2024春アニメ を見た感想

この記事は、2024年春アニメ(4月~6月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期は有名ソシャゲのアニメが漏れなくつまらないクールでした。どうしてこんなことに……ソシャゲのアニメ化はやはり難しいんですね。 それ以外ではシリーズもののアニメが面白く、あまりダークホースのような爆発力のある作品はなかったクールでした。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。
B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。
A:順当に面白い。良作。
S:めっちゃ面白い。覇権枠。
SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、あまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

アイドルマスター シャイニーカラーズ(C-)

もしこのブログに D ランクがあるのであれば間違いなくぶち込んでいたと確信するぐらい、本当に最初から最後までびっくりするぐらいつまらないし、創作物として楽しむ部分が欠片もない。 何でよりにもよって今期最もつまらないアニメがアイマスなんだよ。

このアニメ本当に薄味過ぎる。自然派ママでももうちょい味付けするだろ。 何度思い返しても本当にほとんど何事も起きなかった。水の呼吸 十一の型か?

多分、作品全体の表現の意図としては「アイドルたちのライブまでの密着ドキュメンタリー」みたいなものをアニメとして作りたかったんだろうけど、あまりにその表現の仕方に失敗している。

特に酷いのが作中の「間」である。 作中、登場人物たちが分かり合ってる様子を表現するためか、謎の間が続くシーンが頻発する。一例をあげるとこんな感じ。

キャラA「(何かを伝えようとするが曖昧な表情のまま言いよどむ)」

キャラB・C「(キャラAが何を伝えようとしているかを察し微笑む」

キャラA「(伝わったことに気付き)フフッ」

キャラB・C「エヘヘ」「うん!」

ワイ「は???」

これあまりに多すぎて後半は出るたびに笑ってた。キャラ同士が通じ合うに至るまでの描写もほとんどなく、納得感もない。

原作ちゃんとやってるワイですらこう感じているので、原作未履修の人間が見たらまず何が起きているかを把握できないと思う。

2期やるらしいんだけど、どうにか許してはもらえませんか?

B

ブルーアーカイブ The Animation(B-)

何でブルアカのアニメを面白くなく作れるんだ。 流石にシャニよりは面白かったけど、そこまで大差はない。

先生のキャラクターとしての魅力・描写不足と、戦闘シーンのテンポ悪・説得力不足あたりが結構この作品に悲しみを背負わせてしまっている感じはある。 その2つが改善されるだけでももうちょっとマシだったのではなかろうか。

OP は楽曲映像ともにめっちゃ良い。

Unnamed Memory(B)

序盤はかなり面白かったんだけど、途中から激烈に失速した。

失速理由としては恐らく1クールでキリ良く終わるために原作をとんでもなく端折っていること。 僕は別に原作を読んでいないが、それでもなお原作の展開を端折ったんだろうなと分かるぐらいにダイジェストだし場面が唐突に変わる。

どんくらいダイジェストかというと、最終回24分の間に主人公が前触れなく魔法具の力で過去に飛び、突然「この魔法具の力で過去を変えると、未来は分岐しない。俺のいた未来は上書きされ、俺自身も消滅する」って言い出してヒロインと離別する。

そのスピード感で一体どういう情緒で受け止めろと?『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』でも24分にそこまで話詰め込んだら泣けねぇわ。

この作品は、ヒロインのティナーシャが自己犠牲をしてオスカーを助けつつ最終的にはイチャコラする、というのが基本の流れなのだが、あまりにその1ループが短い。ワンパターンすぎる。

最終話にオスカーがティナーシャを助け返して、今度はティナーシャがオスカーを追いかける形になるのは話の構成としては良いんだが、いかんせん脚本としての持って行き方が悪い。

心の中の某ロボットが「もっと丁寧に作ればいいのに……」って言っていた。

終末トレイン(B+)

この作品を見ると同じく水島努作品の『迷家-マヨイガ-』を思い出す。 ちなみに『迷家-マヨイガ-』は割としっかりクソアニメだったのでヒヤヒヤして見ていたが、『終末トレイン』は割と水島節を効かせつつよくまとまっていたと思う。

基本的にはとんちきアニメーションなので笑いながら見れるんだが、微妙にホラーっぽい描写もあるなどしていて、不気味な世界を作るのはよくできている。

全体的に各話ごとにテーマというか、微妙にメッセージ性のあるものが多かったのも悪くない。

ただ、「変わらないものはない」「変わることを恐れない」というメッセージ自体は悪くないが、最後に直接キャラクターに言わせるのはやや説教くさいと感じた。このあたりはまあ好みもあるかも。

A

鬼滅の刃 柱稽古編(A)

オレは一体何度鬼滅のアニメの感想を書けばいいんだ。

柱稽古編、明らかに最終章の準備の章であり既存キャラの深掘りのために設けられた章で、どうアニメ化するんだろうと思っていた。蓋を開けて見るとモブ隊士などとの絡みもかなり原作より増量していて頑張っていた。

鬼滅ぐらいの王者ともなると、クールの途中から放送するみたいな無茶なスケジュールも組めていいですね。

怪獣8号(A)

これほどまでにアニメ化について微妙な反応しか聞こえてこない作品があっただろうか。

怪獣8号のアニメ化について言及している人間、だいたいが「まあ、序盤は面白いからね」「1期までならギリギリ面白いところまでで終わるんじゃないか?」みたいな反応で、ようこんな中でアニメ化したな集英社という気持ちでいた。

蓋を開けてみると近年のジャンプアニメよろしく抜群に作画が良く、気合は入っていそう。

まあ、アニメでやっている範囲はまだ面白かったな、うん。

じいさんばあさん若返る(A)

このアニメ、Twitter で原作の漫画をちらっと読んだことがあっただけだったので、ほんまにアニメやるんか?とやや戦々恐々としていた。 しかし蓋を開けてみれば、割と毎週楽しんで見れたし、最終話まで特にペースダウンすることなく走り切ったのでマジで偉い。

じじばばの若返りギャグを中心に、家族愛や少年少女たちのラブコメも織り交ぜていてやや群像劇っぽいテイストではあったと思う。 主役以外のキャラのスポットライトの当て方という意味では、『徒然チルドレン』とか『スキップとローファー』とかが雰囲気近いかも。主人公じじばばなのに。

最終話、とんでもない終わり方したので2期とかやる気マジでなさそう。 マジでとんでもなさすぎて「ええええええ!?!?!?」って叫んでしまった。

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます(A)

この作品を A ランクとして評価しなくてはいけないことが本当に心苦しい。 あまりにこの作品に高評価を付けたくなさ過ぎて、食戟でソーマの飯食べたときの叡山みたいな顔になっています、今。

基本的には主人公が圧倒的魔法の力で無双する(し、その力を周囲には隠している)系のいつものやつなんだけど、この作品については「主人公の異常性」と「敵キャラの悪辣さ」の2点が極めて抜きんでているために作品として面白くなってしまっている。本当に悔しい。

前者については、主人公の魔法に対する強い執着が常軌を逸しており、ちゃんと視聴者から見ても「こいつ異常者やな」ってなっているのがすごい。俺は頭おかしいぜヒャッハー!つってナイフを舐めてるチンピラみたいな浅い感じじゃなく、ガチで頭がおかしい。『本好きの下克上』の主人公みたいなもん。

加えて、中盤以降の敵キャラがかなり悪辣かつ強力で、主人公陣営が洒落にならないピンチな状況に陥るため、普通に主人公の活躍にカタルシスが発生してしまっている。特に9話から最終話にかけての魔人との戦いはストーリー構成含めてマジで良く出来てた。うぎぎぎぎ。

ギャグは本当に面白くないが、真面目にアニメ作品としては完成度が高かった。許せん。

ワンルーム、日当たり普通、天使つき。(A+)

日本が誇る萌えアニメ。見てるか世界。これがクール・ジャパンだ。

空から女の子が落ちてきてラブコメをする話、マジで5億回擦られてもなお良い。

遠野ひかるの声好きなので頑張って欲しいし、集貝はなももっと出演作品増えて欲しい。

S

この素晴らしい世界に祝福を!3(S)

このすば2期、もう5年前とからしい。うせやろ?

めぐみんのスピンオフのアニメは微妙だったが、流石に本編は面白い。

このすばにしては珍しく割とシリアスな展開をしっかりとやっている章だった。 なぜか分からんが少年漫画みたいな熱い展開が繰り広げられ、いい意味で「本当にこのすばか?」ってなっていた。これがギャップ萌えか。

オレが死ぬまでに完結までアニメやってくれるんだろうか。頑張って欲しい。

ゆるキャン△ 3rd Season(S)

このすばと一緒で、人気過ぎて3期やってるアニメ。

制作会社が変わったことで雰囲気やキャラデザがやや変わっていたので不安だったが、安定の面白さだった。セーフ。

WIND BREAKERS(S)

不良が喧嘩するアニメ。

主人公たちは正義の不良みたいな存在なんだけど、どうしても正義の不良とかいう存在が抱える矛盾を認められなくて「何でやねん」とはなってしまう。

そこにだけ目を瞑りさえすれば作品自体は面白い。キャラも立っているし、展開も熱い。作画で言えば特に喧嘩シーンの殺陣が本当によくて、戦闘シーンというくくりで見るなら鬼滅とかと並び得る気持ちよさがある。

そして抜群に声優が良い。売れてる男性声優図鑑。

変人のサラダボウル(S)

はがないの作者である平坂読ラノベ作品。アニメの脚本も平坂読本人が務めている。

異世界から女の子が現世に来て主人公と出会い……というとよくあるラノベや漫画の設定なんだけど、現代風にアレンジしつつ適度にオリジナリティもあって面白かった。何が面白かったのかあんまり言語化できないんだけど、たぶんキャラが立ってたんだろうな。

この手の作品で異世界から飛んできた女の子が異常な速度で現世に順応するパターンあるんだ……ってなった。 凡百の作者なら現世に順応できない女の子の描写で2、3巻使うと思う。

狼と香辛料(S)

今年って2008年でしたっけ? なぜ令和にもなって狼と香辛料を放映しているのか、これが分からない。いいぞもっとやれ。

恥ずかしながら狼と香辛料は未履修だったんだけど、やはり名作と名高いだけあって面白かった。 古のラノベは良いものである。

今期一番かわいかったヒロインがホロなの、マジでいつの話をしているんだ。 未だに戦場ヶ原ひたぎに「惚れ~」とか言ってる化石オタクをバカにできなくなってしまった。

無職転生Ⅱ(S+)

いや~~~何とは言わないけどアニメで一番見たかったシーンを見ることができて大満足でした。何とは言わないけど。

それとは別のシーンだけど、まさかルーデウスが親になるシーンをアニメで見られるとは思わなかったな。長らくオタクをやってみるもんですね。

忘却バッテリー(S+)

今期一番面白かったかもしれない。面白すぎて道行く人全員に勧めてる。 さあこれを読んでいる君も今すぐに『忘却バッテリー』を観るんだ。

挫折や事情を抱えた人間たちが紆余曲折ありながらも甲子園を目指すという話自体はべたではあるものの、記憶喪失の捕手というオリジナリティと、個々のキャラクターの深掘りの上手さがこの作品を”べた”の一歩先へと後押ししている。

もはやなんか普通にスポーツアニメ好きという説がある。

SSS

lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ(SSS)

今年って2008年でしたっけ?Part2

いや、何故令和の時代に主人公日野聡、メインヒロイン釘宮理恵の作品が世に出てくるんですか? しかも OP を釘宮理恵がキャラソンで歌っているとかいうめちゃくちゃな時代錯誤です。

そこだけならギリギリ「まあ人気声優だしな?」と思わなくもないんですが、その2人を除いても田村ゆかりは出てくるし、堀江由衣もいるし、川澄綾子もいてもうおしまいです。極めつけには高橋美佳子……高橋美佳子!?!?!?!?マジで10年ぶりに名前見たわ。

この異常な古株声優の中に、山根綺や稗田寧々などの新人声優たちが混じっておりかなり収録現場の空気感が気になる。 親の同窓会に付いて行った子供みたいないたたまれなさなのではなかろうか。

声優の話しかしていませんが、内容自体は普通によくできていました。

神は遊戯に飢えている。(SSS)

ライアーライアーの再来じゃん!とキャッキャしていたんですが、蓋を開けてみたらライアーライアーより遥かにつまらなかった。

この作品本当にすごくて、マジで出てくる全てのゲームで欠片も心理戦要素無かったし、ゲーム自体のルールも面白くないし、何の納得感も無いまま終わってしまった。

心理戦”風”のゲーム”風”の何かを見せられていただけでしたね。『神っぽいな』の歌詞じゃねぇんだぞ。

これに比べればライアーライアーの方がまだ「敵はこういうチートアビリティを持っているので、こういうハッキングで裏をかきます」というある種の意外性みたいなものはあった気がする。 ライアーライアー、流石にこの手のゲーム系の作品だと最底辺だと思っていたんですが、まさかこれより下があるとは……世界は広い。

最後の4話、本当に何を楽しめばいいのか分からない作者の考えたソウルライク MMORPG みたいなゲームを攻略する様を延々と視聴させられたのとかかなり信じがたい。

これ原作小説らしいんですけど、アニメでさえこのつまらなさなのに、文章で読んだらどうなってしまうんだ。

出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした(SSS)

この作品、別に面白いところは全くないんですが、蒼井翔太の存在感と異常な作画だけで爆笑してしまっていた。

主人公が蒼井翔太、サブヒロインに愛美という時点でもうどっかの会社の影がめちゃくちゃにチラつくんですが、案の定OP・EDを2人が担当しておりまあそうですよね。

蒼井翔太、どういう演技指導を受けているのか知らないんだけど明らかに作中でテンションがおかしくて、周りの人間が感情的になっているのに一人だけラジオ番組みたいな話し方をしていた。温度差ありすぎだろ。

作画も基本的に悪くて、特に最終話はすごかったですね。 平均値花子とかいもいもぐらい崩壊していて、絵面のとんでもなさに目が離せませんでした。 いや、マジで毎秒崩れていたせいでずっと笑ってた。

まとめ

今期、クソアニメだと思っていたアニメが化けたと思えば、クソアニメだと思っていたアニメがクソアニメのまま終わった作品もあり、バランスの取れていたクールでしたね。いや、そんなバランスは取らなくていいんだが?

とはいえバリエーションは豊かにあって良かったと思います。