2022夏アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2022夏アニメ(7月~9月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期はつまらないアニメが多くて豊作でしたね。思わず笑ってしまうようなアニメが多く、いたるところで笑顔になっていました。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

プリマドール(C)

悲しい世界観で厳しい境遇にある女の子に歌を歌わせる作り、具体的な見覚えはないのにめちゃくちゃ見覚えがあるの何なんでしょうね。 key お得意のお涙頂戴系だろうなと思って見始めたが案の定その通りの作りで、「どうしてお前はそう毎回同じパターンなんだよ」と思いながらも実家のような安心感があった。

主人公の女の子たちが機械仕掛けのオートマタなんだけど、謎に涙を流す機構が搭載されていたり、感情表現が豊か過ぎたり、他の下位モデルの機械人形を操作するのに歌う必要があったり(!?)、演出上展開上のために作られた不自然まみれの設定に首を傾げまくっていた。

黒の召喚士(C+)

最初はちょっと面白いやんと思って見ていたのですが、途中からは1ミリも面白くなくなってしまいびっくりした。 勇者相手に悪役演じているシーンとかは面白かったんだけど、女神が現身を得て降臨したあたりから本当につまらなかった。

主人公をバトルジャンキーにしたのはキャラが立っていて良かったんだけど、脇役が増えるとバトル要素が分散するせいで唯一のこの作品の良さも失われてしまった。 転生させた勇者がボーイッシュな感じの女の子だったのも、「いや、こいつ男でも良かっただろ」という感想しかなく、マジで女子である理由がない。 最終的にはテンプレまみれの凡作になってしまったの本当に悲しかった。

OP は曲も映像もめちゃくちゃ好き。 かいりきベアマジで良い曲作るようになったな。

B

ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd season(B)

最高にかっこいい OP 楽曲から繰り出される、最高にクソだせぇ OP 映像。ZAQ はキレていい。 何であんなボカロ楽曲の MV みたいな映像なんだよ。

本編は、1期の頃から当面のボスとして出ていた龍園を1クールかけてしばく話。 最終話で綾小路が龍園をぼっこぼこにする場面は作画が本当に良くて良かった。

よう実、すげえ頭脳ゲームっぽい雰囲気醸し出しておきながら最終的には暴力が勝つのほんまか? 龍園が「暴力こそが全てを支配する力だ」って言ってたの全然嘘じゃないじゃん。 暴力至上主義の教室だよこんなの。

とはいえ、全体的に普通に面白かったと思う。

A

RWBY 氷雪帝国(A-)

久々にシャフト節の効いたアニメを見た気がする。 RWBY は元は海外で作られた 3DCG アニメで、本作はその1エピソードを日本のアニメ制作会社が作ったような形になる。

作品の作り自体は結構シンプルなファンタジーだが、全体的なガジェットやオブジェクトデザインが良かった。流石シャフト。

1エピソードを1クールに引き延ばしたので、若干間延びした感はあるがそれでも見ごたえはあった。

金装のヴェルメイユ(A-)

原作のサブタイトルは、「〜崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む〜」。 絶対つまんないだろと思って見始めたらこれがびっくり、普通に……いや普通以上に面白くて驚嘆してしまった。

どうやら原作は漫画らしく、流石にちゃんとしていた。 話の方向性としては『ロザリオとバンパイア』とか『一番うしろの大魔王』とかそのあたりが近いのかなぁ。 一昔前のラノベや少年漫画のアニメっぽさを感じて非常に良かった。

個人的に漫画原作だけあってキャラデザがめちゃめちゃ優れているなと感じた。 アニメの脚本や演出も高水準でまとまっていて、老舗のアニメ会社が作ってるのかしらと調べてみたらこの作品が1作目らしくて「すげー」となった。

やや露骨なお色気描写があるのはご愛敬かな。 ぶっちゃけ僕はお色気描写まったくなくても面白かったと思う。

異世界薬局(A)

異世界転生した薬学博士が薬学知識で無双する話。

主人公は転生時に「病名看破」と「万物生成」というクソアホチートスキルを貰っているので、それなりにチート要素もある。 とはいえ「なんかすごい効く薬」みたいなのを雑に魔法で作るわけではなくて、比較的単純な化学物質しか魔法では生成できずに、そこから先はちゃんと薬学の知識を活かして実際の薬を作っているのは結構偉かったと思う。

万物生成と病名看破の能力、ちょっと間違えると作品を破壊してしまいかねないと思うんだけど、あくまで薬学知識でことにあたるための補助的役割に徹する書き方をしていたのは良かった。 まあ、異世界で薬学無双しようとするともうちょいギャップを埋めるためのもろもろが必要だからね……(ガラスの質が低いとか、ゴムが無いとか)

Wikipedia 知識では無くてちゃんと薬学知識を使っている(ように見えた。僕は薬学知識ないから知らんけど)のもすごく良かった。

あと、脚本家が地味に知っている名前が多くて、さがら総とか渡航とかいて笑ってしまった。生きてたのかお前ら。 大体話が重い週の脚本は渡航が書いてた。

リコリスリコイル(A++)

最初は S でも良いかなと思っていたけど、終盤がちょっと「うーん」という感じだったのでここ。 全体を通じた作品としての完成度は高かったと思う。

物語的にハッピーエンドに持っていくために千束が死なないのは分かるんだけど、それにしたって何も失わなすぎじゃない? 真島すら死んでないのはちょっと大団円が過ぎていて、それこそバランスが取れてねぇよなぁ? 千束が誰かを殺す、リコリスの誰かが死ぬ、先生が死ぬあたりの差し引きはあっても良かったんじゃないかなぁと思っているが、これは好みの問題かな。

あとキャラクターとして千束は好きになれたけど、たきなやくるみをあんまり好きになれなかったとか、百合が好きじゃないとかも作品を高評価できない要因の1つかも。 たきなは流石に千束至上主義過ぎるし、くるみはあんまり信条が見えてこなくてもやってしまった。

ちなみにヒール役やっている松岡禎丞が大好きすぎて、当然真島のことも大好きだったんだけど、タフすぎて流石に笑ってしまった。 お前の才能は絶対耳の良さじゃなくて、死ぬほど殴られてもゴム弾食らってもビルから落ちてもピンピンしてる肉体のタフさだよ。

S

カッコウの許嫁 2クール目(S-)

1クール目のときは「まあ普通に面白いかな?」ぐらいだったんだけど、2クール目になってからかなり面白くなった。

ブコメの割に関係性の変化をかなり丁寧に進めている印象で、関係性がちょっとずつ動いてきてヒロイン同士がやんわり牽制し合うようになってきてマジで面白い。 ヒロインの牽制合戦に嫌なリアリティがあってすごいですね。 こういうの好きだからもっとやって欲しい。 五等分の花嫁の一花が激ヤバムーブしてたのとかもすごい好きだった。

小原好美がこういうラブコメヒロインやってるの珍しいので、貴重な摂取源になっている。 鬼頭明里小原好美がヒロインやってるから実質『まちカドまぞく』の百合に挟まる男の気持ちになれる。

神クズアイドル(S-)

PV を見たときから妙な確信があって、絶対面白いだろこの作品と思って蓋を開けたらちゃんと面白かったので良かった。 ギャグアニメとしては純粋に今期で一番笑ったと思う。

女限界オタクの解像度が高すぎてめちゃめちゃ笑った。 マジでオタクの描写がこの作品の面白さの8割と言っても過言ではないので見て欲しい。

東山奈央の演技も可愛かったし、ちゃんとストーリーもメリハリがあって良かったと思う。

3DCG はまあほら予算がね……

よふかしのうた(S)

OP、ED、挿入歌を含めたすべてが Creepy Nuts の提供楽曲というずぶずぶなアニメ。

元々原作を読んでいたんだけど、良くも悪くも期待通りの面白さだった。

雨宮天とか沢城みゆきとかが結構癖のある演技をしていて良かったと思う。 ちょっと沢城みゆきの探偵さんはやり過ぎかなとも思うけど、沢城みゆきが演技上手すぎてすぐ慣れた。

異世界おじさん(S)

お前……どうして放送延期に……

制作人員が足りずに今クールでは7話まで放送して、来期また最初から最後まで再放送するらしい。 現時点ではめちゃ面白いので待ってるね……

アオアシ 2クール目(S+)

1クール目に引き続きべらぼうに面白い。 優等生すぎて特に言うことがない。

シャドーハウス -2nd Season-(S+)

いや~ちょっと面白すぎますね。 1期の頃から抜群の世界観とキャラクター設定でぶいぶい言わせていたけど、2期で新章に入ってからもまた面白くてすごい。

星付きたちだったり、ケイトと同じようにシャドーハウスに逆らおうとする先人たちが出てきたり、エドワード(笑)の能力が出てきたりとかなり話が進んだ。 シャドーハウスの子供たちの棟の狭い場所でしか生きてこなかったエミリコたちの世界が徐々に広がって来ていて面白い。

3期はよ!!!

メイドインアビス 烈日の黄金郷(S+)

劇場版かな?

原作者監修の補完もありアニメとして完璧な出来栄えだった。とても素晴らしいですね、ナナチ。 6層編をきれいに1クールにまとめていて、起承転結どこをとっても美しかった。

いや~三賢のキャラクターが抜群に良かったですね。 ワズキャンのサイコっぷりとか、ベラフが最後は高潔さを貫いて果てるのとかマジで良かった。 ヴエコほんますき。ああいう陰キャっぽい女の子が好きです。

Engage Kiss(S+)

ラノベアニメっぽさ全開のアニメで、「いや~~~そうそうこういうのでいいんだよ」ってなってた。 ラノベっぽさはありつつ、アニメオリジナル作品なので1クールできれいにまとめていて個人的にはめちゃめちゃ面白かった。

まずね、女の子が全員可愛かったのが本当に偉い。 かなり記号的なヒロインズだったとは思うんだけど、記号もここまで突き抜けてちゃんと描写すれば魅力的なんだなと思った。 脚本家の確かな腕を感じた。

あと、この手のハーレムもので、ガチで主人公がヒロイン全員(妹以外)に手を出してるの新鮮過ぎて笑ってしまった。 主人公の手癖が悪すぎる。 この主人公がありきたりなラノベ主人公かと思いきや、話を重ねるごとにクズエピソードを重ねていくのもバランスが取れていてよかったですね。 なんかクズエピソードも、ギリギリ笑えるレベルのクズエピソードで脚本家のバランス感覚どうなってんねんと思った。すごい。

主人公がクズ過ぎて、クライマックスで主人公がやられて「ざまあみろ!」ってコメントが流れて来るのこの作品ぐらいだろ。

S

咲うアルストロノリア(SSS)

この作品を SSS に入れるべきは本当に迷った。 どれくらい迷ったかというと、こいつの評価に悩みすぎてブログを数日漬けものにしたぐらい。 ただ、最終的にどうしても光るクソとして紹介したかったので SSS にした。

正直、作品の完成度としては全然悪くない。 もし光り輝く1点のクソ要素が無ければ、B~A- ぐらいの評価に収まる女の子たちの日常系アニメだったと思います。

では、何がクソだったかというと、作中の不穏要素が一切回収されずに終わったこと。

この作品、原作がニトロプラスです。 はい。ニトロプラスで女の子たちの日常系というと嫌な記憶が呼び起こされますね。あれ、窓割れてね? まあ、原作を見て邪推するのはあんまりよくないのでそれは抜きにしても、この作品はぶっちゃけ序盤からめちゃめちゃ作中に不穏な要素を挟み込んできます。

まず、OP 映像が前半はパステルな色合いで日常系っぽいのに、後半急にグレースケールっぽくなって敵キャラっぽい人相の悪い男たちが出てきます。 この人相の悪い男たちは本編でも出てきていて、毎話「WARNING!」という赤い文字でシーンが切り替わり、明らかに作風が違う男たちの場面に転換します。 この男たちは異端審問官で、魔女狩り(どうやら主人公たちは魔女)をしているらしいということが徐々に明らかになります。

そして話数が重なるごとに男たちを映すシーンの割合が増えていき、ついに最終話では WARNING の場面転換もなくいきなり男たちのシーンから始まります。 「お、これはついに主人公たちと敵のストーリーが交差して不穏を回収するやつかな?」と思ったそこのあなた。

もうお分かりですね。この作品は別に2つのストーリーが特に交わることなく終わりを告げます。

これ、本当に衝撃的でオレの1クールを返して欲しかった。 何だったんだよマジで。 このオチなら1話で切ってたわ。

この1点が本当に許せなかったので、この作品は SSS 送りになりました。

てっぺんっ!!!(SSS)

まえせつで懲りてなかったのか、また美少女に漫才をさせてしまっているアニメ。どうして。

しかし、まえせつの失敗から学びを得たのか構成が非常によくできていて、直接漫才シーンをせずに日常パートを垂れ流し、最後に「実は今までの話は漫才だったんですよ」というオチを付けて終わると言う形式を取っている。 漫才本体を回想形式にしたことで、つまらなさを低減させる神のメソッドで最初に見たとき関心してしまった。

とはいえ、その要素を含めてもやっぱり全体的に話はつまらなかったのでダメです。

ちなみに、本作で一番面白かったのは放送中止になった話があったこと。 2話の内容が『お笑いトリオ・ヤングワイワイの3人が犯行予告文を拾ったことをきっかけに、大統領暗殺計画を阻止しようと奔走する回』であったため、現実の某事件と時期が重なり放送が消滅した。 めちゃめちゃ不謹慎だけど、放送されなかったことで面白くなるの最悪すぎる。

惑星のさみだれ(SSS)

原作は面白いらしいです。

この作品、面白いとかつまらないじゃなくて、ただただ完成度が低い。 作画、演出、脚本、声優の演技指導などほぼすべてにおいてダメだしできる場所が多すぎる。

作画は言わずもがななんだけど、個人的には脚本と演出が激ヤバだと思っている。 展開がのっぺりしすぎだし、その割に全てが唐突過ぎる。 たぶんこの唐突感は演出がやばいのもあると思っているんだけど、ちょっとどこから手を付ければいいか分からないぐらい悪い。 もう終末医療を勧めるしかない医者の気持ちになっている。

ニコニコで見てるんだけど、最初はコメントで「原作は面白いのに」って書きこんでいた人たちも最近見かけなくなった。 裏世界ピクニックの時もこんな感じでしたね。

転生賢者の異世界ライフ 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜(SSS)

タイトルが役満どころかダブル役満ぐらいある。「転生」「賢者」「異世界」「職業」「最強」でマジで全部入ってる。

本作はあの有名な「俺の魔法の威力がおかしいって、弱すぎって意味だよな?」の原典で、そのシーンを見るためだけにこのアニメを見る価値はある。 ちなみにそこ以外は本当に全編通して無味無臭なので見なくて良い。

本当に最初から最後まで無味無臭だったのすごいと思う。 何か、面白いとかつまらないとかの判断可能なレベルにない。 DAM精密採点で全く歌ってないと「マイクに音声が入っていないため採点ができませんでした」って言われるやつあるじゃないですか?あれです。

強いて言うのであれば主人公の感性が比較的まともよりだったり、ヒロインが全く出てこないあたりはまともだったかもしれない。 まともに無をやっているだけなんですけどね。

無オブザイヤー 2022。

まとめ

今期は驚愕の SSS 4作品というシーズンでした。 SSS のラインナップ、若干いつもよりはパンチが弱くはあるんですが、それでもキラりと光る一番糞であることは疑いようがありません。

「来期もきっと面白いアニメがいっぱいあるよね!ハム太郎!」

「へけっ!来期もどうせ異世界クソアニメまれなのだ!」