2024冬アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2024年冬アニメ(1月~3月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期、あんま面白くないんかなと思っていたアニメが蓋を開けたら面白かったり、意外性のある作品の多いクールでした。 バリエーションも豊かで「はいはい異世界異世界」というクールでは無かったように思います。 ラブコメが多くて、なんか週に3回ぐらいはザインになってた。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、あまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

俺だけレベルアップな件(C)

作画だけはやたらと良いのに何故かちっとも面白くない。 アニメの完成度は作画の良さだけでは決まらないんだなぁということを改めて教えてくれる示唆的な作品。

現代日本(韓国) x ファンタジーっぽい世界という組み合わせはやや真新しくはあるが、主人公が一生イキリ続けるだけのシーンが9話ぐらい続く。 すごいな、お兄様でももうちょい加減する。

1話と3話以降で主人公が垢抜けとかいうレベルではなくほとんど別人のように変わっており、顎が尖る。 現実なのにゲームっぽい UI が出てきてステータスの概念が(主人公にだけ)見えるという世界観なんだけど、「これじゃ AGI(アジリティ)じゃなくて AGO(顎)伸ばしてんじゃんw」ってコメント流れてきて過呼吸になるかと思った。この作品全体を通して一番面白かったことかもしれん。

佐々木とピーちゃん(C)

1話だけ面白かった。

ファンタジー異世界ものかと思いきや、現実世界で異能力バトルが始まったり、魔法少女が出てきたりと、ありとあらゆる世界観をクロスオーバーさせたような作品。 それ自体は真新しさもあって面白いんだけど、いかんせん主人公が強すぎるのと、話の都合が良すぎて上手く扱い切れていない。

魅力のある敵や主人公より強い(賢い)敵が出てこないのがかなり作品としては厳しいと思うんだけど、まあそういうのを求める作品ではないのかもしれない。

自分より優秀な人間に打ちのめされるのは現実だけで十分で、創作物の世界でくらい無双をしたいおじさん向けの作品だと思われる。

最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~(C)

何が面白いんですかこれ。正直あまりのつまらなさに SSS にぶち込むか迷ったが、SSS に入れるほどもないつまらなさだったので C。

勇者パーティの追放要素はいつも通り一瞬で終わり、何なら勇者との関係は早々に回復する。 勇者が最初は女たらしみたいな扱いを受けてサゲられていたのに、勇者パーティにいた大体の女は離脱して主人公の元に来るし、主人公も常に女を侍らせまくっているので価値観がめちゃくちゃである。 まあ、主人公のやることは何でも正しいんですね。

レアスキルというのも特に面白みがなく、人のダメージを引き受けるだけで別に話に何か寄与するわけでもない。 追放時に「実は主人公のおかげでパーティが成り立っていた」をやりたいがためだけのスキルで、結局後半は謎の魔力で異常な攻撃能力も獲得するので別にこのスキルは最終的には不要である。

要約するとタイトルのうち必要な部分は「最強」「迷宮攻略」の2つだけなので、「最強迷宮攻略」とかに改名した方が良い。

B

望まぬ不死の冒険者(B-)

真面目寄りな作品ではあるが、いまいち何がやりたいのか分からない作品だった。作品を通しての盛り上がりがほとんどないままスン……って終わった。

主人公がダンジョンで骸骨としてリスポーンした直後が一番面白くて、徐々に見た目が人間に近づいていくにつれて面白みも薄れていっており悲しい。 もっとダンジョンでソロしてるシーン丁寧にやっても良かったんかもしれない。

硬派な作品かと思えば現地ヒロイン作りまくるし、何というか悪くはないけどう~ん……

魔都精兵のスレイブ(B)

とんでもなく見覚えのある感じがするが、おおよそストライクザブラッドとかカンピオーネとかそういう感じの作品。 特殊能力を持った主人公が、異能を持った他のヒロインたちとイチャつきながら戦うタイプ。

ヒロインのデザインは可愛いが、あんまりキャラクターとして魅力的だったかと言われると微妙なところなのが惜しかったな。 話自体はそこそこ面白かったので、キャラにもっと魅力があれば良作と呼べたかもしれない。

アカメが斬ると原作が同じらしく、どうせ終盤にキャラがいっぱい死ぬんではなかろうかと思っていて怖い。 というか、メインヒロインがエスデスに似すぎだろ。どんだけ好きだったんだよ。

スナックバス江(B)

スナックバス江のアニメ化……スナックバス江のアニメ化!?!?!?

失礼。何が起こっているか分からず動揺してしまいました。

いや、本当に何故この作品をアニメ化したのか本当に分からないが、最後まで見ても「何でアニメ化したんだ?」となっていた。 作品自体の出来はまあぼちぼちというかポプテピピックとかに近い風味がしたんだけど、なんかその、何?やっぱり何でアニメ化したんですか?

高橋李依がアホほど下ネタ言ってたんだけど、もしかして NG とかない感じなんですか?

僕の心のヤバイやつ2期(B+)

道産子ギャルはなまらめんこい(B+)

オーイシマサヨシとかいうラブコメアニソンの王が主題歌を歌っている。 歌っているというか、半分ぐらいはふざけている。

「まーたオタクに優しいギャルか~」と思って蓋を開けてみたら思いのほかちゃんとラブコメをやっており偉いなとなった。 ただ、話の展開的に主人公とメインヒロインだけでは苦しいのは分かるんだが、マジで1ミリたりとも恋の賞レースで勝てる可能性がないサブヒロインズを出すのは一体どうなんだ。人の心とか無いんか?

全然余談なんだけど、ニコニコでコメント付きで見ていたら、「やっぱギャルって良い子しかいないんだな」ってコメントしてるやつがいて腹がよじれるほど笑ってしまった。いい夢見ろよ。

A

ぽんのみち(A-)

麻雀アニメなんだけどほとんどの尺で麻雀をしていない。

まあそういうのはこの手のおっさんがやることを美少女にやらせる系アニメでありがちなんだけど、それにしてもこの作品は本当に麻雀をしていなかった。 毎話アバンでちょっと麻雀をやったりするだけで、そのほかの時間は大概美少女たちが普通に遊んでいるだけである。

何故か分からないんだけど、このつくりで結構本編は面白かった。マジで何で面白かったんだろう。

個人的に声優のチョイスが結構絶妙で、佐伯伊織とか近藤唯とか若山詩音とか出ていてすごい良かった。

結婚指輪物語(A-)

オタクくん、こういうハーレムアニメ大好きなんだが? ヒロインが明確に一人決まっていて、それはそれとしてヒロインズが出て来るタイプの作品好きすぎる。

作風としては異世界転移のファンタジーだが、主人公がめちゃくちゃに無双する感じでもなく、一昔前のファンタジー感をすごい感じる。 それこそオマージュ元であろう指輪物語とかナルニア国物語とかそのあたりに近しく、近年の異世界転移無双ものとはまた面持ちが違う。

別にストーリーはそこまで突出するものは無いんだけど、キャラクターにちゃんと魅力があるのが良かった。 こういうヒロイン出て来る作品はやっぱりキャラクターに魅力があると楽しくて良い。

途中で CV:??? のキャラが出てきたんだけど、その声優を推定した結果ラスボスの正体に気付いてしまう事故は起きた。ただ、恐らくこんな事故に遭ってるのは僕を含めてごく少数だと思うので仕方ない。

姫様”拷問”のお時間です(A)

良く出来ていたアニメ。コンセプトを初志貫徹するある種の日常系で、魔王城でおやすみと同じ類の作品だと思う。

アニメとしての完成度は手堅くまとまっていて、特に上振れも下振れも無かった。 作画や声優、演出などもかなり高い水準であったと思う。

姫様が元気に「うん!今日も屈したよ!」って言ってるシーンはかなり笑った。一応建前があるだろ。

S

魔法少女にあこがれて(S)

「まーた魔法少女が酷い目に遭う趣味の悪い作品か?」と思って蓋を開けたら、なんか、その、魔法少女が酷い目には遭ってるんだけど、何、その何? これを魔法少女ものと呼んでいいのか甚だ疑問しかないが、一応タイトルに魔法少女って入ってるから魔法少女ものなんだろう。

全体的な完成度は非常に高かったと思う。 演出や話の緩急含め楽しんで見ることが出来た。不徳のギルドとかに感覚は近い。

最終話でアズールが覚醒して受け流した攻撃を再度自分に向けて解放したシーンは爆笑した。

ダンジョン飯(S)

面白いタイプの異世界アニメ。飯+異世界という組み合わせはこれまでもいくつかあったけど、個人的には一番面白かったと思う。

基本的に飯+異世界系の作品は、飯要素がメインになってしまってストーリーがおざなりになりがちなんだけど、ダンジョン飯はストーリーとしての起伏もちゃんとあって偉いなとなった。

飯の描写や魔物の生態もよく練り上げられており、ダンジョン飯という世界の存在感を増している。素晴らしい。 その世界においてちゃんとリアリティがあるか?というのは作品にとって極めて重要な要素なんだけど、ダンジョン飯はそこを丁寧に作りこんでいたと思う。 ちょっぴり群像劇っぽいテイストなのも、良く働いていた。

葬送のフリーレン 2クール目(S)

ユーベルが好きです!!!!!!!(クソデカオタクボイス)

失礼しました。ユーベルが大好きすぎて思わず大きい声が出てしまいました。 最近ボイトレに通っている効果が出たのかもしれません。

まあもはや別にこの作品が面白いことは全人類が知っているので殊更にここで言うことはないんだけど、ユーベルがぶっ刺さってしまった。これがレイルザイデンか……

ユーベルが好きなの、たぶん6割ぐらいは長谷川育美が好きだからだと思う。

勇気爆発バーンブレイバーン(S)

今期一番のバカアニメ。ギャグアニメの完成度としては随一と言っていい。

最初ロボットアニメだと思って敬遠していたんだけど、やたらとニコニコの再生数が多いから気になって見てみたら1話で腹がよじれるほど笑った。 まだ見ていない人がいるかもしれないので明言は避けるが、本当に面白いので1話だけでも騙されたと思って見て欲しい。 何ならワイも騙されたから被害者なんだよな。

シリアスとギャグを行き来して情緒がおかしくなるのは、どこかミギとダリを思い出す。

一生監督がやりたいことをやって、最後までやりきってなんか終わったアニメ。 マジでやりたいこと詰め込んだだけなのになんで作品として成立してたんだ?

アンデッド・アンラック 2クール目(S)

2クール目の序盤はかなり勢いが萎んでいたんだけど、安野雲が出てきてからはめちゃくちゃ面白くなったと思う。 最終的なにリップたちと協力してオータム捕獲したのは少年漫画していて最高だった。

シャングリラ・フロンティア 2クール目(S+)

熱い!!!面白い!!!!!!!

いや〜ウェザエモン戦マジで面白かったな。ゲーマーたちが一つ一つ楔を打ち立てて最強ボスを攻略していき、最後には理不尽とも言えるボスギミックを攻略して突破したときのカタルシスがたまらない。 作画も演出もテンポも文句なしで面白かったと思う。文句なし!

治癒魔法の間違った使い方(S+)

最初にタイトルを見たときロクでもない作品だと思って見始めてしまったんだけど、蓋を開けたらめちゃくちゃ面白かった。 今期、一番王道を突っ走っている作品と言っても過言ではなく、ちゃんと熱い作品だった。

キャラクターがちゃんとその世界に生きており、主人公に好感を覚えられるところが良かった。 それに特定のキャラクターのサゲみたいなのがほとんどなかったと思う。キャラクターを大事に使う作品は偉い。

このタイトルが悪印象になってしまうの、完全に回復術師が悪い。責任を取って《過去改変》(ヒール)しろ。

SSS

即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。(SSS)

この作品を SSS に含めるべきかは大変に悩みました。 何故ならこの作品を SSS たらしめているクソの輝きは、どう考えても作者が意図して設計した輝きだからです。

しかし、いくら作者が意図したものであろうとそこに輝くクソがあるのであれば、まあ順当に SSS に入れておくかということでここに置いています。 ちなみに SSS じゃない場合は B+ です。

この作品、実は原作をちょろっと読んでいたんですが本当の本当にタイトル通りで、主人公が「死ね」と念じた相手は即死します。

しかもこの即死は対抗手段がなく、不死も復活も貫通するし、何を以てしても回避できず、何なら生物以外の概念も殺せたりする何でもありです。 どちらかというと主人公は収容不能な SCP に近く、「死」という概念が人間の皮をかぶっているというのが恐らく作品上の意図したところです。

と、ここまで書くとかなりステージの高い作品に聞こえるんですが、ここに異世界転移を一つまみすると途端にとんちきな作品になります。

次々に出てくる異世界あるあるのチート能力を持っている登場人物とか、なんか長大なバックグラウンドを持つ魔王とか、伝説のドラゴンとか、そういうのを「死ね」の一言でぶっ殺して回るというのが、このギャグ作品の芸風です。

いや、マジで長々といかにそのキャラクターが強力で無敵かを描写したあとに即死させるので、そういうギャグとして見るとかなり面白い。やっぱり笑いには溜めが必要なのだという基本を思い出させてくれる作品。

まとめ

今期はあんまり期待していなかった作品が爆発して面白く素晴らしかったクールですね。 来期は実は本当の本当に豊作で、各クールの覇権を取ったアニメたちの2、3クール目がやるので今から楽しみで仕方ありません。