鬼滅の刃 無限列車編 を見た感想

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この記事は何

がっかりさせてしまうかもしれませんが、この記事はクソアニメレビューではありません。 いや、そんなことでがっかりしないで欲しいというのが僕の本心ではありますが……

鬼滅の刃 無限列車編』はどこをどう切り取っても完成度の高いアニメ映画で、本当に面白い作品でした。 やはり、叩いても叩いても埃の出てくるような塵芥作品 *1 とは格が違いましたね。

ちなみに誤解の無いように申し上げておきますと、ここで言う「面白い」というのは、「面白い」という意味です。 何故か僕の「面白い」という言葉を素直に受け取れない人たちがいるので、一応付記しておきます。

↓何故か僕の「面白い」という言葉を素直に受け取れない人たち↓

さて、この記事の楽しみ方は以下の2つを想定しています。

  • 自分以外の人間が『鬼滅の刃 無限列車編』にどのような感想を抱いているかを見て「へー」ってなる。
  • 普段クソアニメを見ている人間が、面白いアニメのレビューを書くとどうなるのかを観察する。

繰り返しますが、クソアニメではなかったため普通のレビューです。 また、僕が前に書いた二ノ国やユアストのレビューを読んでから本記事を読むと、楽しみ度が上がるかもしれません。

hilinker.hatenablog.com

hilinker.hatenablog.com

この記事では、無限列車編だけでなく鬼滅の原作やアニメ本編なんかの感想もまとめて書かれています。 そのあたりのネタバレも含むので、まだ原作などに触れていない方は読まない方がいいと思います。

僕と鬼滅の刃との出会い

強くなれる理由を知った (『鬼滅の刃』主題歌『紅蓮華』LiSA より)

なんか文章を引用から始めるとそれっぽくなる気がしたのでアニメ本編の主題歌のワンフレーズを引っ張ってきましたが、特に意味はありません。 ちなみに、僕は鬼滅の刃はアニメ本編(以下、アニメ)から入った新参です。 意味分からんバズり方をするよりは早い段階でこの作品と出会っていましたが、かといってアニメ化前から作品を推していた訳ではないです。

当初、アニメを見ていた感想は「ufotable はやっぱり戦闘作画が映えるなぁ」ぐらいでした。 特に技のエフェクトがすごいかっこよくて、「さすがオレたちの ufotable だぜ! 脱税しちゃったけど!」みたいなことを考えてました。 ただ、作品の内容に関しては「面白いとは思うけど、非凡というほどではないかな」と思っていました。 いや、こんなこと言ったらマジで鬼滅ファンに刺されそうですが。 最近の流行りっぷりを見ると、街中でもし迂闊にも鬼滅をディスるような発言をすれば、どこからか日輪刀が飛んできて滅多刺しにされる可能性があります。 あの世界の人間は何のためらいもなくぽんぽん刀折るしぽんぽん刀投げるので、鬼滅に感化された人間もきっと日輪刀を投げてくるはずです(偏見)*2

放送当初はたぶん、僕と同じぐらいの温度感の人が多かったんじゃないですかね。 面白いとは思うけど、まあ...ぐらいの。 後方彼氏面オタクというか、「鬼滅...あー、いやまあ中の上ぐらいかなぁ...あ、いやオレは好きなんだけどね、ただめちゃくちゃ面白いかっていうと。まあ、人は選ぶかな」みたいなことを早口で言ってる人間が多かった印象があります。

ただ、このアニメ、19話で化けたんですよね。 この回は、禰豆子が覚醒して炭治郎がヒノカミ神楽で下弦の伍を倒そうとするシーンなのですが、演出が秀逸だったのもあり19話がめちゃくちゃにバズったイメージがあります(イメージ)。 それ以降話題に上がることが増え、今のように大流行を見せるようになった感じがしますね。

いま振り返ってみても、やはりアニメの19話はターニングポイントでしたね。 僕もあのシーンは「おー、すげー」と思わず立ち上がって拍手喝采していました。 僕でさえこのありさまなので、きっとマックの女子高生も褒めていたと思いますし、職場の外国人も核心を付いたコメントをしていたはずです。知らんけど。

この19話が放送されたあたりで、アニメ本編が無限列車編の手前ぐらいで終わることを知り、単行本を買い始めました。 原作もちゃんと面白くて良かったです(まる)

いや、ボキャ貧かこいつ?と思われるかもしれないんですけど、順当に良かった作品ってわざわざ言葉を尽くす必要も無く「面白かった」で終わりなんですよね。 クソコンテンツほど言葉を尽くさなきゃいけないので、大変なんです。 まあ、手のかかる子ほど可愛いという言葉もあるので、僕はクソコンテンツが好きなんですが(は?)

原作の感想を細かく書いてもいいんですが、地球上の3人に1人ぐらいが鬼滅の感想をどっかに書いてるだろうし、別に僕が書かなくてもいいかなと思ったので書きません。

鬼滅の刃 無限列車編 の感想

さて、ようやく本題である映画の感想です。

ストーリー的なお話

原作読んでる人は分かるかもしれないんですが、無限列車編(大嘘)でした。 全部で120分ぐらいの映画なんですが、だいたい1時間ちょっとで下弦の壱くんが首刈りされちゃうんですよね。 残りは全部、煉獄さん(と上弦の参 猗窩座)のパートです。 名前がキャッチーなので「無限列車編」にしたと思うんですけど、後半のインパクトが大きいんでみんな上映終了後には列車と下弦の壱くんのことを忘れてそう... まあ、彼の存在は悪い夢みたいなものだったのでしょう。グッバイ、下弦の壱くん...名前覚えてないけど、なんだっけ? 前座くんだっけ?

映画全体の展開は原作をかなり忠実に再現してて偉いなぁとなりました。 まあ、逆に忠実過ぎて「そうだね…」という感じになってしまったのもありますが、これは期待が高すぎたんだと思います。 おい、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』、なに笑ってんだお前。お前はもっと原作に忠実に作れよ。

原作に忠実とはいえ、ちゃんとアニメ映画としても緩急(映画なので急多め)がついていて、良かったと思います。

絵的なお話

作画は、めっちゃ良かったです。 ufotable なので期待していたのですが、期待通りでした。 指の本数を数える余裕がないほどキャラクターがよく動くし、戦闘シーンも雑に線で誤魔化さずにめちゃくちゃ動いてました。

僕は実は許せる作画のハードルが低くて*3二ノ国ですら作画は普通にいいと思ってました。 だって、普段見てるアニメが、こんな感じなので…

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こんな感じ1
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こんな感じ2
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こんな感じ3

改めて見ると本当に味のある作画たちですね。 いつ見ても笑顔になれる、至高の作画たちだと思います。 杏寿郎、お前もクソアニメ好きになれ(「俺と君では価値基準が違う」って一蹴されそう)。

しかし、改めて今回作画の良いアニメ作品に触れて、僕は大切なことに気付かされました。それは、


「やっぱりアニメの作画って大切なんだな」ということです。


ルフィがいたら「当たり前だ!!!!!(ドン!!!)」って怒られそうですね。

でも、やっぱり作画がいいと作品としてのステージが何段階も上がりますね。 表現の精度や彩度が上がるというか、臨場感や没入感が段違いです。 いやまあ、作画が悪い作品もある種制作現場の臨場感は伝わってくるんですけどね……

いずれにせよ、ありがとう鬼滅の刃。お前は、オレが鬼になり果てて忘れていた大切な事実を思い出させてくれた。 たぶん、今僕からはめっちゃ感謝の匂いが漂ってると思う。

閑話休題

個人的には、炎の呼吸のエフェクトをめちゃくちゃ楽しみにしていたのですが、やっぱりかっこよかったです。 中でも不知火、昇り炎天あたりは画面映えがすごかったですね。

ただ、これは原作も悪いんですが、「さっきの型とこの型、何が違うんですか?」みたいな感じのものがあったのがやや残念です。 エフェクトや動きでもう少し差異を出せたんじゃないかなぁとも思っていますが、まあ難しいですよね……

以下は、くだらない難癖です。

途中で運転室が肉壁のボウルみたいな形状に変わるのですが、なんというか作画の都合だなぁと感じました。 ただの運転室だと狭すぎて動けないので、ボウル状にすることで広さを確保して動かしやすくしているんだなというのが透けて見えてしまってちょっと嫌でした。 あと、炭治郎と伊之助が空中に吹き飛ばされて落下しながら戦うシーンがあるんですが、明らかに吹っ飛んだ高さと落下している高さが合っていなくて「空間の歪み!!!」ってなりました。

クソアニメばっかり見ていると、こういう粗探しが得意になってしまって嫌ですね。 逆に言えば、これぐらいしか粗がなかったのでめっちゃ良かったと思います。

音的な話

映画館の爆音で技の SE を聞くのは気持ちが良かったです。 これだけでも映画館で見る価値はあります。

それと、声優も良かったですね。 あ、ここから先の文章は、オタクが早口でまくし立てているのを想像しながら読んでみてください。

やっぱり深夜アニメの映画化だけあって、声優は本業の声優がやっていてとても良かったです。 というかアニメ映画に本業声優じゃない人起用するのやめろ。よしんば本業声優じゃなくともある程度上手いやつ起用しろや。

これはアニメ本編からそうなのですが、メインを花江夏樹下野紘松岡禎丞日野聡がやってるのがやはり強すぎる。 日野聡も含めて、「主人公声優三銃士を連れてきたよ!」「主人公声優三銃士?」って感じですね。 モブも中堅どころ以上の声優を使ってて「おいおいマジかよ」ってなっていました。 上映中も声優推定がキュイキュイ回ってましたね。 煉獄さんの幼少期がCV伊瀬茉莉也とか、煉獄弟がCV榎木淳弥とか、結核モブがCV江口拓也なの当てたの偉くないですか?

猗窩座のCVは声を2文字ぐらい聞いた時点で石田彰だと分かったのですが、最初は結構違和感ありました。 ただ、石田彰の演技が上手くて5分ぐらいで「っぱ、猗窩座のCVは石田彰しかねぇんだわ! お前もそう思うよな、ハム太郎!!」「へけっ、その通りなのだ!!!」ってなりました。 やっぱり石田彰はすごい。1つのソシャゲで46キャラクターも演じただけはある *4

ただ、ちょっと笑ってしまったのが、最後のシーンで柱たちが煉獄の訃報を受け取るシーンです。 順番にワンカットずつ出てきて、煉獄の訃報に一言ずつ述べているのですが、恋柱(CV:花澤香菜)だけセリフがなくて笑ってしまいました。 いや、こんなところで笑ってるの僕だけだと思うんですけど、「花澤香菜、ギャラ発生せず!」みたいなことを考えていました。 原作ではここ恋柱と霞柱だけセリフないんですが、映画では霞柱は(記憶が正しければ)何か言っていて、恋柱だけ無言だったので「おいたわしや...」ってなりました。

まとめ

久々に、本当に原義面白い(真)アニメ映画を映画館で見た気がします。 何でオレは「面白い」という言葉にここまで修飾をしないと、本来の意味で「面白い」って言葉を使えないんだ?

今回、レビューを書いていて面白かったのが、自分は「面白いアニメは減点法で、クソアニメは加点法で」見ているということに気付いたことです。 よくよく考えればそれは妥当というか、東大で男子の人数数えるより女子の人数数える方が楽、みたいな話だと思うんですよね。 まあ、単純に逆張りなだけという説もありますが。

ユアスト、二ノ国に続き、僕の中に大きな爪痕を残していった作品に敬意を示し、この記事を締めくくりたいと思います。

蛇足

ちなみに上映中に一番笑ったのは、本編上映前に放送されるCMで、約束のネバーランドの実写が流れてきたときです。 何故か笑みがこぼれてきました。

*1:https://hilinker.hatenablog.com/entry/2019/09/05/221902

*2:これを買って、君も日輪刀を投げよう! https://toy.bandai.co.jp/series/kimetsu/item/detail/11583/

*3:『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』『俺、ツインテールになります!』あたりがギリギリ許せるボーダー

*4:https://dengekionline.com/elem/000/000/745/745858/

ネット縛りでポケモン図鑑を埋めた話

進化条件絶対許三銃士を連れてきたよ! 進化条件絶対許三銃士?*1

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ぶっちゃけここに乗ってないやつでも許してないやつはいる

この記事は何

つい先日、ポケットモンスターソード・シールドが発売され、世間を賑わせましたね。 購入された方も多いのではないでしょうか。 今作はポケモンの大幅リストラがあり、新ポケ含めて総勢400体のポケモンのみが登場する作品になっています。 発売から数日でメインストーリーをクリアした僕はこう思いました。

400匹ぐらいならポケモン図鑑を埋めよっかな。

あ!せっかくだし、ネットで情報調べるの縛ろ!w

このときは「ポケモンとか言うの、言うて簡単に集まるやろ~(へらへら)」みたいに楽観視していたのですが、この後地獄を見ることになります。

この記事は、僕がネットを縛ってポケモン図鑑を全て埋めきった軌跡を、キツかったポケモンとともに振り返るものです。

ちなみに僕が最後に遊んだシリーズはブラック・ホワイトであり、そのあとのポケモンはほとんどまったく分からないです。 また、ブラック・ホワイトまでのシリーズでもかなりの部分を忘れていました。 それを踏まえて読んでいただけるとありがたいです。

また、ポケットモンスターソード・シールドのネタバレがあるのでご注意ください。

ネット縛りとは?

これが割と雑な定義なんですが、個人的には以下の定義としています。

インターネット上にあるポケモン出現情報、進化情報、入手手段などを能動的に調べることを禁止する。

まあ、抜け穴は色々あるわけですが、何となく僕個人が満足する範囲で縛っていました。 これ以外にもいくつか個人的に課していた制約を述べます。

  • ポケモン出現情報、進化情報、入手手段について能動的に人に聞く。
  • 人から交換で所望のポケモンをもらう(ただし、盾限定*2、通信進化、御三家は除く)。
  • マジカル交換連打。
  • 知人に用意してもらったレイドバトルに参加する(たまたまネットに接続して流れてきた野良レイドに入るのは可)。
  • ときかけやレイドリセマラなどバグ・裏技を利用した行為。

このあたりは縛っていました。

しかし、人からヒントをもらうことは縛っていませんでした。どこまでがヒントなのかは難しいですが、周りの人の塩梅に任せていました(皆さん適切なレベルのヒントをくれてありがとうございました)。

キツかったポケモン

キツかったポケモンを順に並べていきます。後ろに行くほどキツかったです。

ゴロンダ

ヤンチャムLv60にアメを上げて61に上げたときに進化しなくて絶望しました。 友人に「あんな良い子のヤンチャム君が、普通にレベル上がっただけで進化するわけないんだよなぁ」とか言われて、妄言だと思って切り捨ててたら実はこれが大ヒントでした。

これを試したら進化しました。 この進化条件をきっかけに、こんな感じでひとまず考え得る全ての条件を重ね合わせてレベルアップをさせる奇行が目立つようになります。

奇行

ミミッキュ

図鑑に載っていなかったせいで、存在を認知するまでに時間がかかりました。図鑑上でコータスの1つ下にいるため、当初はコータスが進化する説を推していました。 ミミッキュがレートでよく使われていることを知っていたので、マジカル交換で来る読みでマジカル交換したら一瞬で来ました。*3

パンブジン

初期に進化させようとしたポケモンなのですが、その頃はポケモンに慣れていなかったので、通信交換であることが分かりませんでした。 でも、友人がヒントとして「バケッチャテロというものがありますね」とか言ってきたの、マジで許してないからな。全然分からんわ。

ミツハニー

図鑑には乗っていたので分布を見ればすぐ捕まるはずだったのですが、「うららか草原」が「はれ」のときのみしか出現せず、延々天気待ちをさせられました。このタイプが最も無。

ヤトウモリ・エンニュート

ミツハニーと同じ。「ストーンズ原野」が「ひざしがつよい」のときしか出現しません。 あまりに晴れないせいでぶちギレていたときのツイートがこちら。

ワイルドエリアの生態系を破壊してでも図鑑を埋めようとする、ポケモントレーナーの鑑ですね。

しかも、さらに罠があって、ヤトウモリはメスしか進化しないらしいですね。僕は一匹目に捕まえたヤトウモリがたまたまメスだった、かつ、図鑑に載っていたエンニュートがメスのみだったためメスオンリー仮説を立てていたので、引っかからずに済みましたが、人によっては沼りそうで最悪だなと思いました。

ボクレーオーロット

そもそも、図鑑にはホップくんの出したオーロットしか載っておらず、進化前が存在するかすら知りませんでした。 が、「進化前が存在する、かつその進化前がルミナスメイズの森で出てくる」という一点読みをぶち当ててボクレーを捕まえました。 その後ぜんぜんオーロットに進化しなくて悲しい気持ちになったが、試しに交換に出したら一瞬で進化しました。

ヒンバスミロカロス

ヒンバス出ねぇ!!」

毎日のようにワイルドエリアで釣りをし続けていたのだが出ない。 図鑑に載っていないのでそもそも分布を見ることができず、マジでワイルドエリアの釣り堀を手当たり次第に釣っていた。

ある日、友人にタウンマップを見せたところ「博士の家の横の湖行ってなくない?僕はそこで釣ったけど」と言われ、そこで釣りをしていたら出た。 後で分布を見たら、そこでしか釣れないっぽくて、虚無になった。

そして、ヒンバスを釣りあげてほっとしたのも束の間、ミロカロスへの進化方法が分からない。 僕の記憶はルビー・サファイアで止まっているので、こんな感じのことを呟いていた。

うつくしさを上げるカレー、景品表示法に違反してそう。

そんなこんなで、僕は進化条件に2つの仮定を置いた。

  • 努力値を振り終えた状態でレベルアップ
  • なつき進化

まあ、実際は「きれいなウロコ」を持たせて通信交換なんですけどね。

……

持ってねえよ、んなアイテム!!!

持ってないアイテムを使う系の進化、マジで分からないからやめて欲しい(?)。 最終的には、「なんかワイルドエリアで泳いでるミロカロス見たよ」という言説を信じ、延々ワイルドエリアの水辺を周回することでミロカロスを直接捕まえました。

アップリュー

「持ってねえよ、んなアイテム!!!」第二弾。 カジッチュ進化させたいのに、何でカジッチュを供出するイベントこなさなくちゃいけないんだよ。 専用アイテム進化、そのアイテムを持っていないと交換進化と同じぐらいキツいんですよね。

ネギガナイト

全然分からなくてこれを試そうとしていたところ、Youtubeのオススメ動画のサムネでネタバレされた。「主人公を回転させて進化w きゅうしょを三回当てる!?」じゃねえんだよ、ゴミが。ネタバレされたショックで精神的にキツかった。

シュバルゴ

「電気エネルギーに 反応する 不思議な 体質。 チョボマキと ともに いると 進化する。」

モスノウ

ブラッキーと同じ進化条件、素で抜くの無理だろ。 たまたま友人たちと夜に遊ぶ機会があって、「ユキハミ連れて歩いた方がいいよ」と言われて何となく時間進化であることを察してレベルアップしたら進化したが、その機会が無かったら一生進化しなかったかもしれない。

カラマネロ

こいつのせいでその後の進化条件の探索空間が広がった。

時系列的にはこいつの後にユキハミを進化させようとしていたのだが、こんな感じのことを呟いていた。

付いてるわけねーだろ、バカか。

デスバーン

終身名誉クソ進化条件ポケモン

周りの人間に「絶対に分からない」「人に分かるようにはできていない」「今公開されてる情報内部リークだろ」「もし自力で進化させたらなろう小説100万字書きますよ」と言わせしめた怪物。

全然進化しないせいで、まあ当然こうなった。

1週間ほど唸っていたが、最終的にもらったヒントは以下の通り。

  • 複数(2個?)条件がある
  • レベルではない
  • ある程度のレベルは必要
  • 目に見える数値が関係している
  • 特定の場所が関係している
  • 戦闘が必要
  • 1レベデスマスを連れて1番道路からずっと旅をしていればワンチャン進化する

これを踏まえて、僕はゴーストタイプ・地面タイプに関係ありそうな場所として、「6番道路・8番道路」だとあたりをつけて、色々な検証をしていった。

なつき度、レベルアップはもちろん、色々なアイテムを使おうとしたり持たせたりしてみたし、色々な技も覚えさせてみた。だが、一向に進化しない。 この頃になると、デスマスのことで頭がいっぱいになり、夢にもデスマスが出てきた。

あまりの進化しなさに、一度は心が折れそうになった。

だが、僕には大切な仲間たちがいた。彼らの叱咤激励が僕を励ましてくれた。

好き勝手言ってんなこの人ら。

そして、彼らの叱咤を受けて立ち直った僕は、本腰を入れて怒涛の検証祭りを始める。「8番道路」一本に読みを絞り、以下の検証を続けた。

まあ、そもそも「6番道路・8番道路」はデスマスの進化とは無関係なんですけどね。

個人的な感覚として、ワイルドエリアは通信や天気などかなり異色なコンテンツになっているので、そこが進化条件に関わってくることはないだろうという読みがあったのだが、これが完全に外れていた。

そんなこんなで虚無の検証もそこそこに終わらせて就寝。朝を迎えていつも通り大学に向かうこととなった。

電車内で日課のワイルドエリア散策を始める。 前日に検証祭りをしていたために手持ちのデスマスのHPが減っていたが、僕は何となくポケモンセンターで回復することなくワイルドエリアをうろちょろしていた。 そして、唐突にその瞬間は訪れる。

電車の中で思わず声を上げてしまった。

「いや、何で?何条件?は?砂塵の窪地?」

興奮で震える手を必死に抑えつけながら、慌ててスマホで写真を撮った。Switchの動画にも保存した。

砂塵の窪地には、デスバーンの大シンボルorレイド穴が出現することを期待してよく通っていた。 まさか、傷ついたデスマスを連れていくことで進化するとはつゆ知らず……

未だに興奮冷めやらぬまま、この記事を執筆している。

ネット縛りポケモン図鑑埋めを終えて

ここでは述べていないが、実は上記以外にも結構キツいことはあった。

そもそも、図鑑に載っていない(載っていても分布が不明な)ポケモンは全員出現場所や進化情報が分からないし、そもそも空欄になっている部分に何のポケモンが入るかすら分からないこともざらだった。

そんな中で僕に出来たのは、ひたすら毎日ワイルドエリアを散策し続けることだけだった。毎日ワイルドエリアのすべてのエリアを回り、見たことの無いポケモンがいないかを調べ続ける日々だった。

また、すべての街のすべてのNPCに話しかけて、何かヒントやポケモン交換などが無いかを見て回ることもした。

ルカリオとかドロンチとかジヘッドとか、偶然見つけなかったらどうなってたんだろう。

こんな感じで、表には出ていないが結構泥臭いこともしている。

そんなこんなで図鑑を埋めきった今は、達成感と自己肯定感がすごいある。

個人的な進化条件のキツさは、

レベル<石などのコモンアイテム<なつき<専用アイテム=<交換<<<特殊条件<<<<<<<<デスマス

でした。

マジでもう二度とデスマスみたいなポケモンを生み出さないで欲しい。

謝辞

ヒントをくれた皆さん、僕がネット縛りをしていると知ってポケモンの情報をTwitterなどに流さなかった皆さん、本当にありがとうございました。

*1:「許さん三銃士」略して「許三銃士」

*2:僕は剣を買ったので盾限定のポケモンの入手手段がない

*3:これマジカル交換連打で縛り違反では?って思われるかも知れませんが、ミミッキュは孵化余りがマジカル交換に流れてくる可能性が高いという明確な根拠を持ってガン待ちしたから許してくれ。ちなみにマジカル交換で図鑑を埋めたのはミミッキュだけです。

二ノ国を見た感想

この記事は何

先ほど、映画館で『二ノ国』を観てきました。 あまり見に行くつもりはなかったのですが、研究室の同期に「始終笑顔になれる作品。本当にお勧めしたい」と言われたので、仕方なく1500円と2時間をどぶに捨ててきました。

本記事では、二ノ国の感想をつらつらと書き連ねたいと思います。 あまり構成など考えていない散文なので、読みにくい部分などはご容赦頂けると幸いです。 また、ネタバレ無しで語るのは難しいので、最初から最後までネタバレを含みます。 ネタバレをご容赦頂ける方のみお進みください。

感想

えー、どこから語ればいいんですかね。 この作品、研究室の同期が言っていたように「始終笑顔になれる作品*1」なので、本当にどこから語ればいいか分かりません。

もし二ノ国という映画を一文で言い表すなら、「なろうの日間ランキング34位の作品を映像化しました~ジブリ風味~」といったところでしょうか。*2 ちなみにこの比喩表現は褒めています。なろうの日間ランキングに乗るには、類まれなる投稿頻度が必要で本当に大変なことなので。

まず、二ノ国を見るにあたって周囲の人間の評価を軽く見たのですが、まあ惨憺たるものでした。酷評に次ぐ酷評。誰一人褒めている人間を見かけない。 僕は恐怖しました。これから僕が見に行く作品はとんでもなくつまらない、おぞましい作品なのではないかと。

しかし、蓋を開けてみればそうでもなかったです。 僕は完全に『異世界チート魔術師』を2時間見させられることを覚悟していたのですが、出てきたのは劇場版『百錬の覇王と聖約の戦乙女』だったみたいな感じでした。 分かりにくければ、砂を食べに行ったら雑草を食べさせられたぐらいに考えてください。すごい、ちゃんとした食べ物です。

実際、この作品は言われるほど酷評されるものではなかったと思っています。

雑な伏線の張り方・回収、登場人物の言動の意味不明さ、不要な設定や登場人物、唐突な謎シーンなど突っ込みどころは多々あれど、「いや、この作品の原作なろうだからね?」と言われれば許されたと思います。しかし、残念ながらこの作品は許されません。原作がなろうではないからです。

もしこの作品の原作がなろうだったなら許されていただろうと思うと胸が詰まります。 いや、本当にこれなろう作品なんですって。信じてくださいよ。一ノ国では違うかもしれないけど、二ノ国ではなろう作品だったんですって。

実際、僕はなろう作品として二ノ国という映画をとても楽しく見ることができました。いや、本当に研究室同期の言う通り「始終笑顔になれる」作品だったと思います。実際、2時間笑顔だったせいで帰り道でも口角が上がったままで大変でした。

はい。全体の感想はこれぐらいにして要素要素の感想を述べていきたいと思います。

作画

まず、作画です。作画は全体的に良かったと思います。

僕はクソアニメを見るときに必ず登場人物の指の本数を見るようにしているのですが、2時間近い映像の中で少なくとも僕の確認した範囲では、全員ちゃんと指が5本ずつあって良かったと思います。引きの画面で登場人物の作画が若干ぐずぐずだった以外は全体的に崩れておらず、よく動いていました。そこいらのなろう作品よりは遥かに高品質でした。

ちなみに、僕の見間違えでなければ1か所だけ作画ミスがありました。作中で、アーシャ姫のお腹の傷を治すために癒しの泉みたいなところに行きます。癒しの泉で謎ダンスを踊ると、お腹にあった傷痕がみるみる消えて、元の何も無いきれいな肌に戻っていきます。しかし、そのあとの描写で、1秒前後写ったアーシャ姫の腹部にまだ傷が残っていました。最初は伏線かなとも思いましたが、そのあと回収もされなかったので、恐らく作画ミスです。

まあ、そんな感じで、1つ作画ミスを見つけた以外は本当に気になる箇所も無くバッチリでした。ここは褒めてあげたいと思います。

音響

BGMやSEはかなり良かったです。特に僕が気になるところもありませんでした。 俳優・声優の演技に関しては、俳優の人も頑張ってはいるんですが、本職の声優と並べるのはかなりかわいそうだなと思って見ていました。 子供のお遊戯会にベテラン俳優が混じって演技しているみたいな感じで、微笑ましかったです。

お話

ここが最も語る部分が多いので最後に持ってきました。

どこから語ればいいのか分からないんですが、まず、二大主人公のユウとハルのどちらもが行動原理がガバガバ意味不明で本当に良かったと思います。

ハル「うおおお! オレはコトナ(ヒロイン)を助けるんじゃい!」←分かる

ハル「だからアーシャ姫を殺す」←分からない

ハル「邪魔するやつも全員切る」←分からない

という感じで、映画館で笑ってしまいました。 一応作中で、「一ノ国と二ノ国では命の総和上限が決まっている。そのため、二ノ国で死ぬはずだったアーシャ姫を助けたら、表裏一体の存在である一ノ国のコトナが死ぬ羽目になる」みたいな嘘の説明があり、「せや! 逆にアーシャ姫殺せばコトナ助かるやんけ!」みたいな流れなのですが、「いや、ちょっと考えたらおかしいって分かるやろがい」という気持ちになりました。

たぶん、「ユウとハルを敵対させて戦わせたい!」みたいな「やりたい展開」が最初にあったんでしょうね。それにキャラクターの言動を無理やりあわせるからこういうことになったんだと思います。この作品は全体的にその傾向が強かったような気がします。気持ちは分かります。最初にやりたい展開があって、後からキャラクターが追従するようにしたくなるんですよね。でも、それをやるとキャラクターが「死ぬ」のでちゃんと「このキャラクターはこういうときにこういう行動をとるか? 物語の都合に束縛されていないか?」ということを逐一確認する必要があると思うんです。この作品はそういう部分を踏み倒して、「うるせえ!!! 俺のやりたい展開はこれだ!!(どん)」という男らしさを感じて非常に良かったと思います。

しかも、この展開のあとで、ハルが自分の間違いに気づき「やっぱりな! おかしいと思ってたんだ!」って言いだしたときは本当に爆笑をこらえていました。掌大回転オブザイヤー2019にノミネートしましたね。

加えて、ラスボスのガバラス君の心理状態も結構ガバガバで良かったです。聞いてもないのになんか急に「俺はぁ! お前らにこんな仕打ちをされたぁ!! 屈辱だぁあ!!」とか言い出したから復讐が目的なのかなと思ったら、「ふん、私が復讐などという単純な感情で動いているとでも?」みたいなこと言いだして、「いや、情緒不安定かこいつ」ってなりました。

他にもガバラス君関連で気になったとことをざっくり箇条書きで書きたいと思います。

  • 「姫には防御魔術がかかっているから直接殺すことはできない」とか言っておきながら普通に殺そうとする。
  • 物語序盤から姫を殺そうとしているので、姫を殺すことが目的かと思ったら、どうやら姫の持つ膨大な魔力(後出しで明かされる)が欲しいらしい。いや、殺したら魔力奪えなくない? ってか、魔力奪って何したかったん?
  • 防御魔術を知っていながら、姫に呪いの剣を突き刺して防御魔術に呪い返しを食らう。いや、バカか?
  • 姫は自身の防御魔術を貫通する魔法の短剣を持っていた。出会って数日の主人公が見せてもらえるぐらいガバガバ管理なのに、王の腹心レベルになっていながらその存在を知らない。
  • 騎士隊長をワンパンできるし、変身すれば空を飛んで城の屋根をぶち壊して姫をさらえるのに、なぜか潜入して機を窺がっていた。

いや、謎しかないですね。 たぶん、「王の腹心だったやつは、何と敵の大ボスでした!」展開をやりたいというのが先にあって、そのあとにキャラクターとか設定を練ったんでしょうね。あまりの酷さにガバラス君が喋るたびに笑顔になっていました。人を笑顔にしてくれる素晴らしいキャラクターでした。南無。

閑話休題

書きたいことがいっぱいあるので、ここからは箇条書きで行きたいと思います。

  • 全体的に登場人物が無能なのも、なろうテイストで良かったと思います。ガバラス君はいさ知らず、王様も普通に無能でした。不審者である主人公を姫の護衛役にすることをOKしたり、腹心(ガバラス君)の助言をかたっぱしから鵜呑みにしまくるシーンとかも「ああ、なろうだなぁ」という感じでした。最後に主人公が王位を継承(?)していたのも、「足が不自由な俺が異世界で王になれたワケ」というタイトルでなろうにありそうな展開でしたね。

  • 不要な登場人物も多かったなと思いました。特に序盤の酒場にいた面々です。その後大した活躍も出番もなくちょろっと出て終わったので、何がしたかったのかなという感じでした。たぶん、異世界感を出したかったんでしょうね。そもそも、異世界転移して早々右も左も分からずに酒場に行く主人公たちの行動原理も分からなかったので、恐らく「異世界感を醸し出しつつ、拠点を確保する」というイベント消化のための場所と人だったのでしょう。

  • 個人的には癒しの泉で水浴びするシーンで笑ってしまいました。なんかお清めするみたいな雰囲気だったので、こう静かに水浴びするのかなと思ったら御付のゆるキャラが「姫! 清めのダンスを踊るにゃも!」みたいなことを言い出して、「!?」ってなりました。一瞬で冷静さを取り戻し、「まあ、日本舞踊みたいな感じで静かな舞を踊るのかな」と思っていたら、急に姫様が宙に浮き始めて水面上をスケートダンスしだしたので必死に笑いをこらえていました。「いや、水浴びしろよ。何水面上で踊ってんだよ」みたいなツッコミをこらえつつ、1分近いダンスシーンを観させ続けられました。

  • ユウが足不自由の必要性あった? そもそもユウが二ノ国の住人なら、一ノ国で足不自由なら二ノ国でも足不自由じゃない? ユウの足不自由設定、なろう小説における「元の世界ではいじめられっ子」設定と同質なんですよね。

さてはて、そんなこんなで物語も終盤。ラスボスも倒し、「もう流石に大丈夫だろう」と思っていたらそんなことはありませんでした。さすが僕を笑顔にし続けてきた二ノ国。序盤中盤だけでなく、終盤にも隙はありませんでした。

最後の最後でユウとハルが同一人物(というかユウが二ノ国におけるハル)であることが暴露されます。ハルは最後に、「実はユウが二ノ国の住人で小さいころにこちらに飛ばされてきており、自身と同一人物であること」に気づくのですが、本当に神がかり的理解力を発揮していました。いや、伏線は無くはなかったんですが、それは視聴者から見た伏線であって、ハルからするとそれに気づく要素一切無かったと思うんですよね。急に天啓でも降りたんですかね。最後のシーンでハルはなぜかその真実に気づき、「今は以前よりもお前と傍にいる気がするよ――――」と感傷にひたります。うーん、この。君30分前ぐらいにそいつのこと殺そうとしてたからね。自分の彼女助けるために色んな人殺してたからね。

まとめ

何度も言いますが、本当にこの作品はなろう作品なんですよね。全体的に登場人物の心理や言動が意味不明な部分とか、展開ありきで強引に推し進める部分とか、王様や騎士隊長みたいな重役の人が軒並み無能なところとか。

だから、なろう小説の映像作品として見れば楽しめると思います。間違いなく『異世界チート魔術師』や『デスマーチから始まる異世界狂想曲』よりは面白かったと思います。なので、もう1回見たいとは思いません。

*1:「突っ込みどころしかない作品」の意。

*2:「なろう」というのは「小説家になろう」という小説投稿サイトを指します。

ドラゴンクエスト YOUR STORY を見た感想

この記事は何

あまりにネット上での評判が悪かったので、ドラゴンクエスト YOUR STORY (以下、本作品)を見に行きました。1,500円でした。それだけのお金があればそれなりにおいしいランチが食べられますね。その内容が内容だったので、感想をここに記そうと思います。あんまり構成とか考えていない散文なのでご容赦ください。

前半はネタバレなし感想、後半はネタバレあり感想になっています。ネタバレが嫌な方は前半だけを読むことをお勧めします。

ネタバレなし感想

まず、僕自身はドラクエV(以下、原作)にそこまで思い入れはないです。高校生ぐらいの頃に実況動画を一通り見たぐらいで、ストーリーの展開も大まかにしか覚えていない程度の熱意しかありません。それゆえ(?)、そこそこに本作品を楽しむことが出来ました。世間で酷評されるほど、悪い作品ではなかったと思います。いや、ごめんなさい。嘘をつきました。悪い作品ではありますね。正確を期すなら、つまらない作品ではありませんでした。むしろ、面白かったと思います。ただ、悪だとは思いました。

さて、あまりに世間で悪し様に言われているので、ここは逆張り精神を発揮して褒めてみたいと思います。

まず、作画はかなり良かったです。ディズニーやらを意識していたのか、所々粗は目立つものの結構頑張って作っているなという感想を持ちました。少なくとも、僕が普段見ているクソなろうアニメみたいに作画崩壊で笑えるような代物ではなかったのでそこは褒めたいと思います。特に、戦闘シーンはかなり熱く、バギクロスはかっこよかったです。主人公のリュカ君は魔法剣士のようなスタイルで戦うのですが、魔法と剣を組み合わせた戦い方は非常に厨二心をくすぐって良かったです。

次に、音がかなり良かったと思います。巷では、BGMの使い方が間違っているとも言われていますが、僕は特に原作をやりこんでいたわけでもないので気になりませんでした。音楽も効果音もすごくよかったです(こなみ)。俳優陣の演技も素晴らしかったです。特に、ケンドーコバヤシのサンチョとか、吉田鋼太郎のゲマとか、マジで声優がやってるんじゃないかってぐらい完成度高くて、ビビりました。これは僕の持論なんですが、芸人は声優としての演技が上手い人が多いように感じます。理由としては、恐らく必ずしもカメラが自分に向いているとは言えない状況で声だけで客に意図を伝えなければいけない状況が多いことや、普段からコントなどで大仰な演技をすることが多いからかなと思っています。

次に、悪かったと思うところを述べたいのですが、これは結構ネタバレを含むので詳しくは次章で述べたいと思います。

まず、1つはやっぱりあれだけの長編大作である原作を、2時間ぽっちの映画にまとめるのは無理があるという話でした。まあ、これは結構仕方ない。でも、もう少し上手い省略の仕方があったんじゃないかなあという気持ちになりました。

次に、ところどころ言葉遣いが気になりました。これは物書き特有の引っかかりかもしれませんが、「そこにその単語使う?」とか「その言い回しはこう変えるべきでは?」みたいな細かい粗が多く、没入を妨げられました。

最後は、話題になっているラストですね。あれは、まあ賛否両論あると思いますが、僕はしょうもなすぎて爆笑してしまいました。映画館の他のお客さん、ごめんなさい。でも僕の後ろの客の笑い声も聞こえたし、あれは仕方ないよね。

ネタバレあり感想

以下、ネタバレあり感想です。ネタバレが嫌なひとはお帰りください。

帰った? 帰ったね?

じゃあ、書きます。

いや、あのラストはいかんでしょw

分かる。VR落ちとか電脳空間落ちは落ちとして強いし、話題性も出せるし、物書きとしてやりたくなっちゃうのは分かる。ちゃぶ台返ししたいよね。お客さん驚かしたいよね。でも、原作ありでそれをやっちゃダメだと思うんですよ。ちなみに、僕は最後にメタい感じで「実はこの世界はVRでしたー!」とか言われた時点で吹き出し、なんとか笑いをかみ殺していました。ですが、そのあと CV:山寺宏一のスライムがめっちゃいかつい顔で「私は、アンチウイルス! 君を見守っていた!」とか言い出したところで、我慢できずに爆笑してしまいました。いや、あれは無理だって。完全にシュールギャグじゃん。

いやあ、ずるでしたねあれは。耐えきれるわけないやん。

しかもその展開で「全部まやかしやったんやで!」とか言ったあとに世界が元に戻り、5分間ぐらい延々元のドラクエ世界のエピローグを見せ続けられたのですが、あまりに虚無でしたね。あの最後の虚無感は、普段なろうを見ているときに感じる「いや、マジでこの世界そのものがしょうもねえな」というあれに近いです。すごい。虚無をエンターテインメントに昇華させたスタッフに敬意しか感じない。「たくさん逆撫でしたけど、最後に順撫でしたから許してください」を地で行く展開で本当に好き。

最後の10分ぐらいで、「ゲームの世界は偽物かもしれない。でも、君の熱狂した冒険は本物だったんだぜ☆」みたいなお説教を食らうのですが、「うるせ〜〜!!!!!知らね〜〜〜〜!!!!FINAL FANTASY」という感じがして非常に良かったです。何でお前らに説教されなあかんねん、知らんわ。

ラストのシーン、すべてが雑過ぎてめちゃくちゃ面白かったので、本当に各位においては見て欲しい。「ああ、これまでオレが見てきた2時間は本当に無駄だったんだな」と思わせてくれるラストに一同驚愕。笑顔が止まらない。

ラストは言わずもがな(という割には言葉を尽くしたが)、個人的にはビアンカとフローラの選び方にも結構不快感がありました。顛末をざっくばらんに話すと、

ブオーンを倒し、フローラにプロポーズするリュカ。ビアンカの後押しもあり自分の選択は間違っていなかったと頑なになるリュカだが、一人の老婆から渡された薬によって自分の本心を知る。そう、本当は自分はビアンカに惹かれていたのだ。その後、フローラへのプロポーズをやっぱやーめたして、ビアンカに求婚。リュカとビアンカは結ばれる。そしてなんとなんと、リュカの本心を暴いた老婆の正体は、魔法で変身したフローラだった!」

まあ、こういう展開なわけですが。ぶっちゃけ主人公の行動があまりにキツい。ここなろうみがあってすごい笑っちゃったんですよね。フローラ蹴って、ビアンカ選んでなんかいい感じにハッピーエンドになったところとか、実はフローラがそれを後押ししてたので主人公は全然悪くないですよアピールとか。都合が良すぎて、ラストの次に大笑顔ポイントでした。

フローラビアンカ戦争はきのこたけのこ戦争に相並ぶ宗教戦争として話題ですが、解決方法は色々とあったと思います。ただ、今回のソリューションは少しばかりずるいなと思ってしまいました。主人公(というか制作スタッフ)がやけどしないように配慮しつつフローラの株も上げる、上手い方法ではあるんですが、主人公の葛藤やら決意やら幾ばくかの後悔やらが欠片も無く、せっかくの一大意思決定シーンがシナリオの都合で流された感があって非常に残念でした。ある種、逃げのような解決方法ですね。一周回って両方と婚約するみたいな展開になったら、昨今のなろうの潮流を反映していて面白かったと思います。めっちゃ叩かれたと思いますが。あ、ちなみに僕はたけのこ派です。

あとは、細かい部分で思ったことを箇条書きっぽく書いていきます。

  • ゲマの側近二人っぽい魔物がいるんですが、作中でそいつらに何度も苦しめられます。最後はちゃんと戦って倒すのかなって思ったら、ゲマに向かって突撃しているときにながら切りでサクッと即死させてしまったのが本当に酷かった。そんなことある? 何でリベンジマッチみたいなの無かったん? そんな一撃で殺せるなら最初っからやれや。まあ、実際は主人公が強くなっているとか、敵も戦闘で弱っていたとかあったと思うんですが、作中のそんな描写は当然全カットされているので、強キャラ感あった敵幹部が一瞬でなます切りにされたという虚無体験が爆誕しました。

  • そもそも、全体的にゴリゴリカットするんで本当に感動みたいなのが欠片も無いんですよね。途中で主人公が石化されるんですが、5分ほどで8年経過して成長した息子が助けに来てくれるので感慨もひったくれもあったものじゃない。5分で解凍って冷凍食品かお前は。他にも尺の都合ですっ飛ばしたシーンが多くてかなり笑みがこぼれました。

  • リアルテイストになると魔法の存在に結構疑問符が生じますね。ルーラあるならもっといろんな場面で使えよ。いくらでも危機を脱せただろ。リアルテイストになるとザラキ強すぎないか? もう一生ザラキでいいだろ。逆に、ザオリクを使え。いくらでもパパスもマーサも復活できたやろ。みたいな。ちんちん亭みたいな突っ込みを入れてしまった。

  • ビアンカ「私も天空人だったの!」リュカ「そうだったのか!」。ここ、マジでギャグだと思いました。

ということで、色々と書き連ねましたが、最後に思ったのは「誰を楽しませたかったんだろう?」という疑問です。

完全初見勢は幼少期の全カットが入ったことで、没入感をそんなに得られないと思います。それに、最後の展開も結構置いてけぼりになってしまうのかなと思います。小さい子供も同様です。

原作プレイ勢はどうかと言うと、それは恐らく世に出回っている本作品のレビューを見て頂ければ分かると思います。あまりの酷さに血涙を流すレベルの感想が散見されています。

いや、マジで誰を楽しませるための作品なんだこれ。

実際、僕はもう1回見たいぐらいにはすごく楽しかったので、たぶんこの作品のターゲットは「なんかふわっとドラクエVを知っているクソアニメ好きの人」です。すごいな、日本人口にどれだけいるんだ、この人種。まさか、映画の側から勇者を選別してくるとは思わなかった。

ドラクエVが好きだったから!」とか「面白そう!」という心持ちで挑んでしまうと見るも無惨な姿になって発見されますが、「クソアニメと聞いて来ました」みたいな心持ちで見ると結構楽しめるんじゃないですかね。前半は結構真面目にやっているので、普段おちゃらけてるやつが就活のときだけスーツ着てハキハキ喋ってるみたいなのを見れておススメです。

まとめ

バギクロスはかっこよかった。

進化的アルゴリズム学習帳

この記事は

なんか、大学院で配属された研究室が進化的アルゴリズム? とか遺伝的アルゴリズム? みたいなのをやってるっぽいのでお勉強しようかなーって。 メモにまとめるぐらいならブログ記事にしちゃうか! ぐらいのゆるい日常を淡々と描いたものです。過度な期待はしないでください。*1

そもそも進化的アルゴリズム(Evolutionary Algorithm)って?

要するに最適化アルゴリズムの1つ。生物の突然変異とか進化とかの考え方をアルゴリズムに組み込んでやろうというもの。 進化的アルゴリズムは大まかに次の4つに分類される。

似たような名前でややこしいんじゃ(半ギレ)。
この中で、たぶん一番有名だし色々使われてるのが遺伝的アルゴリズムっぽい。 僕は「進化的アルゴリズム遺伝的アルゴリズム」ぐらいに考えてたんだけど、実際には、「進化的アルゴリズム遺伝的アルゴリズム」らしい。

歴史的には、どうやら最初に進化的アルゴリズムがあってそこから分化したというわけではなく、複数の分野が同時期にぽこぽこ発生して最終的に進化的アルゴリズムにまとめられたりしたらしい。

それぞれについて詳しくどんな感じか調べた。

遺伝的アルゴリズム

遺伝的アルゴリズムの概要

遺伝的アルゴリズムでは、個体を進化させて問題に対する所望の解を求める。 具体的には個体は1つ以上の遺伝子を持ち、それによってデータを表現する。この遺伝子の列は基本的には数値の配列で表され、これを遺伝子型(GTYPE)とか呼ぶ。 この遺伝子型が表現する解を表現型(PTYPE)とか言う。*2 めっちゃ具体的に言うと、たとえば、個体A=[0, 1, 1, 1, 0, 0]、個体B=[1, 0, 1, 1, 1, 0]みたいな感じで表現する。これが遺伝子型。これを元に問題の解となるような形に表し直したらそれは表現型になる。

で、この遺伝子配列を持った個体に対して、選択、交叉、突然変異といった様々なオペレーションをかけていき、最終的に所望の表現型になるような遺伝子型を得る。 この選択の仕方とか交叉の仕方にいろんなやり方があって、それによって精度とか計算速度が結構違ったりする。 生物の進化っぽいことをやっているだけで、実際にやっていることは最適化問題を(近似的に)解いているだけ。

遺伝的アルゴリズムは、「広い探索は得意だが、局所探索は苦手」という特性がある。選択とか交叉とか突然変異といったオペレーションは、最適化問題における確率的な探索に相当するが、その仕組み上割とおおざっぱな探索になってしまう。もちろん、厳密解が出ることも多いが、局所解に落ち込んだり、全然最適解に落ち着かなかったり、最適化関数の鞍点が苦手だったりする。局所探索を行うアルゴリズム焼きなまし法とか、山登り法とか)と一緒に使うことでこれらを解決することも多い。

でも、おおざっぱな探索をするので逆に大きな問題に対しては割と強かったりする。例えば、ナップザック問題みたいにNP完全だったり困難だったりする問題は、案外いい(近似)解が早く得られる。もちろん、確率的な探索なので最悪計算量はO(∞)だけど。

どんな問題を解くの?

最適化問題を解く。ナップザック問題とか、巡回セールスマン問題みたいな問題を解くのに使ったりする。たとえば、ナップザック問題だったら、i番目の荷物を入れるかどうかを1bitで表現して、遺伝子配列を作る。これを計算すると、ヒューリスティックな探索よりシュっと計算結果が出る。

遺伝的プログラミング

遺伝的プログラミングの概要

ほとんど遺伝的アルゴリズムと一緒。違うのは遺伝子型を配列ではなく、木構造で表すことだけ。 遺伝子を気構造で表すことで、プログラムのソースコードだったり数式などの木構造をもったものを扱える。 強いて遺伝的アルゴリズムとの違いを挙げるなら、遺伝子型が木構造なので、交叉とか突然変異の操作が、配列のときと微妙に違う。

どんな問題を解くの?

所望の数式とかソースコードを生成するみたいなときに使う。ロボットを制御するコードを進化的に生成するとか、メタプログラミングとかやったりする。

進化戦略

進化戦略の概要

遺伝的ほげほげと同時期に別の場所で研究がなされていた分野。目的は、解析的には求めづらいある関数 f(x) の最大値を求めること。 その解として、 ベクトル x があり、その x を1つの個体とみなしてこいつを f(x) が最大となるような x に近づけていく。 更新の際に、ベクトルの各要素を次の式で更新する。

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更新時の数式

ここで、Nは分散σ2に従う正規分布なのだが、これが大きすぎると最大値を行き過ぎてしまったり、小さすぎると局所的最大値にとらわれてしまったりする。 そのため、x を更新し続けて探索を行いながら、 σ を調整していくことで最適解を求める。 つまり、進化させるべきはベクトル x ではなく、 σ の方である。 これが、遺伝的アプローチとの大きな違いだろう。

どんな問題を解くの?

お好きな非線形最適化問題をどうぞ。

進化的プログラミング

進化的プログラミングの概要

調べてみましたが、よくわかりませんでした! いかがでしたか?*3

*1:みなみけは1期と3期と4期があるのに2期がない珍しい作品

*2:RTYPEはないんですかね

*3:ちゃんと調べたら書きます

よくわかる Gated Graph Neural Network (GGNN)

はじめに

こんなタイトルだけど、もしかしたらよくわからないかもしれない。
冗談です。世の中には、Graph Neural Network (GNN) [1] や、それをちょっと拡張させた Gated Graph Neural Network (GGNN) [2] というものがあります。 これらは名前から分かるように Neurarl Network の一種で、グラフ構造を直接取り扱うことができるというものです。

本記事では、主に機械学習などをやっている人を対象に、GNN や GGNN がどういったものなのかを解説したいと思います。

前提知識

  • Neural Network の基本的な知識。
  • RNN や LSTM に関する基本的な知識。
  • その他、機械学習についての基本的な知識。

GNN って何?

一言で言ってしまえば、「グラフ構造を直接取り扱うことのできるネットワークモデル」です。 グラフ構造とは、葉や節とも呼ばれるノードと、それらノードを繋ぐエッジからなる構造のことです。

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図1. [1] より、グラフ構造の例。

図 1 にとってもシンプルなグラフの例を挙げました。 ①~④がそれぞれノードであり、その間を繋いでいる矢印がエッジです。 図中のエッジに黒色と灰色がありますが、このようにノード間を繋ぐエッジの種類が複数ある場合もあります。

ここで、ノードの間を方向を持つ矢印で繋いでいますが、このように方向のあるエッジを有向エッジと呼び、有効エッジを持つようなグラフを有向グラフと呼びます。 一方で、ただノード間を方向のないエッジ(線)で繋いだものについても同様に、無向エッジとか無向グラフとか呼びます。

GNN では、基本的には有向グラフを扱うのですが、無向グラフも取り扱えます。 無向グラフは、単純に無向エッジを双方向の有向エッジに変換することで有向グラフにして取り扱います。

さて、ではグラフについての軽い解説が終わったところで、実際の GNN の解説に移りたいと思います。

GNN の解説としては、 Microsoft Research の上げている下の動画がはちゃめちゃに分かりやすいです。 なので、英語が分かる人はこっちを見ることをオススメします(僕のブログが読まれないのは悲しいけど)。

www.youtube.com

それはそれとして、日本語の解説も書きます。
GNN は大雑把にいってしまうと、「各ノードがメッセージを作成し、隣に伝言ゲームで伝えていくことで学習を行うモデル」となっています。 順を追って見て行きましょう。

まず、グラフはノード v ∈ V、エッジ e ∈ E からなります。ここで、V や E はグラフに含まれるノードやエッジの集合です。 それぞれのエッジはあるタイプ k ∈ K に分類されます。つまり、「このエッジは黒色!」とか「このエッジは灰色!」みたいな分類があるということです。より具体的に言えば、例えば化学の「単結合」「二重結合」「三重結合」のような分類が考えられます。このように、エッジは 1 種類ではなく、複数種類存在することがありえます。

そして、それぞれのノード v は、現在の自身の状態 h(v) (ベクトル)を持ちます。RNN の隠れ層のようなものですね。 各時刻 t において(急に時刻が出てきて混乱するかもしれませんが、あとで分かるのでそういうものだと思ってください)、各ノード v はタイプ k のエッジで繋がった隣のノードに、メッセージ m_k^v を送ります。 ここで、メッセージ m_k^v は、次のような式で計算されます。

\begin{align} m_k^v = f_k(h(v)) \end{align}

ここで、  f_k はエッジのタイプ k ごとに設定した、何かしらの関数です。これは何でもよく、一例としては、 Linear Layer などが挙げられます。  f_k は現在のノードの状態 h(v) から、隣のノードに伝達すべきメッセージを作成します。 このメッセージは、式からも分かるように現在の自分の状態を少し加工して隣に伝えるようなものになります。

メッセージを作成した後、各ノードはタイプ k のエッジで繋がった自分の隣のノードにメッセージ m_k^v を一斉に渡します。 メッセージを受け取った各ノードは、それを元に自分の状態 h(v) を更新します。 ここで、ノードによっては複数のメッセージを受け取る場合もあるでしょう。その場合には受け取ったメッセージを全て足し合わせた  \tilde{m}^v を受け取ったメッセージとします。 実際に次の式で自分の状態を更新します。

\begin{align} h'(v) = RNN(\tilde{m}^v, h(v)) \end{align}

ここで、RNN はそのまま RNN の状態更新を行う関数だとしてください。厳密には RNN でなくとも良いのですが、実質やっていることは RNN なのでこう記述しました。 RNN として simple RNN ではなく、 LSTM や GRU を用いたものを、 Gated Graph Neural Network (GGNN) と言います。違いはそれだけです。

以上のように、「自分の状態からメッセージを作成する」「隣にメッセージを伝達する」「受け取ったメッセージを元に自分の状態を更新する」という一連の流れを、各ノードで一斉に繰り返すことで学習を行うのが、 GNN および GGNN のアルゴリズムになります。

さて、各タイムステップごとに一斉に値を伝播するのですが、そのタイムステップはあらかじめ決めた値になります。例えば、5ステップで学習を終了させると予め決めていれば、上記の操作を5回繰り返して終わりになります。そのため、場合によっては遠くのノードに自分の情報が伝わらないこともあります。

GNN のいいところ

GNN の利点としては、何と言ってもグラフ構造をそのままニューラルネットワークのモデルに落とし込めることです。 化合物の構造や、構文木など、グラフ構造を持っているものはたくさんあります。 そうしたものを、そのままニューラルネットワークを通じて利用できるというのが、GNN の強みであると言えるでしょう。 実際に、ソースコードの解析などに用いている先行研究 [3] もあったりして、そこそこにいい性能が出ています。

また、 GNN は複数種類のエッジにも対応しているという強みもあります。 これにより、ノードとノードの様々な関係性を強くモデルに反映させることができます。

まとめ

以上が、 GNN や GGNN の解説になります。 今後、グラフを対象にした研究は(たぶん)増えていくので、理解しておいて損はないかなと思います。 グラフ構造をニューラルネットで扱いたい場合の選択肢の一つとしてどうぞ。

何か間違いなどありましたら、ご指摘頂けると幸いです。

参考

[1] Franco Scarselli, Marco Gori, Ah Chung Tsoi, Gabriele Monfardini. The Graph Neural Network Model. In IEEE, 2007.
[2] Yujia Li, Richard Zemel, Marc Brockschmidt, Daniel Tarlow. GATED GRAPH SEQUENCE NEURAL NETWORKS. In ICLR 2016.
[3] Miltiadis Allamanis, Marc Brockschmidt, and Mahmoud Khademi. Learning to represent programs with graphs. In ICLR, 2018.

model-free と model-based

機械学習の一分野に、強化学習というものがある。 その中でよく、「model-free」だとか「model-based」だとかという言葉が使われているが、ぶっちゃけどういう意味かあんまり分かっていなかった。 この記事では、調べたことをまとめる。

簡潔に言ってしまうと、違いは環境モデルを明示的に学習するかどうからしい。 環境モデルとは、要するにその環境がどういう報酬を返すかとか、この状態でこのアクションを取るとこういう確率でこの状態になるといった、環境を数値的に表現したもの。 model-freeはこの環境モデルを明示的に学習せず、model-basedは環境モデルを明示的に学習するっぽい。

例えば、Q学習とかは直接環境の遷移とかを学んでいるわけではないので、model-freeになる。 逆に、I2Aとかは value の推定などをやっているため model-based に含まれる。

なんか、「いかがでしたか?」記事みたいなスカスカ記事になってしまったけど、詳しくはリンク先のページを読んでほしい。

参考

[1] Model-Based Reinforcement Learning @NIPS2017
[2] What is the difference between model-based and model-free reinforcement learning? - Quora