どうしてこうなったんだマジで。

まとめ

来期は本当に豊作で、S ランクがたくさんあるクールでした。 A ランクに入れているアニメも、他のクールであれば全然 S ランクに入っていてもおかしくない粒ぞろいで、素晴らしいですね。

その反動かは知りませんが、来期アニメはガチでやばいですね。 なんと異世界アニメだけでサッカーチームが組めます。やばいですね、多分9人ぐらいはレッドカードで退場です。

一体僕は何枚のレッドカード(SSS)を出すことになるのか戦々恐々としつつ、来期を楽しみにしています。