2023春アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2023春アニメ(4月~6月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期はめちゃくちゃ恋愛アニメが豊作で良かったですね。 恋愛アニメ、明らかに人を幸福にするので毎クールこれぐらい作って欲しい。 おい、なろうアニメ、お前は座ってろ。お前のは単にハーレムであって恋愛ではねぇ。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

異世界ワンターンキル姉さん〜姉同伴の異世界生活はじめました〜

タイトルから既に結構つまらなそうな雰囲気は漂ってきているんですが、本編もしっかりつまんなくて良かったです。 作品としてはほとんど完全に全体攻撃で二回攻撃のお母さんと一緒で、近親者がクソ強くてキャリーしてもらうお話です。 姉属性が好きな人が見ると面白い可能性も微レ存ですが、僕は残念ながら全く肌に合わなかった。

この作品の唯一の面白いところは、別に予算もそんなにないだろうに何故か1クールで OP が変わったこと。 どちらも TrySail だったんだけど完全に TrySail 販促アニメで笑ってしまった。 なお本編には一切 TrySail の声優は出てきません。めちゃくちゃだよ。

B

この素晴らしい世界に爆焔を(B-)

このすばのスピンオフ。ただ、正直本編ほどの面白さはなかった。 主要な登場人物がめぐみんとゆんゆんなんだけど、二人とも割かし常識人だからこのすば特有の頭のおかしいやつらが頭のおかしいことをやってしっちゃかめっちゃかになりカズマが突っ込む、といういつものやつが見れなくてあんまり面白くなかった。

本編の3期がやるらしいのでそちらに期待。

カワイスギクライシス(B)

最初つまんないかなと思ってたんだけど見続けていたら癖になってきてしまった。 一生猫や犬などのペットを愛で続ける作品で、登場人物たちのネジが徐々に外れていく様が面白くて変な笑い声が出てしまった。

声優がめちゃくちゃ豪華なのも含めて、シュールギャグとしてよくできていた。

トニカクカワイイ(シーズン2)(B+)

春アニメ恋愛アニメ四天王の1人。

カワイスギクライシスと並べると変な感じだけど、こっちはペットではなく夫婦が一生互いに惚気合っている作品。 視聴者の求めているものを全くの過不足なく提供してくれる作品。 逆に言うと、1話見て合わなかったら絶対に合わないと思う。

僕は原作を読んでいるので、シーズン3ぐらいからシリアスが増えてきそうだなと思ってドキドキしている。

A

おとなりに銀河(A)

春アニメ恋愛アニメ四天王の1人。

中身はほぼほぼトニカクカワイイ。男女カップルが一生イチャついて惚気ている作品で、若干のファンタジー要素もあるあたり本当にトニカクカワイイ。 まあでもなんぼあってもいいですからねこんなの。 1クールに10本ぐらい欲しい。

甘々と稲妻と同じ作者で、あのときも男の方が子持ちだったんだけど、今回は男が小さい妹弟の面倒を見ている設定で、作者こういうの好きなんですね。

女神のカフェテラス(A)

春アニメ恋愛アニメ四天王の1人。

五等分の花嫁とカッコウの許嫁を混ぜてほんのり迷い猫オーバーランを混ぜたような作品。 近年の恋愛アニメとしては珍しくヒロインから主人公への好感度がマイナスの期間が結構長い。1期の終わりになっても、まだ 3/5 しか落ちていないとかもあって頑張って耐えている。

最初はよくあるラブコメであんま面白くないなと思ってたけど、ちょっとずつヒロインたちの好感度が上がってきてからは色々話が動いてきて面白くなってきた。アニメ中盤以降はかなり楽しみにしていた。

僕の心のヤバいやつ(A)

春アニメ恋愛アニメ四天王の1人。

僕ヤバと言えば更新のたびに Twitter のオタクたちが奇声をあげていることで有名なコンテンツですが、アニメの方はそんなに話題になっていないなという印象がある。 多分アマプラ独占なのが影響していそう。

僕は原作を読んでいなくて、ぼんやりとあらすじだけ知っている状態でアニメを見たんだけど面白かったと思う。 「そうそうこういう恋愛アニメでいいんだよ」と思わず後方で腕組みしていた。

トニカクカワイイやお隣に銀河が学園ものではなかったので、学園の恋愛ものということで足りない栄養素を補給できた。

鬼滅の刃 刀鍛冶の里編(A)

鬼滅、1章1クールでやると微妙に本編の量が足りなくて、回想や引き延ばしが無限に発生してしまうの何とかならんか? 途中完全に DB になっとったが。

流石に柱稽古を1クールやるのは厳しいだろうし、柱稽古・最終決戦合わせて1クールになるんかなぁと思っているけど柱稽古1クールやるとか言い出すとマジ?ってなりそう。

地獄楽(A+)

MAPPA プレゼンツなのでなんとまあ完成度のお高いこと。

作画、脚本、演出、声優などなど。どこをとっても特に文句がないし普通に面白い。 ただ、面白いんだけど、何だろうな。めっちゃ面白いかと言われるとそんなにでもないのが難しい。 これは地獄楽の原作の方が悪いかも。

青のオーケストラ(A+)

バイオリンの天才(秀才?)だった主人公が、色々あってバイオリンを辞めて高校でもう一回バイオリン始める話。

音楽+青春であったりとか、かつて天才だった主人公がわけあって挫折して、みたいな設定は比較的ありきたりではあるけど、やっぱり王道だけあって面白い。 演奏シーンもかなりちゃんとしていて音に関してはちゃんと生収録したバイオリン音源を利用していそう。しかも、素人が聞いても分かるように演奏の上手い・下手をちゃんと区別して音源を作っていて偉かった。 オーケストラの演奏シーンとかは CG だったんだけど、かなり絵に馴染んでいて違和感がなかった。

なんか7話かあたりでヒロインの1人であるハルにフォーカスした話があるんだけど、異常なまでに作画が良くて絶対中の人にハルのファンいるだろと思って笑っていた。 他の場所は結構作画崩れがちだったのに。

ちなみに、加隈亜衣がマジで良い。毎クール出て欲しい。

ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP(A+)

地上波で流れていたわけではなく YouTube で4話だけやる短めのアニメ。 トプロ、アヤベ、オペラオーをメインに据えた作品で、面白かったと思う。

4話しかなかったのもあり割と起承転結があっさりと終わったなという印象もあるけど、作画は爆発していたし、音楽も非常に良かった。 ウマ娘の OP 曲、管楽器入ってくるせいでめちゃくちゃ大団円感が出るので良い。

S

王様ランキング 勇気の宝箱(S-)

王様ランキングの2期目というかスピンオフ作品。小話をオムニバス形式で放送している。 「いや~言うてもスピンオフというか小話集でしょ~?本編じゃないしな~」とか言って斜めに構えて見ていたらちゃんと面白くて、「すみませんでした……」って床を舐めることになった。

いや、スピンオフって言うからあんまり重要な話やらないんかなと思ってたら、しっかり1期の後の時系列の話もやってて「いや、普通に本編2期やないかいこれ」ってなった。

Dr.STONE 第3クール(S)

もはやコメントすることもない。お前はいつも面白い。

スキップとローファー(S)

いや~面白かったですねこの作品。 学園青春ものではあるんだけど、登場キャラクターたちの心情の機微がかなり細かく描写されていて、キャラに人間味があって大変良かった。 大事件も起きなければ突拍子もない設定のキャラも出てこないのに実直な面白さがあって、添加物が入っていないのにバカ美味い料理だった。

何が面白かったか言語化するのが難しいんだけど、分かりやすい悪人がおらず、みんな善人ではあるんだけどちょこっと嫌なところが出てきちゃったりする、みたいな絶妙な人間くささをちゃんと描写していたのが良かったんだと思う。 やっぱり人間と人間関係を真面目に描いている作品はそれだけで面白い。

アイドルマスター シンデレラガールズ U149(S)

デレマスのアニメまたやるとは思わなかった。 アイドルの中でも幼い子たちにフォーカスした作品で、「子供と大人」の対比だったり、子供たちの成長みたいなのを結構真面目に描いてて偉かった。

特に最後に若干子供っぽいところがあるプロデューサーが苦悩して子供たちに引っ張られるシーンとか挟み込んできたのもめっちゃ良かったですね。 プロデューサーも一緒に悩んで成長するのは良いこと。

橘ありすの声優、普通にかわいくて演技も上手いのにあんまりアニメ出てなくて悲しい。

君は放課後インソムニア(S+)

春アニメ恋愛アニメ四天王の1人。四天王の中では一番好きだった。

これもまた青春アニメーションなんだけど、べったべたの恋愛という感じではなくて、青春の中の1要素として恋愛もあるぐらいのウェイトだったと思う。 いやまあ主人公とヒロインが一生イチャついてはいるんだけど、基本的に部活頑張ったり友人たちとワイワイやったりでオタクが幻視した青春の日々で大変よかった。

佐藤元、騒がしい演技しか聞いたことなかったからこういう少しダウナーな演技もできるんだなというのはちょっと意外だった。

推しの子(S+)

流石に今期の覇権かな。水星の魔女といい勝負だけどあっちは2クール目だし。

原作は名前だけ知ってて内容ほぼ知らなかったんだけど、1話が劇場版(これは比喩表現ではなく実際に劇場公開されていた)だったのもあって、開幕の引きつけはどえらいものがあった。 あの1話からの YOASOBI のアイドル流れて来るの脳汁出るでしょ間違いなく。

本編はアクア君が色んな女の子をたぶらかしながら母親の仇を探していくサスペンスの雰囲気を出しつつも、アニメの内容自体は普通にルビーのアイドル頑張るぞ話がメイントピックっぽかった。 サスペンスの方は裏テーマみたいな感じかな。

原作が赤坂アカだから納得なんだけど、出てくる女が片っ端からおもしれー女しかいない。有馬かなとか出てくるだけで大体面白い。

SSS

神無き世界のカミサマ活動(SSS)

由緒正しい SSS 枠。毎話爆笑しながら見ていた。

ストーリ―はかなりちゃんとしているのに全体の描写や脚本がいかれていて面白いタイプで、完全にワルブレ、氷剣、魔王様リトライと同じ枠。 突然実写のトラクター画像にキャラクターの顔はめ込んだ映像流れてきたときは笑い過ぎて吐くかと思った。

毎話こんな感じの異常な光景がアニメとして流れ続けていて、ずっと笑っていた。 最終話も突然バンドやり始めたり、やたらと書き込みの多い軽トラが出てきたりしてマジで絵面がすごい。本当に良かった。

異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する(SSS)

由緒正しくない方の SSS。本当に最後までつまんなかった。

主人公が困っているヒロインを助けて惚れられる展開が手を変え品を変え続き、また俺何かやっちゃいましたか?を擦り続ける。 特に主人公に目的意識とか、ストーリーの方向性がなくて何を見ればいいのか分からない。

声優が無駄に良いとか、作画が無駄に良いとか何故か予算だけは潤沢にあるっぽくて本当に意味不明だった。 何でこんな作品にそんなに予算かけられるんですか?もしかしてオレの感性だけが異世界転生してて、現実世界の感性ではこれが面白い?

毎話ノルマのようにモブの女たちが主人公の顔面を褒めるシーンが入るのとかも、ルッキズムの権化みたいな作品で非常に良い。 進化の実と同じ作者らしいんだけど、恐らくかなりルッキズムを掲揚していると思う。

つまらないものの見栄えをいくら良くしてもつまらないってこれまで何度も学んできたでしょ!!

まとめ

今期は恋愛アニメが豊作で良かったですね。 いせスマ2期とかも見たかったんですが Abema に封印されてしまったせいで見れなかった。いやぁ、残念だなぁ!残念残念!

来期もまた面白いアニメが多そうで忙殺されそうで今から楽しみです。

2023冬アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2023冬アニメ(1月~13月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

いや~今期はマジで不作でした。 面白いアニメがあんまりなく、全体としてじんわりクソなアニメが多かったですね。僕としてはもっと爆発力のあるクソアニメを見たいんですが、今期は順でも逆でも人に勧めにくい微妙な作品ばかりだった気がします。

いや、マジで順当に太鼓判を押して人に薦められる作品が無くてマジで困る。 もしかしてアニメ業界、もう面白いアニメやり尽くしちゃった?

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

アルスの巨獣(C)

この作品、マジで最初から最後までずっと盛り上がらなかったからすごい。関東平野の方がまだ起伏がある。

悲しい過去を持ったやつれたおっさんと無垢な美少女の組み合わせというのは王道っちゃ王道でいいんですが、逆に言うとそのコンセプト以外マジで見るべきところがない。 しかも、この作品の脚本家はたぶん「伏線」という概念を知らないまま脚本を書いているっぽくて、展開の半分ぐらいが超展開で構成されているのもすごい。 驚きのある展開は重要なんですが、その驚きには納得感が必要なんですよね。何でもかんでも逆張りすればいいわけではない。

あれ?でも起伏ないんだよね?と思ったアナタ、その通りです。 この作品は超展開祭りなのに欠片も盛り上がらないという、曲芸みたいなことをやってのけているんです。 光る要素も無いから SSS として昇華も出来ないし、本当にただただダメなタイプの作品だった。

人間不信の冒険者たちが世界を救うようです(C)

この作品、マジでヤバかった。本当に何がやりたかったのか全く分からない。 主人公たち4人組の掘り下げ全然しない割に、一生興味もないサブキャラの掘り下げをしていた。 誰が楽しいんだよその話で。

人間不信要素もだいたい1、2話で解消しちゃうし、そもそも人間不信ならパーティを組むなよ。 というか世界を救う要素はどこ行ったんだよ。意味もねぇサブキャラの掘り下げばっかりしてるからナレーション以外で全然その話出てこなかったじゃねぇか。

算数ベアナックルだけは意味不明過ぎて笑ってしまったけど、全体を通じてつまんないので見ないで良いです。

大雪海のカイナ(C+)

このアニメ、1話の期待値は同じクールの他のアニメたちを突き放して一番高かった。 ……だというのに、まさかこんなにつまんない作品になるなんて、どう作ったらそうなるんだ。

起承転結の「起」の部分にあたる世界観の見せ方や導入は抜群に良かったのに、そこからの展開があまりにつまらなすぎて欠片も物語が加速しなかったの未だに信じられない。 しかも何かアニメが11話で終わったんだけど、「え?これで終わったの???」という終わり方でマジで消化不良だった。 どうやら完結編の映画?をやるっぽいんだけど、あまりに残念な作品だったし見に行く機運が高い。

全体の完成度で言えばそこまで低いわけでもないとは思うんだけど、1話の期待値からの落差があまりにひどいのでここになった。

B

氷属性男子とクールな同僚女子(B)

めっちゃ面白いというわけではないけど、恋愛ものとして1クールに1個ぐらいはこういうの欲しいよねという気持ちになった。 設定やら展開にあんまり捻った部分はないので、純粋に人々の恋愛模様を楽しめるかどうか。

トモちゃんは女の子!(B)

古の Web 漫画のアニメ化。原作を読んでいたので、まさかこのタイミングでアニメ化するとは思わなかった。

ブコメの中でもキャラクターたちにしっかり尖りがあって良い。 キャラクターたちにそれぞれの思惑とか感情があって、それをもとに行動しているちゃんとしたラブコメ

とんでもスキルで異世界放浪メシ(B)

これ絶対クソつまんないチート異世界転移系の作品だろと思って蓋を開けてみたら、ただの孤独のグルメだった。 イオンのネットスーパーと正式にコラボしているせいで現実の商品が実際に出てくるあたりとか、ヒロインが一切出てこなくて犬とスライムだけ連れ歩いてひたすらメシ作ってるあたりとかが割と良くて、普通にそこそこ楽しんで見てしまった。

MAPPA が作ってるから料理作画も良く出来ていて「うわぁ、なんだかすごいことになっちゃったぞ」って感じだった。

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん(B+)

今までにないタイプの作品設定で、マジでタイトル通りで恐れ入った。 全体的にキャラクターが魅力的に描かれているし、ヒロインのリーゼロッテがちょっと頑なすぎるところはあったけどストーリーの流れ自体も悪くなかった。 終盤の展開がちょっとゴチャついてたけどご愛嬌かな。

石川界人の相手が花澤香菜で「花澤香菜、まだヒロインやっとるんかい」となったけどこれはオレが悪い。

便利屋斎藤さん、異世界に行く(B+)

最初はちょっとテンポが悪くて微妙かなぁと思ってたんだけど、徐々にキャラクターたちが出揃ってからは面白かった。 明確に主人公は決まっているんだけど若干群像劇のテイストがあって、複数の物語が重なり始めて加速し始めた。群像劇はこれがいいですよね。

特に、モーロックが覚醒してピンチの主人公たちを助けるシーンは作画も演技も爆発していてめちゃめちゃ感動した。 シーン単位で見れば、今期でも指折りの完成度だったと思う。

最後の最後でギャグをぶち込むバランス感覚も良かったし、最序盤さえ乗り越えればかなり良い作品だったと思う。

A

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件(A)

見る砂糖。このアニメを1話見るだけで人間が1ヵ月に接種する砂糖を全て賄えるほどの甘さ。 あまりに甘すぎて視聴中口から砂糖を吐きながら見ていた。

主人公とヒロインがもう一生バカみたいにイチャつき続けるだけの作品で、それ以上でも以下でもない。 最初はお隣に住んでいる天使様が訪ねて来るところから始まっていたのに、途中からは開幕主人公の家にいるところから始まっていて、もしかして明言されていないだけで同居始めてたんか?

解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ(A)

このタイトルで面白いわけないだろと思ったのに、蓋を開けて見るとめちゃくちゃしっかりした作品だったの何?

ギャグとシリアスのバランスが取れていたし、テーマに掲げている家族愛が作品全体に通底していた。 いやまさかこのタイトルで「テーマ:家族愛」のちゃんとした作品が出てくると思わんやん。

メインヒロインとさっさと結婚して子供作ってるのとかも、ちゃんと作品として「家族をやるぞ」という気概を感じてよかった。

虚構推理 Season2(A+)

2期の方が1期よりも面白かった。1期はどうしても鋼人ナナセの話が長くてテンポ悪かったんだけど、今期は短めの話が多く作品全体のテンポの良さが光っていた。 特に雪女の話すき。オタクみんな好きだと思う。

ちなみに、虚構推理 Season2 で三大爆笑したセリフは「品性……」「銃弾の峰って何だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」「何と卑俗な……」です。 1つ目と2つ目は両方ともメインヒロインが言われている台詞。

鬼頭明里、これのせいで出てくるたびに「品性」って言われるのかわいそう。

S

吸血鬼すぐ死ぬ2(S)

すげぇよ。ギャグアニメの2期で1期と変わらない面白さなのどうなってんの? 1期もめちゃくちゃ面白かったんだけど、2期のギャグもキレキレで良かった。 ギャグアニメちゃんと面白く作るの結構難しいと思うんだけどすごいなマジで。

お兄ちゃんはおしまい!(S+)

今期一番面白かった S ランクアニメ。基本的にはギャグアニメなんだけど、ずーっと兄妹愛が通底しているのが良いですね。 やっぱり愛、愛ですよナナチ。愛を描いた作品は面白いんです。

作画も声優も良かったし、お兄ちゃんもみはりも可愛かった。 これが「萌え」という感覚か……緒山が悪いんだぞ……

高野麻里佳石原夏織も好きだったので最高の作品だった。

SSS

スパイ教室(SSS)

正直 C に入れるか迷ったんだけど、めちゃめちゃツッコミどころがいっぱいあったので SSS 入りです。

この作品、最初の数話は真面目にスパイ作品をやろうとしていたんだけど、あまりにツッコミどころしかなくてすごかった。 僕は SPY&FAMILY よりスパイ描写が浅い作品を初めて見た。 作中のキャラクターたちは普段本名で呼び合って決め台詞のときしかコードネーム使わないし、もはや超能力に近い能力を使うやつもいるし、ほとんど突然8人目のスパイ出て来るしめちゃくちゃだった。

ただ、途中からはスパイものではなく美少女動物園として見るようになったため、そんなに気にならなくなった。 いや、何というか戦いのステージを下げたから怒られなくなったというか……

声優は無駄に豪華で、マジで有名な若手女性声優を上から順に上げていったら全員20番目以内には入っていそうなレベル。 声優名鑑アニメーションとかに改名しない?

異世界のんびり農家(SSS)

この作品マジですごくて、話を重ねるごとに指数的に女が増えていく。 そこいらの異世界アニメよろしく毎話1人ずつ増えていくとかじゃなく、マジで突如無から10人単位で女が増える。 そして徹底して女キャラしか増えない。あまりに徹底され過ぎていて女が増えるたびにげらげら笑っていた。

作画とか声優はそんなに悪くないんだけど、ただただ無感情に女が増えていくだけの作品なので特に面白くはない。 食べることはできるけど特に味はない。友人の言葉を借りるのであれば、のど越しオンリーみたいな作品。

まあ、C にランクインしている何がしたいのか分からない作品よりは、やりたいことがはっきりしているこの作品の方か幾分かマシかもしれない。

冰剣の魔術師が世界を統べる(SSS)

令和の世に蘇った石鹸枠。いや、マジでこういう作品最近なかったから助かる。 本当に純度の高い石鹸で、本来 SSS に来るのはこういう作品であるべきなんだと再認識させてくれた。 聖剣使いの禁呪詠唱の再来と言ってもいい。

毎話のようにとんちきな展開を挟み込んできている割に、ストーリーやキャラクターの骨子はしっかりしていてすごかった。 なろう産石鹸と言われるゆえんがよく分かる。

突然主人公が長台詞でヒロインの服装褒め始めたシーンとか、意味不明すぎてめちゃめちゃ笑ってしまった。 OP・ED の入りにも謎のこだわりがあったのとか含めて、神クソアニメとしての完成度は非常に高かった。

まとめ

今期はほんとうに冬の時代が到来していて、S ランクアニメもほとんどありませんでした。 こんだけ B ランク以下に集まっているクールもなかなか無いんじゃないかな。

その反動と言ってはなんですが、ちょうどこの4月に始まった2023春クールは面白そうなアニメが多く、今の時点から大量のアニメに追われています。それはそれで困る。

2022秋アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2022秋アニメ(10月~12月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

いや〜今期は豊作でしたね。マジで面白いアニメが大量にあって毎週楽しいクールでした。 この豊作とかいうのガチの豊作で、何と今期 S ランクが8作品もあります。すごい。 しかも A ランクの作品も他のクールであれば S ランクでもおかしくない、まさに粒ぞろいのものばかりです。

これだけ豊作だと来期以降が不安になってしまいますが、まさかそんなわけ(フラグ)

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う(C)

このアニメ、今期一番つまらなかったと思う。 主人公が珍しく順当に善人だったのとキャラクターが可愛かったので、序盤は思わず「面白くないか?」と勘違いしてしまったが、今思い返すと片腹痛い。

途中から特に何の目標もなく主人公が噛ませをボコボコにし、美少女を隷属させていく展開が幾度となく繰り返されており本当に険しかった。 しかも主人公が「これが、ビーストテイマーの力だ!!」とか言ってテイムした美少女たちの力を借りて無双してたのとかも厳しい。

最強種もビーストテイマーも勇者もどういう存在かあんまりよく分からなかった。

B

「艦これ」いつかあの海で(B-)

何ならこの感想を書いている時点でまだ6話ぐらいしか放映されていない。 もうどう考えても制作が間に合っていないのだが、別に制作が間に合っていたとして面白いかは微妙だった。

前回のアニメ化で大コケしていたのに、よくもまあ懲りずにと思っていたが、全体的な作風はそこまで悪くない。 かなりシリアスや史実に寄せていて、キャラクターの可愛さを押し出すというよりは戦場の厳しさとかを前面に押し出したそうな雰囲気を感じる。 提督がちゃんと顔も声も出てきたのとかも結構評価できる。

ただ、前作よりは悪くない止まりで、別に面白くはない。

令和のデ・ジ・キャラット(B)

今は令和ですよ???

なぜ令和にデ・ジ・キャラットのアニメがやっているのか全く理解できない。 何なら平成初期にやっていたバージョンはオレですらまだ見てないからな。当時まだ小1とかやぞ。

この作品、要するにクソアニメではあるのだが、なんか面白いつまらないとかそういう次元で語るべきものではない。 文化的資料。

うる星やつら(B+)

今は!!!!令和ですよ!?!?!?!?!?

デ・ジ・キャラットどころじゃない大古典が出てきてしまった。 デ・ジ・キャラット古今和歌集ならこれは万葉集

当時の古臭さは残しつつも、かなり現代向けにアレンジされていてそういう意味では面白い作品だったと思う。 どうしようもない女たらしの男たち、やたらと色恋に熱い暴力ヒロインたちなど、キャラクターが非常に懐かしさを覚える。 作品自体の面白さはうーん、可もなく不可もなくという感じ。ギャグとか展開が古いけど、まあこれはこれで。

声優は一新されていた。 神谷浩史宮野真守とか、上坂すみれ内田真礼みたいに、個人的には結構似た方向性だと思っている声優が対になる形で共演していて面白かった。

A

恋愛フロップス(A)

以下、ネタバレを多分に含むので、1ミリでも見る気があるなら読み飛ばすことを推奨します。

この作品、中盤ぐらいまでは頭のおかしいヒロインが5人ぐらい現れてあり得ない展開のラブコメが続くという、テンプレを煮詰めたような胸焼けする作品だった。 初手で主人公に惚れるとか、突如同棲が始まるとか、全員同じクラスに転校してくるとか etc...

しかし終盤でどんでん返しがある。 実はそのラブコメ世界が電脳世界であり、5人のヒロインが1体の AI から生み出された人格であったという SF 展開に繋がっていくのである。 序盤中盤でとんでもラブコメをやりつつも微妙に不穏の種はばら撒いていて、満を持して回収した形となり非常に気持ちがよかった。

まあ正直ヒロインが可愛かったのとラブコメパートのイカれ具合がすごかったので、そのままラブコメで終わっても良かったんだけど、ちゃんと SF に持っていったことで話としてはかなり引き締まったと思う。 ただ、ネタバラシをしてからのテンポがやや悪く、徐々にヒロインたちが脱落していく様も予定調和感があって失速してしまったのだけが残念だった。

高野麻里佳金元寿子が出ており、完全にワイ君向けのアニメだった。

アキバ冥途戦争(A+)

「う〜ん、任侠もののアニメ作りたいんすよね」「いや〜でも今どきおっさんがドンパチやってもオタク受け悪いっすよ?」「そうっすね〜じゃあ、登場人物全員メイドにしますか」

そうしてこの作品が生まれた(完全に個人の妄想です)。

この作品、本当に全てがイカれてて良かった。 登場人物全員秋葉原のメイドで、内容がヤクザもの・任侠ものとかいう何をどうしたらその組み合わせが思いつくんだという狂気の沙汰。

1話だけでも見てほしくて、メイドのキャラソンみたいなのが流れてる裏でリズムに合わせてメイドが銃殺されていくシーン面白すぎて吐くかと思った。 こういうトンチキなギャグシーンが定期的に挟まるので、そのたびにゲラゲラ笑ってた。 メイドってなんですか?

サイゲゾンビランドサガとか、こういう何かと何かを組み合わせて作品作るの上手いですね。

チェンソーマン(A++)

いや〜〜〜こいつを S にするかは非常に迷ったんだけど、独断と偏見でここに置いた。

MAPPA が社運をかけただけあって、映像作品としての完成度の高さや豪勢さは目を見張るものになっている。 作画は言わずもがな、声優や楽曲周りもガチガチに固めているし、逆にデンジを新人声優、マキマを楠木ともりにした采配も素晴らしいと思う。

一方でちょっと気合入りすぎかなぁというのも感じた。 チェンソーマンってグロとシリアスの中にシュールギャグが光作品だと思っていて、真面目に作りすぎてシュールギャグ部分が鈍くなってないかなという気がした。 もうちょい肩の力抜いた方が面白いんちゃう?この作品。知らんけど。

普通に面白いけどめっちゃ面白いかと言われるとそこまでもない、ぐらいの評価だった。

S

不滅のあなたへ Season2(S)

なんかもう『不滅のあなたへ』の感想2クール分書いてるし今更書くことないよ……

強いて言うなら、人間らしさを獲得したフシの苦悩が増えてきて、作品としての性質が少しずつ変わってきましたね。

トナリがせっかく出てきたのにシュッと死んだのも衝撃だったし、もう少し引っ張ると思っていたヒサメも早々にリタイアしてカハクに代わるし、この作品結構キャラクターを平気で使い捨てるから情緒バグる。

ただ、ボンが表向きには死んだ人になってしまったけど、王としての器を得て大きく成長した展開とかめちゃくちゃ良かった。 人が変わり、成長していく作品はやっぱり面白い。

夫婦以上、恋人未満(S)

そうそうこういうラブコメが欲しかったんッスよねオブザイヤー 2022 受賞作品

作者が「うーん、ギャルとオタク同棲させたいけど設定考えるの面倒くさいから、高校の授業ってことにしちゃお!w」っつって、ギャルとオタクを同棲させてひたすらイチャコラさせる話。 主人公とギャルはそれぞれ別に好きな人がいて、でも徐々に惹かれあっていって……みたいなのもよくあるラブコメ設定ではあるけど、肉じゃが定食のような安心感はある。

なお、この作品は「徐々に惹かれあっていって……」の部分がなんかすげースピードで進む。 フレンチのフルコースとかって普通1時間とかかけてゆっくり出てくると思うんですけど、なんか入店して着席したらオードブルからデザートまで全部テーブルに同時に出てきたみたいなスピード感。 肉じゃが定食だと思ったら肉じゃが丼だったわ。

このスピード感はちょっと異常なんだけど、ギャルとオタクがやきもきしてていちゃついてるのを見るのは良い気分になるからまあええかとさせてくれる。 アニメの最後でついにギャルの側が自分の気持ちに気付いてイケメン君との恋を終わらせ、オタク君と向き合うことになったのでアニメ後の話が気になりますね。 ちなみにオタク君は本命の清楚女子といまだにイチャコラしており、修羅場は免れません。南無。

あと、声優が大西沙織なのも良いですね。 式守さん然り、この手のカップリングラブコメにおいて無類の強さを発揮している。

Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-(S)

はいはい、どうせきらら……えっ、アニメオリジナル作品?ほんとに?

女の子が集まっておっさん趣味をするシリーズなんだけど、作りがめちゃめちゃ丁寧でびっくりした。 いや、なんというか丁寧なんだよな。全てが。

キャラクターの作り、作画、工作作業の描写の仕方、話の展開などなどなど。 どこを切り取っても突っかかることなくスッと頭に入ってくるし、作品に馴染んでいてすごかった。

ぼっち・ざ・ろっく(S)

みんな大好きぼっち・ざ・ろっく。

もうやばいくらい世間(Twitter のオタクども)を賑わせているが、賑わせているだけあって面白い。 ギャグもそうだし、演奏パートも気合が入っていて良い。 面白さと完成度で言うと、きららの中でも最上級の部類だと思う。

ED で喜多ちゃんが全方位に順々に中指立てるシーン(立ててない)がマジで好きで、何度見ても笑ってしまう。

アークナイツ(S)

原作のソシャゲはちょっとやっていた。 シナリオがかなりシリアスでしっかりしていて面白かったんだけど、いかんせん中華作品ゆえローカライズが甘いところがあり僕は脱落してしまった。 アニメ化にあたってそのあたりの甘いローカライズや描写不足が完全に克服されており、完璧な完成度になっていた。素晴らしい。

アーミヤの絶望顔はいつ見ても良いもの(邪悪なドクター)

異世界おじさん(S+)

前クールで力尽き、戻ってきた異世界おじさん。 途中で中断してまた戻ってきた形なのに、一切その勢いを失わず最後まで走り切ったからマジですごい。

僕は原作を読んでいるんですが、よくもまあ原作のギャグのテンポをあそこまでアニメに落とし込んだなと感動した。 マジで面白かった以外に言うことがない。

不徳のギルド(S+)

正直、今期アニメの中では一番好きだった。

ファンタジー世界で女の子たちがちょっとえっちな目にも遭ったりするギャグアニメなんだけど、このギャグの部分がオレの趣味にぶっ刺さっていた。 生徒会役員共とかのツッコミが好きな人はこの作品も気に入ると思うんだけど、ギャグと主人公のツッコミがキレキレで、ギャグパートで言えば異世界おじさんに負けず劣らずだったと思う。

主人公も不快感がなくいいキャラをしているし、ヒロインたちもかなり魅力的で、世界観や伏線もちゃんと考えられている。 8話あたりにボス戦というか山場があったのだけど、そこでのヨケグモ(ボス)戦なんかは作画解放していてよくできていた。 戦闘シーンかなりよく作られていて、枚数も多いしカメラワークも上手い。あと、主人公が臨戦体勢のときはいつでも動きやすいように常にその場でステップしているのとかも、かなり細かく描写されていて感心した。

大体のアニメは1周しかしないんだけど、このアニメは2周したのでガチで好きなんだと思う。2期来て欲しい。

ブルーロック(S++)

いや〜〜〜〜面白い。

サッカーアニメは前クールのアオアシでかなりハードルが上がっていたつもりだったが、それでもなお面白いと思えたからすごい。 最初は現実味のない設定に少し首を傾げていたが、そこを超えてしまえば主人公の成長・強敵との衝突の繰り返しのサイクルがめちゃめちゃ速くて、それこそ"カオスが極まっている"。

サッカーアニメにおける主人公の特殊能力、だいたい空間認識能力説ない?

SSS

陰の実力者になりたくて!(SSS)

言わずもがな SSS です。

この作品、結構作り自体は真面目なんですが、どう考えてもクソアニメを作るべくして作っています。 枠としてはポプテピに近い。

「また俺なんかやっちゃいましたか?」を一生丁寧に擦り続ける作品で、逆にいえばそれ以外は特に何もありません。 「なぁにぃ!?やっちまったなぁ!」の芸一本で戦い続けるクールポコに近い精神性だと思っていただければ、だいたいの理解としては合っています。

個人的には「アイ・アム・アトミック」のシーンとかは死ぬほど笑い転げていたんだけど、見終わってからすっと冷静になって「いや何でこんな作品で笑ってるんだ?」と後から賢者モードが来ます。 この賢者モードが非常に厳しくて、この作品の後聴感を最悪なものに変えてしまっているんですね。

2クール目は流石に見れない。助けてくれ。

農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。(SSS)

もうなんかいかにもくだらない作品であることがタイトルから透けて見えるんですが、蓋を開けてみると結構面白かったと思います。 枠としてはかなりワルブレ(聖剣使いの禁呪詠唱)に近いと思っていて、意外と設定はちゃんとしているところとか、突如トンチキなギャグを挟み込むところとかの雰囲気はマジでワルブレだったと思います。 まあ、ワルブレほどのイカれっぷりはなかったんですけど。

全体的にありきたりな展開ばかりではあるんですが、それでも話を展開させようという意志があるだけ偉いです。 SSS に入れていますが、どちらかというと神クソアニメに近い枠だと思っていて、本来の由緒正しい伝統的な SSS だと思います。

見て損はないというと完全に嘘なので損はしますが、他の虚無と違っていくらかの味はすると思います。

聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-(SSS)

ゲームである聖剣伝説の30周年企画として鳴り物入りで作成されたアニメ。 鳴り物入りで作られたアニメは大概どうしようもないことが多いんですが、このアニメもご多分に漏れず酷かった。

作画もそんなに安定していないんですが、どう考えても脚本がおかしくて、「このアニメを見て何を楽しめばいいんだ?」という気持ちにさせられる。 主人公は全く成長せずに同じボスキャラに繰り返し負け続けるし、人間関係も大して変わらないし、メインヒロイン(原作の女主人公)はふんわりした動機で裏切るし、もう何もかもがエンタメとして楽しくない。

他にも登場人物が無駄に多い割に役割を持てておらず、途中から何の脈絡もなくフェードアウトしていったりする。 一緒に行動していた探偵役だったり、主人公の弟子として1話で押しかけてきた子供たちであったり……結局なんだったん?君ら。

このアニメ、なぜ最後まで見ることができたのか不思議なくらいつまらなくてこれだけなら C ランクなんですが、SSS に投獄されたのは理由があります。

はい。最終話がやばかったんですね。

最終話、本当にやばくて、突然敵も味方もほぼ全滅して、最後に残った死にかけの主人公とメインヒロインが泣きながら石化していきます。 元々、「特定の条件下で人のために涙を流すと体が石になる」みたいな伏線はされていてその条件を満たした状態で泣いたので石化したこと自体はおかしくはないんですが、クライマックスの展開としてあまりに意味不明すぎて爆笑してしまった。 散々その条件の話してたから泣かないって話じゃなかったのかよ、とか、今までの展開ガン無視して急に泣き始めたのなんでだよとか。

このシーン本当にすごくて、なんか目を話した隙に小さい子供がお店の商品口に中に入れてたみたいな衝撃がありました。

しかもめちゃめちゃにバッドエンドなのに、そのまま ED に入ってしまうとかもかなりめちゃくちゃな体験でした。 「ま、まあこういうバッドエンドな作品もあるよね」と ED の数分間で自分を納得させようと頑張って、なんとか溜飲を下げかけていると ED が終わります。 そして、ED が終わったあと、なんと最後の1カットで主人公とメインヒロイン普通に復活して家に帰宅しているんですね。

は?????

何の説明もなく復活している主人公たちを見て、下がっていた溜飲が口から勢いよく噴出されました。

ということで、流石に SSS 送りです。どうしてこうなったんだマジで。

まとめ

来期は本当に豊作で、S ランクがたくさんあるクールでした。 A ランクに入れているアニメも、他のクールであれば全然 S ランクに入っていてもおかしくない粒ぞろいで、素晴らしいですね。

その反動かは知りませんが、来期アニメはガチでやばいですね。 なんと異世界アニメだけでサッカーチームが組めます。やばいですね、多分9人ぐらいはレッドカードで退場です。

一体僕は何枚のレッドカード(SSS)を出すことになるのか戦々恐々としつつ、来期を楽しみにしています。

『異世界の門』を見た感想

この記事は何

2022年ももう終わってしまう1年の暮れも暮れ、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 僕は相変わらず面白いアニメとつまらないアニメを交互に見て感性を破壊する日々を過ごしています。

さて、2022年を終えるにあたってどうしても1つ触れておかなければならないアニメ作品があります。 いや、アニメかどうかすら怪しいレベルの完成度なので、アニメ作品というラベルを付けることには非常に抵抗があるのですが、一応アニメ作品と呼称しておきます。

そう、『異世界の門』ですね。

この作品、ヤバいヤバいという噂は聞いていたのですが、そのヤバさがちょっと常軌を逸するレベルというか。 もはやアニメ作品としての体裁を保っていないというか、何、その何? アニメ感想を数多く書き残してきた僕ですら言語化に困るレベル。

そんな怪物とも呼べるこの作品の Amazon レビューは驚異の☆1.6。 最低が 1 であることを考えると、ほとんど全員が 1 をつけているわけです。 しかも、5 を付けているのはクソアニメを嗜んでいそうな異常者ばかり。 要するにクソアニメ偏食家とかいう世界の外れ値をレビュワーから除外すると、ほとんど 1 ジャストです。 嘘だろお前、クッキー☆をアマプラで配信した方がまだ評価高くなるぞ。知らんけど。

ちなみにこの作品、完成度の低さは言うまでもないのですが、そのヤバさは必ずしも作品自体の完成度の低さだけに起因するものではありません。

この作品は、堆く積まれたごみの山を必死にかき分けると、なんとその奥底に闇が眠っているんですね。 作品の周辺情報を軽く調べて見ると、何ともまあ制作体制のきな臭さが香り立ってきます。 すごいですね、最近のクソアニメはどうしてこう手を変え品を変えクソコンテンツとしてのアイデンティティを競いあっているんでしょうか。

ということでこの記事では、そんな令和が産んだ化け物『異世界の門』の感想を書いていきたいと思います。

感想

このアニメを語るとしたら、まずはその独特(婉曲表現)な作画方法にあります。 この作品は「ピクチャー・アニメーション」を自称しており、アニメ本編の全てが紙芝居で進行します。

……?

あ、いや作画枚数が足りなくて「紙芝居じゃんこれw」とかではなく、ガチのマジで紙芝居です。

こんな感じのキャラクターたちがこちらを向いた立ち絵のまま、話が進行します。 普段の動きといえば、微妙に Live2D で口元が動いたり体が規則的に揺れるぐらいで、基本的にこの状態から画面が動くことがありません。

紙芝居っつうか、2010年ごろのフリーノベルゲームだろ。

当時はフリーゲームが実況動画など含めて非常に流行っていましたね。 今でこそやや下火ではありますが、フリーのホラーゲームやアドベンチャー、ノベルゲームなんかが日々現れては話題になっていた記憶があります。

さて、2010年の話から2022年の話に戻すんですが、『異世界の門』の戦闘シーンはこんな感じ。

立ち絵が回転したりエフェクトがかかったりはするが、基本紙芝居なので何が起きているかはよくわからない。

もうこの時点でめちゃめちゃに面白くて、最初に見たとき爆笑してしまった。

アニメだと思って見始めたら静止画を叩きつけられた気持ちがお前に分かるか? カレーだと思って口の中に入れたらこんにゃくの味しかしなかったんだぞ。

いや、この作品本当にこのままの調子で24分 × 12話やるんですよね。 ちょっと信じがたいと思うんですが、この作品が令和の世に爆誕し、あまつさえ地上波(チバテレビ)で放映されていたという事実は人類の汚点として語り継ぐべきです。 チバテレビの偉い人、制作に弱みを20個ぐらい握られてたんですかね。

ちなみに、最初は本当に紙芝居ばっかりで何の動きもなかったんですが、話が進むにつれて徐々に動きが増えていきます。 立ち絵を回転させたり、透過させたり、エフェクトをかけたりすることを覚え始め、わずかながら動画と呼ぶべき何かになっていくのは製作者の成長を感じて感動してしまった。 動画編集ソフトの使い方ちゃんと勉強したんだねぇ……えらいねぇ……

失礼。初孫を前にしたおばあちゃんになっていました。

ただ、個人的にはこのピクチャー・アニメーションとか言う方式本当に面白かったです。 作品のほとんどはずっと紙芝居で変わり映えしない画面を作っているんですが、突然光り輝く剣が画面の中央に出てきてぐるぐる高速で回転し始めたりするトンチキが発生するので目が離せないんですよね。 剣がグルグルするシーン、あまりに唐突かつ絵面が面白すぎて何度もリピートしてしまったので他の人にも見て欲しい。 実際他の人に見せたら爆笑してたから、多分人類普遍の感情として光る剣がグルグルしてると面白いんだと思います。

なんか、2話に1回ぐらいこういう異常に絵面がおかしくなるシーンが発生するせいで、脳がバグって最後までこの作品を見てしまいました。 完全に毎回餌が出るレバーは引かないけど確率的に餌が出るレバーは引くようになってしまうアレです。

さて、この作画方式だけでも既に『異世界の門』が常軌を逸していることは十二分に伝わると思うのですが、この作品の異常性は実はそこだけではありません。

もうこの作画の時点でややお察しではあるんですが、声優が本物の素人集団なんですね。 「俳優とかいうの声の仕事においては素人だから〜」とかではなくガチの素人を起用しているっぽくて、公募をかけて募集してきた事務所にも入っていないような素人やネット声優を片っ端から起用しています。

かつては Web 上にオーディション応募のサイトがあったのですが、今はもう消されてしまっているのが悔やまれます。 ネットで拾ったスクショですが、当時のサイトはこんな感じ。

中学生が授業で作る HTML かな?

このサイト本当にやばくて、ここに書かれてる文字全部画像だし、なんかタグの構造おかしいし、応募方法が電話か LINE 経由しかないし、会社の情報どこにも乗ってないし、プライバシーポリシーとか個人情報の取り扱いに関する話もないしで、ダブル役満ぐらいある激ヤバ応募サイトでした。

しかも、何とこの激ヤバサイトで申し込んだオーディションで才能ありと認められると、会社が声優として活躍するためのレッスン(自費)も斡旋(強制)してくれるらしいです。 そのレッスンを通じて声優としての実力を向上させ、さらにアニメに出て地上波(チバテレビ)デビューできるわけです。 いやあ、親切ですね。

ここで聡い読者は気付かれたかもしれませんが、もしかしてこれって詐g……

ま、まあほら、需要と供給ってやつですよ。どうしてもテレビに声優として出たい人もいるので、レッスン代ぐらいは安いものでしょう。

そしてこんな作品に応募する人に当然まともな声優などいるわけもなく、全員が全員棒読みの限りを尽くしたような素人集団の音読会になってしまっています。 唯一、主人公の声優だけはギリ新人声優としてやっていけるぐらいには上手かったのですが、いや逆に何でこんな作品に出てしまったんだ……

ちなみに出演声優が OP や ED を歌っているのですが、その販売タイミングが声優本人に一切共有されていないのとかもめちゃめちゃ笑ってしまった。

これ、「は?私知らされてないんだが?」っていうツイートなのに『異世界の門』公式ツイッターくんが意気揚々と RT してるのどういう感覚してんだマジで。

いや〜〜〜これまでにない新しいクソですね。まさかクソアニメを突き詰めすぎると、法に触れ得るんだなというのは目から鱗です。 「つまらなすぎるクソアニメ、ギリギリ傷害罪だろ」と思っていた僕も、まさか詐欺罪の方で立件されかねない作品が出て来るとは思いませんでした。

この作品の声優関連は闇が深くて、ずっと棒読みだなと思っていたキャラクターが急に上手くなったから「おい!?もしかしてレッスンの成果出てるのか!?」と驚いていたら、単純に声優が交代していただけだったりもしました。 これ以上はどこかから消されそうなので話すのをやめておきましょう。

さて、大体メインのヤバいところは話し終わったんですが、この作品ぶっちゃけどこをどう切り取ってもクソなので「Q. ○○はどうでしたか?」「A. クソでした」としか答えようがありません。 金太郎飴のようにどれだけ切ってもクソの面を拝むことになります。こんにちは、また会いましたね。

一応、他の観点も触れておきたいんですけど、なんか前述した2要素があまりにデカいクソとして眼前にそびえたっているせいで、他のクソが霞んでしまいます。 他の要素についてあまり感情がない。

ストーリーは多分それなりに王道……だったような気がしないでもないでもないです。 というのも、いかんせん絵から伝わってくる情報がなさすぎるせいで何が起きているのか分からず、最終的にあんまりストーリーは分からなかったです。 いや、概要は分かるんですけど、なんか細かいキャラクターの意図とか、立ち位置とかがマジで分からなかった。結構真面目に見てたのに。

この作品、こんな駄作なのに無駄にキャラクターが多いんですよね。 恐らく前述のオーディション詐g……もとい親切なサポートレッスンのために大量の素人声優を集める必要があったんだと思います。 平気で声優を途中交代させてたのも多分それと同じ理由。

しかも12話終わった時点で「俺たちの戦いはまだまだこれからだ!」っつって、生意気にも打ち切りエンドで終わらせてしまったので結末は闇の中です。 せめて四大精霊全員倒すところまではやれよ。何で三体目倒したところで打ち切ってんだよ。両親の裏切りは一体何だったんだよ。魔王っぽいやつの目的は……

いや、やめましょう。こんな作品の結末に1ミリでも感情を動かしているのがバカらしくなってきました。 画面は動かねぇのに。

まとめ

異世界の門』は、もうなんかクソとかの次元を1つ飛び越えてしまった、それこそ "異世界の怪物" ではあったのですが、それでも僕らに教えてくれたことが数多くあります。 たとえば、新人声優でもちゃんと養成所などを出ている人は素人より上手いんだなということや、アニメにおいて絵がちゃんと動くのは大切なんだなということ、そして我々が普段見ているアニメはどれだけ完成度が低いように見えても非常に完成度の高いものであるということです。

いやまあこの作品をアニメと主張する図々しさだけは見習いたいかもしれない。

このアニメに触れてしまうと、世に蔓延るクソアニメなどクソアニメでも何でもないという気持ちになれるので不思議ですね。 また1つ新しい世界への扉、いえ、門を開いてしまったかもしれません。 誰か閉じてくれ頼む。

さて、この作品は完成度は散々ではありました。 しかし、こんな作品だからこそ数多くの学びを得ることもできたのは事実です。 今後一生、この作品を(下に)超える作品は出てこないでしょう。

そして、数多く得られた学びの中で、恐らく最も大切なものは次の1点だと、僕は確信しています。

詐欺には気をつけよう。

ここまで読んでいいただきありがとうございました。

2022夏アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2022夏アニメ(7月~9月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期はつまらないアニメが多くて豊作でしたね。思わず笑ってしまうようなアニメが多く、いたるところで笑顔になっていました。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

プリマドール(C)

悲しい世界観で厳しい境遇にある女の子に歌を歌わせる作り、具体的な見覚えはないのにめちゃくちゃ見覚えがあるの何なんでしょうね。 key お得意のお涙頂戴系だろうなと思って見始めたが案の定その通りの作りで、「どうしてお前はそう毎回同じパターンなんだよ」と思いながらも実家のような安心感があった。

主人公の女の子たちが機械仕掛けのオートマタなんだけど、謎に涙を流す機構が搭載されていたり、感情表現が豊か過ぎたり、他の下位モデルの機械人形を操作するのに歌う必要があったり(!?)、演出上展開上のために作られた不自然まみれの設定に首を傾げまくっていた。

黒の召喚士(C+)

最初はちょっと面白いやんと思って見ていたのですが、途中からは1ミリも面白くなくなってしまいびっくりした。 勇者相手に悪役演じているシーンとかは面白かったんだけど、女神が現身を得て降臨したあたりから本当につまらなかった。

主人公をバトルジャンキーにしたのはキャラが立っていて良かったんだけど、脇役が増えるとバトル要素が分散するせいで唯一のこの作品の良さも失われてしまった。 転生させた勇者がボーイッシュな感じの女の子だったのも、「いや、こいつ男でも良かっただろ」という感想しかなく、マジで女子である理由がない。 最終的にはテンプレまみれの凡作になってしまったの本当に悲しかった。

OP は曲も映像もめちゃくちゃ好き。 かいりきベアマジで良い曲作るようになったな。

B

ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd season(B)

最高にかっこいい OP 楽曲から繰り出される、最高にクソだせぇ OP 映像。ZAQ はキレていい。 何であんなボカロ楽曲の MV みたいな映像なんだよ。

本編は、1期の頃から当面のボスとして出ていた龍園を1クールかけてしばく話。 最終話で綾小路が龍園をぼっこぼこにする場面は作画が本当に良くて良かった。

よう実、すげえ頭脳ゲームっぽい雰囲気醸し出しておきながら最終的には暴力が勝つのほんまか? 龍園が「暴力こそが全てを支配する力だ」って言ってたの全然嘘じゃないじゃん。 暴力至上主義の教室だよこんなの。

とはいえ、全体的に普通に面白かったと思う。

A

RWBY 氷雪帝国(A-)

久々にシャフト節の効いたアニメを見た気がする。 RWBY は元は海外で作られた 3DCG アニメで、本作はその1エピソードを日本のアニメ制作会社が作ったような形になる。

作品の作り自体は結構シンプルなファンタジーだが、全体的なガジェットやオブジェクトデザインが良かった。流石シャフト。

1エピソードを1クールに引き延ばしたので、若干間延びした感はあるがそれでも見ごたえはあった。

金装のヴェルメイユ(A-)

原作のサブタイトルは、「〜崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む〜」。 絶対つまんないだろと思って見始めたらこれがびっくり、普通に……いや普通以上に面白くて驚嘆してしまった。

どうやら原作は漫画らしく、流石にちゃんとしていた。 話の方向性としては『ロザリオとバンパイア』とか『一番うしろの大魔王』とかそのあたりが近いのかなぁ。 一昔前のラノベや少年漫画のアニメっぽさを感じて非常に良かった。

個人的に漫画原作だけあってキャラデザがめちゃめちゃ優れているなと感じた。 アニメの脚本や演出も高水準でまとまっていて、老舗のアニメ会社が作ってるのかしらと調べてみたらこの作品が1作目らしくて「すげー」となった。

やや露骨なお色気描写があるのはご愛敬かな。 ぶっちゃけ僕はお色気描写まったくなくても面白かったと思う。

異世界薬局(A)

異世界転生した薬学博士が薬学知識で無双する話。

主人公は転生時に「病名看破」と「万物生成」というクソアホチートスキルを貰っているので、それなりにチート要素もある。 とはいえ「なんかすごい効く薬」みたいなのを雑に魔法で作るわけではなくて、比較的単純な化学物質しか魔法では生成できずに、そこから先はちゃんと薬学の知識を活かして実際の薬を作っているのは結構偉かったと思う。

万物生成と病名看破の能力、ちょっと間違えると作品を破壊してしまいかねないと思うんだけど、あくまで薬学知識でことにあたるための補助的役割に徹する書き方をしていたのは良かった。 まあ、異世界で薬学無双しようとするともうちょいギャップを埋めるためのもろもろが必要だからね……(ガラスの質が低いとか、ゴムが無いとか)

Wikipedia 知識では無くてちゃんと薬学知識を使っている(ように見えた。僕は薬学知識ないから知らんけど)のもすごく良かった。

あと、脚本家が地味に知っている名前が多くて、さがら総とか渡航とかいて笑ってしまった。生きてたのかお前ら。 大体話が重い週の脚本は渡航が書いてた。

リコリスリコイル(A++)

最初は S でも良いかなと思っていたけど、終盤がちょっと「うーん」という感じだったのでここ。 全体を通じた作品としての完成度は高かったと思う。

物語的にハッピーエンドに持っていくために千束が死なないのは分かるんだけど、それにしたって何も失わなすぎじゃない? 真島すら死んでないのはちょっと大団円が過ぎていて、それこそバランスが取れてねぇよなぁ? 千束が誰かを殺す、リコリスの誰かが死ぬ、先生が死ぬあたりの差し引きはあっても良かったんじゃないかなぁと思っているが、これは好みの問題かな。

あとキャラクターとして千束は好きになれたけど、たきなやくるみをあんまり好きになれなかったとか、百合が好きじゃないとかも作品を高評価できない要因の1つかも。 たきなは流石に千束至上主義過ぎるし、くるみはあんまり信条が見えてこなくてもやってしまった。

ちなみにヒール役やっている松岡禎丞が大好きすぎて、当然真島のことも大好きだったんだけど、タフすぎて流石に笑ってしまった。 お前の才能は絶対耳の良さじゃなくて、死ぬほど殴られてもゴム弾食らってもビルから落ちてもピンピンしてる肉体のタフさだよ。

S

カッコウの許嫁 2クール目(S-)

1クール目のときは「まあ普通に面白いかな?」ぐらいだったんだけど、2クール目になってからかなり面白くなった。

ブコメの割に関係性の変化をかなり丁寧に進めている印象で、関係性がちょっとずつ動いてきてヒロイン同士がやんわり牽制し合うようになってきてマジで面白い。 ヒロインの牽制合戦に嫌なリアリティがあってすごいですね。 こういうの好きだからもっとやって欲しい。 五等分の花嫁の一花が激ヤバムーブしてたのとかもすごい好きだった。

小原好美がこういうラブコメヒロインやってるの珍しいので、貴重な摂取源になっている。 鬼頭明里小原好美がヒロインやってるから実質『まちカドまぞく』の百合に挟まる男の気持ちになれる。

神クズアイドル(S-)

PV を見たときから妙な確信があって、絶対面白いだろこの作品と思って蓋を開けたらちゃんと面白かったので良かった。 ギャグアニメとしては純粋に今期で一番笑ったと思う。

女限界オタクの解像度が高すぎてめちゃめちゃ笑った。 マジでオタクの描写がこの作品の面白さの8割と言っても過言ではないので見て欲しい。

東山奈央の演技も可愛かったし、ちゃんとストーリーもメリハリがあって良かったと思う。

3DCG はまあほら予算がね……

よふかしのうた(S)

OP、ED、挿入歌を含めたすべてが Creepy Nuts の提供楽曲というずぶずぶなアニメ。

元々原作を読んでいたんだけど、良くも悪くも期待通りの面白さだった。

雨宮天とか沢城みゆきとかが結構癖のある演技をしていて良かったと思う。 ちょっと沢城みゆきの探偵さんはやり過ぎかなとも思うけど、沢城みゆきが演技上手すぎてすぐ慣れた。

異世界おじさん(S)

お前……どうして放送延期に……

制作人員が足りずに今クールでは7話まで放送して、来期また最初から最後まで再放送するらしい。 現時点ではめちゃ面白いので待ってるね……

アオアシ 2クール目(S+)

1クール目に引き続きべらぼうに面白い。 優等生すぎて特に言うことがない。

シャドーハウス -2nd Season-(S+)

いや~ちょっと面白すぎますね。 1期の頃から抜群の世界観とキャラクター設定でぶいぶい言わせていたけど、2期で新章に入ってからもまた面白くてすごい。

星付きたちだったり、ケイトと同じようにシャドーハウスに逆らおうとする先人たちが出てきたり、エドワード(笑)の能力が出てきたりとかなり話が進んだ。 シャドーハウスの子供たちの棟の狭い場所でしか生きてこなかったエミリコたちの世界が徐々に広がって来ていて面白い。

3期はよ!!!

メイドインアビス 烈日の黄金郷(S+)

劇場版かな?

原作者監修の補完もありアニメとして完璧な出来栄えだった。とても素晴らしいですね、ナナチ。 6層編をきれいに1クールにまとめていて、起承転結どこをとっても美しかった。

いや~三賢のキャラクターが抜群に良かったですね。 ワズキャンのサイコっぷりとか、ベラフが最後は高潔さを貫いて果てるのとかマジで良かった。 ヴエコほんますき。ああいう陰キャっぽい女の子が好きです。

Engage Kiss(S+)

ラノベアニメっぽさ全開のアニメで、「いや~~~そうそうこういうのでいいんだよ」ってなってた。 ラノベっぽさはありつつ、アニメオリジナル作品なので1クールできれいにまとめていて個人的にはめちゃめちゃ面白かった。

まずね、女の子が全員可愛かったのが本当に偉い。 かなり記号的なヒロインズだったとは思うんだけど、記号もここまで突き抜けてちゃんと描写すれば魅力的なんだなと思った。 脚本家の確かな腕を感じた。

あと、この手のハーレムもので、ガチで主人公がヒロイン全員(妹以外)に手を出してるの新鮮過ぎて笑ってしまった。 主人公の手癖が悪すぎる。 この主人公がありきたりなラノベ主人公かと思いきや、話を重ねるごとにクズエピソードを重ねていくのもバランスが取れていてよかったですね。 なんかクズエピソードも、ギリギリ笑えるレベルのクズエピソードで脚本家のバランス感覚どうなってんねんと思った。すごい。

主人公がクズ過ぎて、クライマックスで主人公がやられて「ざまあみろ!」ってコメントが流れて来るのこの作品ぐらいだろ。

S

咲うアルストロノリア(SSS)

この作品を SSS に入れるべきは本当に迷った。 どれくらい迷ったかというと、こいつの評価に悩みすぎてブログを数日漬けものにしたぐらい。 ただ、最終的にどうしても光るクソとして紹介したかったので SSS にした。

正直、作品の完成度としては全然悪くない。 もし光り輝く1点のクソ要素が無ければ、B~A- ぐらいの評価に収まる女の子たちの日常系アニメだったと思います。

では、何がクソだったかというと、作中の不穏要素が一切回収されずに終わったこと。

この作品、原作がニトロプラスです。 はい。ニトロプラスで女の子たちの日常系というと嫌な記憶が呼び起こされますね。あれ、窓割れてね? まあ、原作を見て邪推するのはあんまりよくないのでそれは抜きにしても、この作品はぶっちゃけ序盤からめちゃめちゃ作中に不穏な要素を挟み込んできます。

まず、OP 映像が前半はパステルな色合いで日常系っぽいのに、後半急にグレースケールっぽくなって敵キャラっぽい人相の悪い男たちが出てきます。 この人相の悪い男たちは本編でも出てきていて、毎話「WARNING!」という赤い文字でシーンが切り替わり、明らかに作風が違う男たちの場面に転換します。 この男たちは異端審問官で、魔女狩り(どうやら主人公たちは魔女)をしているらしいということが徐々に明らかになります。

そして話数が重なるごとに男たちを映すシーンの割合が増えていき、ついに最終話では WARNING の場面転換もなくいきなり男たちのシーンから始まります。 「お、これはついに主人公たちと敵のストーリーが交差して不穏を回収するやつかな?」と思ったそこのあなた。

もうお分かりですね。この作品は別に2つのストーリーが特に交わることなく終わりを告げます。

これ、本当に衝撃的でオレの1クールを返して欲しかった。 何だったんだよマジで。 このオチなら1話で切ってたわ。

この1点が本当に許せなかったので、この作品は SSS 送りになりました。

てっぺんっ!!!(SSS)

まえせつで懲りてなかったのか、また美少女に漫才をさせてしまっているアニメ。どうして。

しかし、まえせつの失敗から学びを得たのか構成が非常によくできていて、直接漫才シーンをせずに日常パートを垂れ流し、最後に「実は今までの話は漫才だったんですよ」というオチを付けて終わると言う形式を取っている。 漫才本体を回想形式にしたことで、つまらなさを低減させる神のメソッドで最初に見たとき関心してしまった。

とはいえ、その要素を含めてもやっぱり全体的に話はつまらなかったのでダメです。

ちなみに、本作で一番面白かったのは放送中止になった話があったこと。 2話の内容が『お笑いトリオ・ヤングワイワイの3人が犯行予告文を拾ったことをきっかけに、大統領暗殺計画を阻止しようと奔走する回』であったため、現実の某事件と時期が重なり放送が消滅した。 めちゃめちゃ不謹慎だけど、放送されなかったことで面白くなるの最悪すぎる。

惑星のさみだれ(SSS)

原作は面白いらしいです。

この作品、面白いとかつまらないじゃなくて、ただただ完成度が低い。 作画、演出、脚本、声優の演技指導などほぼすべてにおいてダメだしできる場所が多すぎる。

作画は言わずもがななんだけど、個人的には脚本と演出が激ヤバだと思っている。 展開がのっぺりしすぎだし、その割に全てが唐突過ぎる。 たぶんこの唐突感は演出がやばいのもあると思っているんだけど、ちょっとどこから手を付ければいいか分からないぐらい悪い。 もう終末医療を勧めるしかない医者の気持ちになっている。

ニコニコで見てるんだけど、最初はコメントで「原作は面白いのに」って書きこんでいた人たちも最近見かけなくなった。 裏世界ピクニックの時もこんな感じでしたね。

転生賢者の異世界ライフ 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜(SSS)

タイトルが役満どころかダブル役満ぐらいある。「転生」「賢者」「異世界」「職業」「最強」でマジで全部入ってる。

本作はあの有名な「俺の魔法の威力がおかしいって、弱すぎって意味だよな?」の原典で、そのシーンを見るためだけにこのアニメを見る価値はある。 ちなみにそこ以外は本当に全編通して無味無臭なので見なくて良い。

本当に最初から最後まで無味無臭だったのすごいと思う。 何か、面白いとかつまらないとかの判断可能なレベルにない。 DAM精密採点で全く歌ってないと「マイクに音声が入っていないため採点ができませんでした」って言われるやつあるじゃないですか?あれです。

強いて言うのであれば主人公の感性が比較的まともよりだったり、ヒロインが全く出てこないあたりはまともだったかもしれない。 まともに無をやっているだけなんですけどね。

無オブザイヤー 2022。

まとめ

今期は驚愕の SSS 4作品というシーズンでした。 SSS のラインナップ、若干いつもよりはパンチが弱くはあるんですが、それでもキラりと光る一番糞であることは疑いようがありません。

「来期もきっと面白いアニメがいっぱいあるよね!ハム太郎!」

「へけっ!来期もどうせ異世界クソアニメまれなのだ!」

2022春アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2022春アニメ(4月~6月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

最近、季節の変わり目になると「アニメのクール終わりますね」とか「まだ書いてないんですね」とか声をかけられることが増えました。 もしかしてアニメの感想ブログ催促されてる?

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

おにぱん!(C+)

このアニメは一言で表現できる。

声優が棒読み

以上。

いや、作画とか音楽、モブの声優などは高い水準であるにもかかわらず、メイン3人の声優がガチのマジで棒読みだった。 明らかに君の彼方より下手。二ノ国やユアストといい勝負。

1話のいかれた良作画は話題になっていたらしいが、ぶっちゃけ僕以外にこのアニメ完走したやつおるんか? 声優の演技の拙さに隠れてるけど、別に内容も面白くなかっただろ。

B

このヒーラー、めんどくさい(B)

由緒正しい B 級ギャグアニメ。この内容でよく24分アニメを作ろうと思ったな(褒め言葉)

ファンタジー世界のギャグアニメなんですが、1話は若干滑っていたものの2話以降は普通にギャグが面白くて良かったです。 毎週1、2回は声を出して笑いながら見られる程度には内容もゆるく、100%ギャグに振っていて良かった。

主人公のツッコミが結構独特なタイプで、生徒会役員共の津田とかが近いかもしれない。僕もよくああいうツッコミをしてしまうので無駄に親近感を覚えた。

BIRDIE WING -Golf Girls' Story-(B)

正直、SSS に置くかはかなり悩んだけど、そこまでぶっ飛んでいるわけではないのでここ。 僕がずっと「プロゴルファー猿」と呼んでいる作品はこれ。

全体的にとんでもゴルフをしていて、演出やセリフがやたらクサかったり、主人公の必殺技「直撃のブルーバレット」などのネーミングセンスが面白すぎてかなりげらげら笑いながら見られるアニメだった。 主人公が必殺技撃つたびにちょっと面白くなるのこのアニメぐらいだろ。

1クールで終わると思っていたのにどうやら2クール目やるらしくて正気か?

魔法使い黎明期(B+)

ゼロから始める魔導の書の続編らしく、それなりにダークなファンタジー。 つまらなくはなかったんだけど、めちゃくちゃ面白かったかと言われると微妙な作品。何だかんだ最後まで見られる程度には面白かったと思う。

前作続編と言いつつ、前作キャラクターは名前が出るくらいだろうと思っていたらめちゃめちゃガッツリでてきてびっくりした。 花守ゆみりが好きなので、花守ゆみりが出てきて僕は大歓喜していた。

あの世界治癒魔法強すぎて四肢切断ぐらいなら秒で治るせいで、暴虐さんが毎回手足持ってかれるの面白くて笑ってしまった。 本当に戦闘のたびに手足持ってかれてるんだよな。 暴虐さん、マジでいいキャラしてたからあいつを使い捨てにしなかったの原作が優秀だと思う。 何ならヒロインのホルトより魅力的に描かれてない?

A

カッコウの許嫁(A-)

こういうラブコメ、1クールに1個ぐらいはあっても良い。

設定自体は結構面白いというか珍しいもので、取り違え子として違う家庭で育てられた男女が実は許嫁であったというもの。 アニメでは結局その設定についてもなんか黒幕がいるみたいな匂わせだけがあってあまり深掘りされなかった。

メインヒロインの魅力は普通。妹(CV:小原好美)はめっちゃかわいかったと思う。 なんか小原好美がああいうツンデレというか若干ダウナーみたいな演技しているの珍しい気がする。 東山奈央は相変わらず負けヒロインしてるのに。

骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中(A)

どーもこんにちは、アークです。

このタイトル、かつての『月が導く異世界道中』をほうふつとさせて絶対つまんないだろと思って蓋を開けたら、なんか普通に面白くてビビってしまった。 まず主人公に不快感が無いのが偉くて、作風もギャグに寄せていたり、ヒロインも1人しかいなくて主人公にべたべたしないというのも良かった。 いや何というか作品全体のバランス感覚が非常に優れていて、「本当になろうか?」と思わざるを得ない。

主人公は最強なので大体のことは一瞬で解決してしまうんだが、何というか主人公の強さに対してヒロインが呆れるという構図があったおかげで不快感無かったな。 これ他のなろう作品だと、主人公の強さをヒロインが誉めそやすと思うんだけど、骸骨騎士のヒロインは「流石アークね(半分呆れ)」みたいな感じなのが良かった。

まちカドまぞく(A)

シャミ子が悪いんだよ。

2期は割とみかんの話が多かった気がする。 1期と同じくらいの面白さで堅実な作りであったと思う。 なんか、良くも悪くも普通に面白かったので、特にコメントすることがない。

勇者、辞めます(A+)

いや~タイトル通りとは恐れ入った。

この作品よく出来ていて、こんなタイトルで最初はギャグ調で始まるんだけど、終盤にどシリアスをぶち込んでくる。 得体の知れなかった主人公の正体や動機が徐々に明らかになっていき、実は異世界だと思っていたこの世界が……みたいなのすごい良い。

オタク君、1話とかで登場したセリフが最終盤に再登場するの大好きなんだけど、このアニメもまさにそれをやっていて良かった。 薄々分かっていたとはいえ、「そうそうこれ!!これだよ!!!!」ってなって狂喜してしまった。

いや~マジでこれについてはこのアニメを最初から見て欲しいな。そのシーンを見るだけでも一見の価値がある。

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(A+)

個人的にはめっちゃ好きだった。

最初は女主人公が転生する系かと思いきや、乙女ゲーのモブ男に転生した主人公がゲームの女主人公やライバルキャラの悪役令嬢とラブコメするような話だった。 恋愛要素についても一瞬で進むような感じではなくて、友達以上ぐらいの関係を二歩進んで三歩下がったりしながら維持していて、割とちゃんと人間関係を描写する気があるなと思った。

あと、ゲームの攻略対象のイケメン貴族たちをモブである主人公がボコボコにするんだけど、そのあとにイケメン貴族たちが徐々に精神的に成長して行くのも良かった。 噛ませのままで終わらせないで自分の弱さと向き合い成長していく、みたいなのをちゃんとやっていて本当に偉い。

人間関係が変化したり、キャラクターが成長する系のお話し好きなので僕にはぶっ刺さった。

じゃあ何で A かというと、作画がめっぽう悪かったです。ほぼずっと崩壊してた。悲しい。

であいもん(A++)

何が面白かったのかと言われると本当に返答に詰まるんだが、何故か面白かった。

親子ものというか、血の繋がりのない父的なロールのキャラと子的なロールのキャラの織りなす人情もの的なあれ。 もし頑張って言語化するのであれば、やっぱり「人」を丁寧に描写しているからそれだけで面白いのかもしれない。

S

可愛いだけじゃない式守さん(S)

概ね大体可愛いだけだったと思う(個人の感想)

いや、式守さんマジで美少女じゃない? なんか創作物における美少女描写って他のキャラも美少女だからあんまり納得感無いことも多いんだけど、式守さんはガチで他のキャラクターより美少女に描かれていてすごい。 なんというか式守さんだけ彩度というか華やかさが違う。

ブコメもやっているんだけど、基本的に軸は青春っぽいので、友情系の話も結構出てくる。 最後をハチミツの深掘りで〆たのも、バランスが取れていて良かった。

ただ1つやべぇなと思ったのはこの作品コンセプトで負けヒロインを出してきたこと。 どう考えても式守さんが既に勝っているこの世界において、後から負けヒロインを出してくるのエグすぎて心が痛かった。 負けヒロイン氏、普段は王子様キャラなのに和泉くんに会うときだけ髪を下ろして来るシーンとかめちゃめちゃ女の子してて泣いた。悲しすぎるだろ。

くノ一ツバキの胸の内(S+)

萌えアニメとはこういうものを指すんですよ。見てるか虚無きらら。

男のいない集落に暮らすくノ一の少女たちがまだ見ぬ男のことを考えながらてんやわんやするアニメ。 久々に「萌え」というものがどんな感覚なのか思いだすことが出来たように思う。 キャラクターが全員非常に可愛いんだよな。キャラデザも優れているんだけど、やっぱり性格とか設定も良かったと思う。

あと、声優が本当にすごい。 今勢いのある新人声優のオンパレードで、この作品の声優陣を抑えておけば向こう数年「オレ、結構声優知ってるよw」って威張れるぐらい。 普通に勉強になる(何の?)。

夏吉ゆう子、いい声をしているからこれを機にもっと出て欲しい。

阿波連さんははかれない(S+)

ブコメ。コメディ色がめちゃめちゃに強い。

頓珍漢な男女が毎度頓珍漢なことをするアニメでめちゃめちゃ笑った。 ライドウくんが毎回喋らない阿波連さんを見て「そうか、阿波連さん、○○なんだね」って何かを察するところから始まるんだけど、この察した内容は大体間違っている。 このフレームワークが良く出来ていて、ライドウが本当にアホなので毎回とんでもないことになる。

こんだけ散々コメディやっていたのに、最後の方はちゃんとラブも思いだしたのすごい。よく忘れなかったな。

SPY & FAMILY(S+)

今さらお前にかける言葉などない。

パリピ孔明(S+)

こんなふざけた題名とコンセプトで中身はド王道だったのすごい。 ギャルだと思って話してみたらめっちゃ普通のやつだったみたいな衝撃がある。

孔明が基本的に未来予測にも近い能力を発揮して全ての問題を解決していくんだけど、最終的には英子やカベの当人たちの力を頼りにしているところとかがすごい良かった。

96猫の歌も良かったですね。ちゃんと歌での演技もしていてすごいなと思った。

かぐや様は告らせたい ウルトラロマンティック(S+)

かぐや様とかいう作れば作るだけ面白いアニメはな。 お前なんか毎年やってない?

いや、3期にしてついぞくっつきましたね。素晴らしい。 逆にくっついてから何やんねんという気持ちも無くはないが、どうせ同じような展開が続くんだろうと思っている(褒め言葉)

4期があるとしたらたぶん石上とかの話が結構進むんじゃないかなと思っていて楽しみにしている。

アオアシ(S++)

いや~見ててよかった。 スポ根は良いぞ。マジで。

超絶天才だけど経験が圧倒的に足りていない主人公が、戦いの中で成長していく爽快感がすごい。

毎回、視聴者にめちゃめちゃにストレスをかける溜めを作る(主人公に失敗をさせる)んだけど、その溜めが大きいからこそ主人公が急成長して壁を乗り越えた瞬間の爽快感が尋常じゃない。 あの瞬間明らかに脳内で変な物質出ちゃってると思う。 マジで麻薬みたいな作品(失礼)

SSS

史上最強の大魔王、村人Aに転生する(SSS)

1話はギャグ調でちょっと面白かったから「もしかして視聴に耐え得るアニメなのか!?」と一瞬でも期待したオレがバカだった。 2話以降は本当にずっとつまらなくて、何でこんなアニメ見なくちゃいけないんだと思いながら見ていた。

今思い返すと2話の展開がほとんど失格紋と同じで笑ってしまう。何の新規性も無い。

あと序盤と終盤で主人公とサキュバスのキャラが違い過ぎて誰やねんお前になってる。 いや、主人公は100歩譲ってまだいいとして、特にヒロインのサキュバスが最初おどおどしてたのに途中からどイキリ散らかすようになっててめちゃめちゃ笑ってしまった。人格急変しすぎだろこいつ。

唯一この作品で感心したのは、主人公が苦戦する敵を作れないから別世界戦の主人公を敵として登場させたこと。 すごい。主人公が苦戦しても許される。何故なら相手も主人公だから。 画面内に主人公が3人映りこんでいてかなり面白かった。

まとめ

いや~今期は面白いアニメが多かったですね。 若干シリアスというか重めの作品が少なかったように感じますが、たまにはこういうクールも良いでしょう。 ラブコメやギャグが多くて非常に良いクールでした。

ブラウザテストを導入する上で考えるべきこと

この記事は何

実は株式会社 HERP で業務委託として Web エンジニアのお仕事をしているんですが、その中でブラウザテスト(E2Eテスト)を導入する業務に携わりました。*1 業務の中で、Autify などのサービスを利用せずに自前(Puppeteer + Mocha)でブラウザテストを構築しました。

実装やら設計を進める中で学びがあったので、ブログという形でブラウザテストの導入において考えておくべきこと、注意しておくべきことをまとめようと思います。 以下の内容は完全に主観と経験に基づくもので、絶対的に良いものでもなければ、ケースによってはアンチパターンを踏み抜いている可能性もあります。 こういった考え方もあるんだな程度に考えてくださると幸いです。

本編

前提

まず、テストの対象となっているアプリケーションは以下のような性質のものでした。

  • toB の Web サービス(4年選手ぐらい)
  • フロントエンドにもそれなりに複雑なロジックや処理が乗っているデータ管理系のアプリ
  • 公式な推奨環境は新しめの Chrome のみ
  • ユニットテストはかなり整っている。

上記のような状態で、アプリケーションの治安としてはかなり良い方だったのではと思います。 ただ一方で、大きなデプロイ前は人手で多くのテストケースの手動テストが必要であったり、よくデプロイ後に主要な機能が動かなくなってしまうなどの課題があり、それらを解決する方法としてブラウザテストを導入したいという話が上がりました。

考えるべきこと

ブラウザテストを導入すると言うのは簡単ですが実は意外と考えるべきことは多いです。 考えるべきこと、というよりは決めておくべきこと、要するに設計が必要です。

ここで言う設計はブラウザテストのコードアーキテクチャに留まらず、テストの設計であったり、ワークフローなども含まれます。

ざっと項目だけ洗い出すと、導入にあたっては以下のような観点について考えるべきだと思います。

  • 何をテストするか(逆に言えば、何をテストしないか)。
  • テストをいつどこで誰が回すか。
  • テスト結果はどのような形式で、どこで閲覧できるか。
  • ブラウザテストのアーキテクチャ・設計をどうするか。

こういった項目の必要性は、 JSTQB のシラバス にも記述があります。

以下、それぞれもう少しだけ具体的に見ていきましょう。

何をテストするか

これは逆に言えば何をテストしないかです。

ブラウザテストは一般にコストが大きいと言われています。 これは、実装が大変であったり、テスト自体が不安定であったり、テストにかかる時間が多かったりといったことを指しています。

そのため、ブラウザテストで何をテストするかを決めることは大切です。 たとえば、色々な入力条件に応じて正常系・異常系が切り替わる場合に、全てを網羅的にブラウザテストで確認するのは現実的ではありません。

まず初めに、ブラウザテストで何をチェックしたいのかを決めると、自ずとテストケースが決まります。 要するにブラウザテストを導入する目的を明確にすることですね。

今回の僕のケースで言えば、「デプロイ前に主要機能について正常に動作するか確認したい」というのが要求としてありました。 この目的を達成するのであれば、「主要機能の正常系について動作確認」が出来ればよいことになります。

まあ、不正な入力時にエラーバリデーションが走るかなどはチェックした方が良いケースもありますが、それは意外とユニットテストで網羅的にカバーできることでもあります。 不正な入力で変なデータが作られるより、正常な入力で正常なデータが作れない方がサービスとしてはまずいという優先度付けをここではしています。

個人的なオススメは、「あるリソースに対する CRUD 処理に対応する正常系のテストケースを1つずつ用意する」です。 たとえば、TODO リストであれば「タスクの作成、タスク詳細の表示、タスクの更新、タスクの削除」がそれぞれ正常に動くことが確認できれば、ブラウザテストの責務としては十分かなと思います。

以上が基本方針です。

それに加えて、どうしてもチェックしたい異常系や、手動で確認するのが大変な複数条件の組み合わせのテストなどを追加するのが良いのではないでしょうか。 コストとの兼ね合いですが、絶対に正常系以外をチェックすべきではないというポリシーではないので必要に応じてテストを増やすのが良いと思います。

テストをいつどこで誰が回すか

テストは回さなければ意味がありません。

まず、「いつ」についてですが、これは諸説あると思います。 まず真っ先に思いつくタイミングとしては、サービスの CI に組み込んでしまうというものがあるでしょう。

ただ、僕はあまりこれはお勧めしません。 先ほども言ったようにブラウザテストは時間がかかり、動作も不安定です。 ちょっとサービスのリクエストが詰まると失敗したり、CI にやたら時間がかかって開発体験が悪化すると思います。 もし CI に含めるとしても、optional なジョブとして定義するようにして開発のワークフロー自体は阻害しないような形で組み込むのをおすすめします。

個人的には、デプロイの前に開発者の何らかの操作によってブラウザテストを回す、というのが良いと思っています。 ブラウザテストの対象は、ローカルでも良いですし、production に出る前の staging 環境 *2 に対してやるでも良いです。 もし staging 環境があるのであれば、Slack 上やコンソール上からぽちぽちボタンを押すとブラウザテストが勝手に staging に対して回るようにしておくとかなり楽ですね。 僕のケースでは、CircleCI 上にブラウザテスト用のワークフローを用意して、 CircleCI のコンソール画面からワークフローを手動で起動してテストを回すような仕組みを用意していました。

このあたりは、何らかのワンショットバッチで実行する仕組みを整えても良いですし、もし余力があれば「ブラウザテストを回すアプリ」なんてのをデプロイしても良いかもしれません。 そこまで行くとまあ Autify 使えよって話になりそうですけど。

誰が回すかについては、基本的にはデプロイを実行する人か動作確認をする人が回すと良いと思います。 繰り返しになりますが、デプロイのフローの中に組み込むイメージですね。

テスト結果はどのような形式で、どこで閲覧できるか。

まずテスト結果の形式について。 ざっくり分けて2つのテスト結果を出力しておくと便利です。

1つはテキストのログ形式。 ここには、テスト名、テストの成否、入力した内容、テストの所要時間、失敗した場合はエラーメッセージ、などが含まれていると良いでしょう。

1つは動画。 これ、スクリーンショットだけでなく動画は絶対にあった方が良いです。 スクリーンショットをパシャパシャ撮るだけだと、テストが落ちた時にどこで何がこけてるのか分かりづらいんですよね。 動画を撮ってると、「うわ、画面の読み込みに20秒かかってタイムアウトしてるじゃん」とかも一瞬で分かるので、動画を録画しておくことを強くお勧めします。

Playwright や Cypress であれば公式に対応している(ぽい。使ったことないので動くか不明)し、Puppeteer であれば puppeteer-screen-recorder なるライブラリなどがあり動画を録画することができます。

次にテスト結果の表示場所ですが、これはどこでも良いと思います。

今回のケースでは CircleCI で回していたので、コンソールのログ上にテスト結果が表示されますし、結果をファイルとして artifact に書き出すこともしていました。 テキストも動画も artifact に吐き出して閲覧できるようにしています。

Github Actions でも似たことはできるんですが、GitHub Actions だと artifact が全部 zip で圧縮されてしまうので、結果の中身を見るためにダウンロードして解凍しなくちゃいけないんですよね…… 以下の issue で議論されてるんですけど、どうやら Github の UI 上の制約らしくてまだクローズされてない。悲しい。

github.com

CircleCI は artifact を zip せずにちゃんと生のままずらっと並べてくれるので、ブラウザ上でファイルを閲覧できて便利なんですよね。

あとは、Slack 通知などで実行結果を通知すると親切 & ブラウザテストのプレゼンスが増してよいと思います。 やや政治的な話として、ブラウザテストは役に立ってるのか立ってないのか分かりづらいツールなので、存在感をアピールしておくと良いです。

他には、Datadog ではテスト結果をいい感じに統計を取ってくれるツールがあるので、それを使うのも良いと思います。

www.datadoghq.com

ちなみに僕は使ったことないんですが、そもそも Datadog もブラウザテスト提供してくれてるらしいです。便利な世の中だ……

ブラウザテストのアーキテクチャ・設計をどうするか。

まず、ブラウザテストは本体のアプリケーションとは全く別のアプリとして管理することをお勧めします。 基本的にブラウザテストはユーザーの操作を模倣して、実際の操作通りにテストを行うことを意図しているので、その実装はアプリケーションの実装には(直接的には)非依存であるべきです。 モノレポかどうかなどで変わるとは思いますが、基本的にはアプリケーションごと分けるのがおすすめです。

ブラウザテストのアプリケーションのアーキテクチャを、今回は以下のようなモジュールに分割しました。

  • Browser Emulator
    • 実際にブラウザの操作を行う実体。Puppeteer であったり、 Playwright の chromium であったり。ブラウザの操作を行うくんとブラウザ自体をひとまとめに扱っています。
    • Puppeteer などのインスタンスをそのまま使うのではなく、BrowserEmulator インターフェースを定義してそれによってラップすることで、詳細な実装への非依存を実現しました。
  • Product Knowledge
    • テスト対象のサービスに対する知識。
    • 要するにブラウザを操作する際のセレクタであったり、アクセスすべき URL であったりがここに含まれます。
  • Test Suite
    • 実際のテストケース群。
    • Browser Emulator と input(操作時の入力。たとえば TODO リストのタスク名とか)を受け取って、ブラウザへの操作を行う関数。
    • 具体的には「このボタンをクリックする、テキストフィールドに文字列を入力する、submit ボタンをクリックする」みたいな処理の流れが書かれています。
  • Test Runner
  • config
    • 各種の設定や、fixture(要するに操作時の入力内容)。

細かい実装の話はここでは避けますが、基本的に上のような分割をして、特に Browser Emulator、Test Suite あたりを抽象化するとたとえば Moche <-> Jest を切り替えるとか、Puppeteer から Playwright に切り替えるとかってなったときも、比較的簡単に移行ができます。 実際、最近 Puppeteer だけでなく Playwright を使う必要があるケースが発生し、差し替えが簡単にできました。

あと、もう少し細かい設計の話で言えば、ブラウザテストのセレクタは可能な限り抽象的かつ人間の感覚に沿ったもの(セマンティック)にすべきです。

たとえば、以下のようなセレクタでは何が何だか分かりませんし、ユーザーもこんな階層構造を意識して普段ブラウザを操作しているわけではないはずです。

#editor-main > div > div.buttons.l-editor-footer.js-editor-footer > div.editor-footer-actions > div.editor-footer-save-buttons > span.editor-save-buttons > button

ここでは、もっとシンプルかつセマンティックに、

button/下書きを更新する

のようなセレクタで表現できるべきです。 実際こうした書き方は(文法は違うけど) Playwright であればネイティブの機能として提供されていますし、Puppeteer でも XPath を用いた黒魔術や Aria Selector で実現できます。

複雑な階層構造に依存したセレクタはサービスの変更に弱いですし、実際にユーザーの操作を模倣するという観点でもまずあじです。

シンプルなセレクタでどうしても要素を選択できない場合は、もしかしたら何らかアプリケーションのフロントエンド構造が悪いサインかもしれません。 WAI-ARIA role などの付与を検討しても良いでしょうし、アプリケーションの階層構造に問題があるケースもあります。 こうしたセレクタの設計は、アプリケーションのアクセシビリティ改善にもつながるので一石二鳥です。

まとめ

本記事ではブラウザテストを導入する際に考えるべきことについて記述しました。 ほとんどが経験則や主観によるものですが、意外とこうした細々とした実装ではない設計などの話は転がっていないのではないでしょうか。

もし、ツッコミや「最高のブラウザテストがあって~」といった話があれば是非教えてください。

ありがとうございました。

*1:ここで、ブラウザテストと E2E テストを一緒くたに扱っていますが、あまり細かい字義にこだわらず、Web サービスに対する E2E テストぐらいに思ってください。

*2:ここは、prodution-test とか dev とか色々呼び方あると思いますが、要するに production と似たテスト用環境