2023冬アニメ を見た感想

この記事は何?

この記事は、2023冬アニメ(1月~13月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

いや~今期はマジで不作でした。 面白いアニメがあんまりなく、全体としてじんわりクソなアニメが多かったですね。僕としてはもっと爆発力のあるクソアニメを見たいんですが、今期は順でも逆でも人に勧めにくい微妙な作品ばかりだった気がします。

いや、マジで順当に太鼓判を押して人に薦められる作品が無くてマジで困る。 もしかしてアニメ業界、もう面白いアニメやり尽くしちゃった?

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、普段のアニメ映画レビューと違ってあまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

アルスの巨獣(C)

この作品、マジで最初から最後までずっと盛り上がらなかったからすごい。関東平野の方がまだ起伏がある。

悲しい過去を持ったやつれたおっさんと無垢な美少女の組み合わせというのは王道っちゃ王道でいいんですが、逆に言うとそのコンセプト以外マジで見るべきところがない。 しかも、この作品の脚本家はたぶん「伏線」という概念を知らないまま脚本を書いているっぽくて、展開の半分ぐらいが超展開で構成されているのもすごい。 驚きのある展開は重要なんですが、その驚きには納得感が必要なんですよね。何でもかんでも逆張りすればいいわけではない。

あれ?でも起伏ないんだよね?と思ったアナタ、その通りです。 この作品は超展開祭りなのに欠片も盛り上がらないという、曲芸みたいなことをやってのけているんです。 光る要素も無いから SSS として昇華も出来ないし、本当にただただダメなタイプの作品だった。

人間不信の冒険者たちが世界を救うようです(C)

この作品、マジでヤバかった。本当に何がやりたかったのか全く分からない。 主人公たち4人組の掘り下げ全然しない割に、一生興味もないサブキャラの掘り下げをしていた。 誰が楽しいんだよその話で。

人間不信要素もだいたい1、2話で解消しちゃうし、そもそも人間不信ならパーティを組むなよ。 というか世界を救う要素はどこ行ったんだよ。意味もねぇサブキャラの掘り下げばっかりしてるからナレーション以外で全然その話出てこなかったじゃねぇか。

算数ベアナックルだけは意味不明過ぎて笑ってしまったけど、全体を通じてつまんないので見ないで良いです。

大雪海のカイナ(C+)

このアニメ、1話の期待値は同じクールの他のアニメたちを突き放して一番高かった。 ……だというのに、まさかこんなにつまんない作品になるなんて、どう作ったらそうなるんだ。

起承転結の「起」の部分にあたる世界観の見せ方や導入は抜群に良かったのに、そこからの展開があまりにつまらなすぎて欠片も物語が加速しなかったの未だに信じられない。 しかも何かアニメが11話で終わったんだけど、「え?これで終わったの???」という終わり方でマジで消化不良だった。 どうやら完結編の映画?をやるっぽいんだけど、あまりに残念な作品だったし見に行く機運が高い。

全体の完成度で言えばそこまで低いわけでもないとは思うんだけど、1話の期待値からの落差があまりにひどいのでここになった。

B

氷属性男子とクールな同僚女子(B)

めっちゃ面白いというわけではないけど、恋愛ものとして1クールに1個ぐらいはこういうの欲しいよねという気持ちになった。 設定やら展開にあんまり捻った部分はないので、純粋に人々の恋愛模様を楽しめるかどうか。

トモちゃんは女の子!(B)

古の Web 漫画のアニメ化。原作を読んでいたので、まさかこのタイミングでアニメ化するとは思わなかった。

ブコメの中でもキャラクターたちにしっかり尖りがあって良い。 キャラクターたちにそれぞれの思惑とか感情があって、それをもとに行動しているちゃんとしたラブコメ

とんでもスキルで異世界放浪メシ(B)

これ絶対クソつまんないチート異世界転移系の作品だろと思って蓋を開けてみたら、ただの孤独のグルメだった。 イオンのネットスーパーと正式にコラボしているせいで現実の商品が実際に出てくるあたりとか、ヒロインが一切出てこなくて犬とスライムだけ連れ歩いてひたすらメシ作ってるあたりとかが割と良くて、普通にそこそこ楽しんで見てしまった。

MAPPA が作ってるから料理作画も良く出来ていて「うわぁ、なんだかすごいことになっちゃったぞ」って感じだった。

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん(B+)

今までにないタイプの作品設定で、マジでタイトル通りで恐れ入った。 全体的にキャラクターが魅力的に描かれているし、ヒロインのリーゼロッテがちょっと頑なすぎるところはあったけどストーリーの流れ自体も悪くなかった。 終盤の展開がちょっとゴチャついてたけどご愛嬌かな。

石川界人の相手が花澤香菜で「花澤香菜、まだヒロインやっとるんかい」となったけどこれはオレが悪い。

便利屋斎藤さん、異世界に行く(B+)

最初はちょっとテンポが悪くて微妙かなぁと思ってたんだけど、徐々にキャラクターたちが出揃ってからは面白かった。 明確に主人公は決まっているんだけど若干群像劇のテイストがあって、複数の物語が重なり始めて加速し始めた。群像劇はこれがいいですよね。

特に、モーロックが覚醒してピンチの主人公たちを助けるシーンは作画も演技も爆発していてめちゃめちゃ感動した。 シーン単位で見れば、今期でも指折りの完成度だったと思う。

最後の最後でギャグをぶち込むバランス感覚も良かったし、最序盤さえ乗り越えればかなり良い作品だったと思う。

A

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件(A)

見る砂糖。このアニメを1話見るだけで人間が1ヵ月に接種する砂糖を全て賄えるほどの甘さ。 あまりに甘すぎて視聴中口から砂糖を吐きながら見ていた。

主人公とヒロインがもう一生バカみたいにイチャつき続けるだけの作品で、それ以上でも以下でもない。 最初はお隣に住んでいる天使様が訪ねて来るところから始まっていたのに、途中からは開幕主人公の家にいるところから始まっていて、もしかして明言されていないだけで同居始めてたんか?

解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ(A)

このタイトルで面白いわけないだろと思ったのに、蓋を開けて見るとめちゃくちゃしっかりした作品だったの何?

ギャグとシリアスのバランスが取れていたし、テーマに掲げている家族愛が作品全体に通底していた。 いやまさかこのタイトルで「テーマ:家族愛」のちゃんとした作品が出てくると思わんやん。

メインヒロインとさっさと結婚して子供作ってるのとかも、ちゃんと作品として「家族をやるぞ」という気概を感じてよかった。

虚構推理 Season2(A+)

2期の方が1期よりも面白かった。1期はどうしても鋼人ナナセの話が長くてテンポ悪かったんだけど、今期は短めの話が多く作品全体のテンポの良さが光っていた。 特に雪女の話すき。オタクみんな好きだと思う。

ちなみに、虚構推理 Season2 で三大爆笑したセリフは「品性……」「銃弾の峰って何だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」「何と卑俗な……」です。 1つ目と2つ目は両方ともメインヒロインが言われている台詞。

鬼頭明里、これのせいで出てくるたびに「品性」って言われるのかわいそう。

S

吸血鬼すぐ死ぬ2(S)

すげぇよ。ギャグアニメの2期で1期と変わらない面白さなのどうなってんの? 1期もめちゃくちゃ面白かったんだけど、2期のギャグもキレキレで良かった。 ギャグアニメちゃんと面白く作るの結構難しいと思うんだけどすごいなマジで。

お兄ちゃんはおしまい!(S+)

今期一番面白かった S ランクアニメ。基本的にはギャグアニメなんだけど、ずーっと兄妹愛が通底しているのが良いですね。 やっぱり愛、愛ですよナナチ。愛を描いた作品は面白いんです。

作画も声優も良かったし、お兄ちゃんもみはりも可愛かった。 これが「萌え」という感覚か……緒山が悪いんだぞ……

高野麻里佳石原夏織も好きだったので最高の作品だった。

SSS

スパイ教室(SSS)

正直 C に入れるか迷ったんだけど、めちゃめちゃツッコミどころがいっぱいあったので SSS 入りです。

この作品、最初の数話は真面目にスパイ作品をやろうとしていたんだけど、あまりにツッコミどころしかなくてすごかった。 僕は SPY&FAMILY よりスパイ描写が浅い作品を初めて見た。 作中のキャラクターたちは普段本名で呼び合って決め台詞のときしかコードネーム使わないし、もはや超能力に近い能力を使うやつもいるし、ほとんど突然8人目のスパイ出て来るしめちゃくちゃだった。

ただ、途中からはスパイものではなく美少女動物園として見るようになったため、そんなに気にならなくなった。 いや、何というか戦いのステージを下げたから怒られなくなったというか……

声優は無駄に豪華で、マジで有名な若手女性声優を上から順に上げていったら全員20番目以内には入っていそうなレベル。 声優名鑑アニメーションとかに改名しない?

異世界のんびり農家(SSS)

この作品マジですごくて、話を重ねるごとに指数的に女が増えていく。 そこいらの異世界アニメよろしく毎話1人ずつ増えていくとかじゃなく、マジで突如無から10人単位で女が増える。 そして徹底して女キャラしか増えない。あまりに徹底され過ぎていて女が増えるたびにげらげら笑っていた。

作画とか声優はそんなに悪くないんだけど、ただただ無感情に女が増えていくだけの作品なので特に面白くはない。 食べることはできるけど特に味はない。友人の言葉を借りるのであれば、のど越しオンリーみたいな作品。

まあ、C にランクインしている何がしたいのか分からない作品よりは、やりたいことがはっきりしているこの作品の方か幾分かマシかもしれない。

冰剣の魔術師が世界を統べる(SSS)

令和の世に蘇った石鹸枠。いや、マジでこういう作品最近なかったから助かる。 本当に純度の高い石鹸で、本来 SSS に来るのはこういう作品であるべきなんだと再認識させてくれた。 聖剣使いの禁呪詠唱の再来と言ってもいい。

毎話のようにとんちきな展開を挟み込んできている割に、ストーリーやキャラクターの骨子はしっかりしていてすごかった。 なろう産石鹸と言われるゆえんがよく分かる。

突然主人公が長台詞でヒロインの服装褒め始めたシーンとか、意味不明すぎてめちゃめちゃ笑ってしまった。 OP・ED の入りにも謎のこだわりがあったのとか含めて、神クソアニメとしての完成度は非常に高かった。

まとめ

今期はほんとうに冬の時代が到来していて、S ランクアニメもほとんどありませんでした。 こんだけ B ランク以下に集まっているクールもなかなか無いんじゃないかな。

その反動と言ってはなんですが、ちょうどこの4月に始まった2023春クールは面白そうなアニメが多く、今の時点から大量のアニメに追われています。それはそれで困る。