2024夏アニメ を見た感想

この記事は、2024年夏アニメ(7月~9月)を見た感想をランク付けしてまとめたものです。

今期は光るクソ枠と呼べるアニメがあまりなく、つまらないアニメが順当につまらないという絶望のクールでした。 光るクソだと思って手に取ったらただのクソだったアニメなどもあり、本当に最悪です。

強いて言えばノーマークであった作品が最終覇権を取るなど、ダークホースが潜んでいたのだけがこのクールの最後の良心だったかもしれません。

ランク付けはざっくりC~SSSです。 各ランクの大体の指標は次のような感じです。

C:順当につまらない。アニメ化した理由が不明。ただのクソ。 B:普通ぐらい。面白くないわけではない。つまらなくもないけど、B級の域を出ない。どちらかと言えばクソアニメかも。 A:順当に面白い。良作。 S:めっちゃ面白い。覇権枠。 SSS:きらりと光るクソ。

注意点として、ネタバレがあるし、僕個人の感想だし、好みをすごい反映しているし、あまり文章を練っていないし、普通にディスっています。

感想

C

しかのこのこのここしたんたん(C)

光るクソだと思って手に取ったらただのクソだったアニメ。

OP が異常にバズった時点でやや嫌な予感はしていたが、本編は何も見どころがなかった。 24分間常に滑り散らかしていて、ギャグがつまらない銀魂を見ている気持ちしかない。OPだけ見ればあとは帰ってもらって大丈夫です。

特に鳥海浩輔のナレーションが本当にこの作品の滑り芸を高みへ押し上げている。あれがなかったらまだギリギリシュールギャグとして耐えていた説がある。

魔道具師ダリヤはうつむかない(C)

最初の数話だけ面白かった。3話ぐらいで婚約破棄されるところで「あ、これなろうなんだ」というのにようやく気付いた。

ほぼほぼアトリエシリーズ。婚約破棄されるぐらいまではストーリーにも起伏があって面白かったが、それ以降は本当につまらなくてびっくりした。 つまらないというか、なんかそれ以前の話でマジで話の展開が存在しない。虚無きららと同じぐらい日常系アニメだった。

別にダリヤとヴォルフの関係性が発展することもなければ大した事件もなく、婚約破棄した相手がもう一回やっかみにくるとかもない割に、一生水虫を治すための五本指ソックスがどうとかの話をしていた。 お前も五本指ソックスを履かないか?

なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?(C+)

この作品、そんなに変なことはしていないはずなのになんか最後まであんまり面白くなかった。 別にヤンキーとかでもなく授業には毎回出席しているのに何故か成績の悪い学生みたいな哀愁がある。

一昔前のラノベという感じで、謎の多いヒロインと出会った主人公が、改変された世界の謎を解き明かしていくというもの。

設定自体は割と面白いが、キャラクターの魅力不足は感じる。特にメインヒロインが致命的に魅力がない。 幸が薄く、主人公が好きであるという以外にあまりに特徴がない。

伏線をばら撒くばかりで1期の間に特に回収されることがなかったのもこの作品の評価を下げていると思う。

B

女神のカフェテラス2期(B-)

なんかサブヒロンが突然5人増えて、しかもそのうちの2人が花澤香菜とか竹達彩奈で実質五等分の二の花嫁になっていた。

本編は1期の終盤の面白さはどこへやら、大して関係性の進展などもなく「う~ん」という感じ。 話もおおよそがヒロインたちの家族にスポットを当てたものばかりで、あまり変わり映えがしない。

ヒロインたちの下ネタが結構下世話で、作者のおっさん臭が漂ってきたのが本当に厳しい。

真夜中ぱんチ(B)

YouTuber もののアニメ。YouTuber をテーマにした作品、僕は初めてかもしれない。

YouTuber x 吸血鬼、という組み合わせは面白いが吸血鬼要素がそんなにめちゃくちゃ作品の面白みを増していたかというとそこまでかな。 単なる YouTuber ものだとぱんチに欠けていたとは思うので、不可欠ではあったとは思う。

長谷川育美のこれだけドス効かせた演技、初めて聞いたかもしれない。

俺は全てを【パリイ】する〜逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい〜(B)

こんなバカげたタイトルの作品だが、「また俺何かやっちゃいましたか?」を本当に丁寧に擦り続けるギャグアニメで割と好きだった。

実は原作がまだ日間ランキングに乗り始めたぐらいのときに読んでいたことがあるんだけど、当時からおもろいギャグ作品が来たなと思っていた。 作者は真面目に書いてるけどギャグになってしまっているとかじゃなくて、ちゃんと作者もギャグであることを意図して書いているから偉いんだよな。 アニメでもそれをちゃんと理解した作りになっていて良かったと思う。

これだけ「また俺何かやっちゃいましたか?」をしているのに主人公に嫌味がない。良い塩梅。

疑似ハーレム(B+)

早見沙織劇場。クール、ツンデレ、妹キャラなど早見沙織がころころと演技を変え続けるアニメ。早見沙織を聞きたければこのアニメを見ろ。

本編はラブ要素強めのラブコメだった。あまり障害とかもなくすっとヒロインと主人公(?)がくっつく。「?」がついているのは、どちらかというとヒロイン(CV:早見沙織)の方が主人公で、男の方は主人公ではなくヒーロー役だったのではという気持ちもある。

強いて言うと、ヒロインが主人公(?)を好きになる理由がちょっと弱いけど話の本筋ではないです。

義妹生活(B+)

あんまりコメディしていない恋愛もの。 面倒くさい主人公と面倒くさい義妹の2人が何だかんだと関係を深めていく話。

展開は非常に丁寧で、湿り気強めの空気感の中でじっとりと話が進む。いや、にしても湿度高いな?

演出がかなり凝っていたのは良かったと思う。こだわりを感じた。

異世界スーサイドスクワッド(B+)

序盤はめちゃくちゃ面白かったけど途中から失速したかなぁ。

アメコミ x 異世界という、マジでよう思いついたなという組み合わせの作品で、ハーレクイン含めたアメリカンなキャラクターたちが異世界でドンパチする。

アメコミの面白さと異世界の面白さを最初は上手く組み合わせて調理しているなと感心していたが、本筋のストーリーが大味なのもあって途中からあまり没入できなかった。まあ大概のアメコミや異世界は大味ですよと言われたら反論できないけど。

天穂のサクナヒメ(B+)

農業アニメーション。お米を作るのって大変なんだね……

農業要素もそれなりに扱ってはいたが、どちらかというとキャラクターの深掘りや人情ドラマ、戦闘シーンなどに重きを置いていて「まあアニメ化するならそうっすよね」という感じであった。個人的には農業に振り切ってみたバージョンのサクナヒメも見てみたいが、あまりに需要がなさそう。

A

小市民シリーズ(A-)

順当に面白かった、ぐらい。すごく惜しい。

10年近く前に原作小説を読んでおりアニメ化と聞いて楽しみにしていたので、ハードルが高かったのが良くなかったかもしれない。

実はあまりアニメという媒体と相性が良くなかった、とかもあるかもしれないんかなぁ。いや~なんというか惜しかった。全然悪くはなかったんだけど。

異世界失格(A)

どう見ても太宰治にしか見えない希死念慮の塊みたいな文豪が異世界に転生する話。

そもそも主人公が現世で女と心中しようとしているところにトラックが突っ込んでくるところから話が始まり、この時点でもう一発ネタみたいな作品だと思うんだけど、なんと蓋を開けてみると最後まで意外と面白かった。

人間の善悪についての一定の価値観が表現されていたり、悪人にも最後には反省と救いが待っていたりと、いかんせん人間ドラマを上手い具合に組み上げていた。 やはり太宰モチーフだけあって人間の感情の機微というものに聡く、自分自身が落伍者であることを認識しながらもそれを棚に上げて滔滔と説教をする場面が多く、存外これがカタルシスを生んでいた。

時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(A)

別に作品としてそんな面白かったかと言われればそんなでもないが、キャラクターの個性と異常なまでの作画の良さにより、なんか情報量が多くて満足してしまった作品。

本当に作画がずっと良くて、動画工房のすごさを実感した。

なあ、これができるなら何でおさまけはあんな感じになっちゃったんだよ。

ATRI(A+)

今期一番かわいいヒロインは ATRI です。

ヒューマノイドの女の子が出てきて活動限界が~みたいな泣ける設定マジで2010年代に死ぬほど見た気がするが何度見ても良い。プラスティックなメモリーを思い出しますね。

ATRIと主人公、まったく恋愛関係とかに発展しないだろうなと思っていたんだが、なんか突然恋愛話に発展して「そうなんですか!?!?!?」って叫んでしまった。最終的には恋愛というより家族愛?に近い形に落ち着いたあたりもバランス感覚がある最近らしい作品だなと感じた。

S

2.5次元の誘惑(S)

かわいくて面白かったです2クール目も楽しみです(脳みそが溶けている顔)

逃げ上手の若君(S)

松井優征、漫画書くの上手すぎるンゴねぇ。打率が高すぎる。

史実をベースにしつつも、少年漫画として上手い具合にフィクションが織り込まれていて堅実に面白い。 話の盛り上がりを作るのが抜群に上手くて、このあたりは流石に暗殺教室などを作っていただけある。

敵キャラクターが異常に立っているのも、ネウロしかり暗殺教室しかり作者の持ち味という感じ。 何食ってたら身体に蟻這ってるおっさんを敵キャラとして出そうと思うんですか?

推しの子2期(S+)

舞台編、マジで毎話のように全員が覚醒していてとんでもない章だった。 特にめるとが覚醒するシーンが良すぎて、普段アニメを2回以上観ることないオタクくんも思わずリプレイしてしまった。

なんか全体的に面白すぎて特に言うことがないんだけど、何言えばいいと思う?「何を言えばいいと思う?」じゃないんだよな。感想ブログの姿か?これが。

OP 映像のルビーが頬に指当ててるシーンとんでもなくかわいいなと思っていたら案の定 Twitter でバズってて笑顔になった。

負けヒロインが多すぎる!(S+)

最初に謝罪させて欲しいんですが、正直舐めていました。

視聴前はイケメンに振られたヒロインたちが主人公に惚れるタイプの軟派なラブコメだと思っていたが、蓋を開けてみたら12話終わってもヒロインたちから主人公への矢印があるかどうかも分からないレベルですごい。丁寧な作品。

1人目のヒロインをギャグっぽく振らせておいて掴みをやりつつ、2人目、3人目はめちゃくちゃ丁寧に人間関係を描写して振る展開を描写していた。 振ったあともそこで人間関係が終わるわけではなく、その後の苦しみ、葛藤などもたくさん描かれていて本当に良かった。青春やこれが。

最後の最後で、主人公が自分の振る舞いを咎められるのも、傍観者であった主人公がちゃんと当事者に巻き込まれた瞬間で良かったですねぇ。

この作品、全然題材違うのになんかテイストとしてはすげー俺ガイルとかに近いと思うんだけどどう思う?

SSS

VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた(SSS)

ついに VTuber ものがアニメになる時代が来てしまったか……

人類史の進展を喜ぶべきか悲しむべきか分からないが、少なくともこの作品がアニメとして世の中に出てきたことについては真顔で受け止めるしかありません。

Cに入れるどうかめちゃくちゃに悩んだんですけど、まあ流石に突出してつまらなかったしなと SSS にぶち込みました。

僕もそれなりに VTuber の配信や動画は見ているんですが、この作品は VTuber カルチャーの良くないところを詰め込んだような作品で、極めて文化資料としての価値が高い作品ではある。この作品を見れば VTuber 文化における配信者・視聴者双方の「キモいな……」という部分が一通り味わえます。いや、もっと美味しいところ味わった方がいいよマジで。何で珍味だけピックアップして出しちゃうんだよ。

なんか、最初は作者は VTuber 好きなんだな~と思っていましたが、あまりに偏見が酷くて逆に作者 VTuber 嫌いだろと思い直すことになった。

青鬼は許可取れたらしくてそのまま出てきたのに、Project Winter は許可取れなかったのかパチもんのゲームとして出てきたのが面白かったです。

まとめ

今期、SSS たりえる突出したクソアニメと呼べるものはほとんどなかったと思います。 VTuber もかなり苦慮の果てに SSS にぶち込んだ自認があり、胸を張って SSS と評価できているわけではありません。

負けインは完全にダークホースとして話題をかっさらっていきましたが、全体的には落ち着いたクール(婉曲表現)だったなぁ。

来期は実りの秋よろしく大量に覇権候補がいそうで、大変楽しみですね。